運動会 その3
「おい、こんの腐れあばずれ女、私の大切なハラさんをいちいち引きずり回すとか、今ここでぶっ殺した方がいいのかな?あ?
ねぇねぇ、聞いてるの?ちょっとしたお題を引いたぐらいで、私の最愛のハラさんを奪っていったその奇特な人心無視の精神をお持ちの方ぁ?人心掌握術とかそんなことを適当ぬかして見様見真似でやっただけの自己愛性が強すぎる自己中なお方ぁ?私の心は無視ですかぁ?そうですよねぇ、人のことなんてどーでもいい、自分たちの見栄さえ守れればいい自分中心のモゴォ!」
あまりにもトモミがひどい罵倒をしたものだから、後ろにいたこともあり容易に口をふさぐことができる。
「す、すまないアマチャン!こんなことを言ってはいるが、私は大丈夫だし、アマチャンもどうか気にしないでほしい。
というか、トモミのこの発作はいつも通りということで、どうか見逃してくれないか?
アマチャンはいつも通りに過ごしてくれればいいし、私に普通に絡んできてもいいからな?
トモミにはその、叱ることが私は苦手でなぁ、口が悪いところはあるが、仲良くできれば一番なんだが、再度のお願いだがどうか、見逃してほしいんだが……だめか?」
私が謝罪を口にしているあいだ、ずっとトモミにはベロンベロンに手を舐められたり吸われたりしているが、気にしないことにする。
1つため息を吐いたアマチャンが、口撃を始めるまでは、少しの緊張のゆるみがあったのだが、それも消えるかのようであった。
「勝手にあんたの都合&都合でハラを自身の持ち物扱い、いちいち自己愛自己愛言ってりゃ、それは自身のミラーでしかねぇ。
結局自身が自己愛あふれて、自信過剰で暴発寸前、勝手にシンギング勝手にバーニング、あんたがミラー見たらいいんじゃ?
自身の姿を見れないフールに、こいつはもったいなさ過ぎる、全てまるっと見返してから、生まれる前から出直しな。」
トモミから離れつつラップをかまし始めたアマチャンだが、リリックってこういうものだったか?正直わからないが、それでもうまいものでないことは確かだ。だが、トモミも思うところがあったらしい、私の手をどかして、アマチャンに詰め寄りながら言い返す。
「思考自走、思想移送、指導鞭撻、強制か?お前の価値観、自己の価値観、何を勘違いしてるんだ?
私はいたって健全です、お前がまるっと異常です、いちいちミラーで未来決まるか?自身の嫌いは正当性か?
おまえの言い分聞き飽きた、勝手な妄想お疲れさん、二度と顔出ししてくんな、勝手に関係適当いうな。」
トモミの返しも結構なものだが、アマチャンが次のマイクを握ったらしい、下手なリリックもここまでくると苦笑いが出てくる。
「自意識過剰は身の程知らずか?視野の狭さは教養不足?いちいち口出ししてくるお前自身が自身の自信が過剰だオーケー?
こいつの横にゃ笑顔がたくさん、お前の周りにゃ悲劇がたくさん、近くにいたけりゃアイノウ見返し、自己否定から出直しな。」
「あんたにゃわからん関係性、適当ぬかすな必要性、お前と違うわ必然性、いちいち嫉妬か?主観性、自身を見返せ将来性!」
「もうこいつらほっといて戻っていいか?」
「「それは駄目だぞ人間性!」」
「やっぱお前ら仲いいじゃん。」
色々と面倒になったので、ほかのところに行こうとすれば、掴まれる両腕、その結果喧嘩のようなラップバトルは終わったが、移動せずにそんなことをしていたせいで、私が先生に怒られることとなってしまった。
「あの、本当に申し訳ありませんです、……はい、はい、……わかっておりますが、なにとぞ……はい、ごめんなさい。」
そんな感じに先生からおしかりを受けた後、二人に対し向き直れば、ラップバトルは終結しているらしく、お互いが別々の方向へと歩いていっているところであった。
「えぇ~……?」
その後、男子たちの借り物競争となったのだが、見ていて面白かったのはトモシゲとユシタンだ。
それぞれが探していたのが禿げている人と校長先生なんだが、二人は同じクラスなため別々に走り、ユシタンが校長先生の手を引いてゆっくりと走り終えゴールした後に、トモシゲが走り始めたのだが、「自分が禿げだと自覚してる人~!自分が禿げだと理解している人はいませんか~!」などというふざけたことを抜かしていたため、結果的にユシタンやトモシゲがいるクラスは最下位になったわけだが、フジキも同様に被害に遭っており、トモシゲがどつかれまわされていた。
ちなみに、フジキは尊敬できる先生というお題だったそうで、プログラミングを教えてくれるような先生の手を引っ張っていた、どうやら、機械関係も強いらしく、色々と教えてもらい、機械関係の知識が身についたのはその先生のおかげもあるそうで、進路もその先生のおかげで工業高専に行くことに決めてあるそうだ。
そんな手前、ユシタンが禿げている校長の手を引いてしまったばかりに、別の禿げの人を探すことになってしまったトモシゲだが、結果としてはギャグが通じる禿げたお父さんを見つけて走り終えたようであった。
なんとも言えない最後だったが、ユシタンがトモシゲと喧嘩する様子には、少し笑ってしまった、なにせ「なんで禿を持っていくんだよ!」「おまえは禿指定だろ?!おれは校長指定だったから、仕方ねぇだろうが!」「だからって、学校一の禿を連れてく必要ねぇだろ!」「お前こそ校長のことを禿っていうのやめろよな!ふさふさの髪の毛が遺伝子的に劣勢だったんだから!仕方ねぇだろうがよ!」「それこそ悪口だろうが!」こんなやり取りがなされていたら、もう笑うしかないだろう。
そんなことをやりあっている三人のことは放っておいて、次の競技が何かを確かめたら、一年生の台風の目のようだ、その間にでも私の陣地へと戻り、卵の様子でも見るか。
そんなことを考えながらビーチパラソルが開いている荷物置き場へと戻ると、私のシャドー達がごろごろと休んでおり、そこに紛れるかのようにヨウカがいたので、驚いてしまった。
「あれ、ヨウカ珍しいじゃないか、何か気になることでもあったのか?」
私が声をかけると、ヨウカがこちらに向き直り軽く会釈をしてくる。
「あ、ハラさんこんにちは、正直に言えばなんでもないのですが、少し気になることがありまして。」
ヨリカの様子はいたって普通で、なにもおかしなところはなさそうに見える。
「どうした、何かあったのか?」
私の問いかけに、複雑そうな顔をしたヨウカが尋ねてくる。
「あの、イノセントトレイター的話なのですが、来る途中でクラスメイトが謎のキーホルダーを拾ったとか言っておりまして、それをどうしようかなぁ、という相談です。」
ヨウカが話しているのが穢れ水晶じゃない可能性はあるが、それでも拾ったものをそのまま手に持っているのもな、ということで、私の考えを簡単に述べる。
「うーん、ばっちいからポイしなさい?」
そんな答えにも、ヨウカはうなずき真顔で返してくる。
「なるほど、ためになります。」
あまりにも真面目な顔なので、思わず思ったことを口に出してしまう。
「おまえ、天然とか言われないか?」
「いえ?そんなことないですよ?」
「そうか、それならよかった?」
だが、そんなほのぼのとした会話の中でも十分に問題があったので、少し考えていたら突如として霧のようなものが周囲を覆い始める。
「うん?砂埃か?」
そう思ったとしても、なにかおかしい、ふと後ろを振り向くと、とあるクラスだろうところで鼓舞している声が聞こえてくる。
「お前らぁ!我々三年五組そこが最強だということを証明するために!今後の全ての競技で全力を出して相手をぶっ潰していこうと思う!
その際に、容赦はいらない!先ほどの順位は最下位だったが!これからまき直しはいくらでも可能!
これで勝って!担任から高価なご褒美をもらおうじゃないかぁ!」
そんな鼓舞の言葉だが、異様な熱気がそこにはあり、ダウナー系とは程遠い様相をしていた。
「へぇー、あそこの組は随分と気合が入っているじゃないか。」
しかし、そこから霧のようなものは発されているらしく、明らかに何かがおかしいのはよくわかった。
「ヨウカ?そういえばお前の言っていたそのクラスメイト、大丈夫だったのか?あそこはどうやら上級生の組らしいが。」
そんな問いに、ヨウカはあっけらかんと答える。
「その持っていたキーホルダーを、仲がいい先輩に渡すと申していたので、あそこにいるのがそうかと。」
あまりにも平常運転すぎるヨリカから再度霧発生地点まで振り向けば、その首からイノセントトレイター、別名穢れ水晶が下がっているのが見えた。
「あー、あれっぽいなぁー。」
そう思うのに、なぜか気にすることができない、それどこか頑張ってるなぁ~くらいしか感想が出てこないのだ。
「まぁ、実害が出たらがんばるくらいでいいか。」
私がやる気もなしにそんなことを言えば、ヨウカはブルーシートから立ち上がり、埃を払うかのように軽くお尻を叩く。
「あ、なら、試しにとってきますか?」
それに疑問を持つまでもなく、そんな言葉と共にヨウカが卵を取り出して、そのまま姿が確認できなくなり、今まで誰と話していたのかも記憶から、上手いこと消えていたことに気付いたところで、再度ヨウカが戻ってきて、手の中のものを見せてくれた。
「はい、あそこの一団からものを持ってきました。」
ヨウカがすんなりと奪ってきた穢れ水晶だが、なにやら黒さがそのままなくせに、瘴気のような霧は止まっている、それどころか元のクラスではいきなり覇気がなくなり、一番頑張ろうとしていた穢れ水晶を持っていた男子がかわいそうなくらいに空廻っているのがみえた。
「あぁ、あんなに空廻っちゃって、逆にかわいそうに見えてきたが、これ自体が危ないものだし……どっちの方がいいんだ?」
私が見たままのことを思わずつぶやくが、ヨウカはそれに我関せずのままに缶のボトルの中にそれを入れて、こちらに差し出してきた。
「これで、ごみと一緒に捨てられますよ。」
表情が複雑な無表情だが、その無表情の中に色々とありすぎて、あまりにも複雑な気持ちになりすぎる。
「いや、困るが……貰っておこう、ありがとうな。」
そういって受け取ったそれは、コーヒーの缶だ、ボトル式のコーヒーを見て、ふと問いかける。
「ところで、だ。
コーヒー好きなのか?」
「はい、好きですよ、ブラックもイケます。」
演劇部に居るからなのか、演技がかっているようにも見える言葉に、たった一言「そうか」としか返すことが精いっぱいだ。
「それでは、私は次の競技に出ますので、またなにかあれば。」
ヨウカはそれだけを言い、渡したことを確認してから何事もなかったかのように去っていく。
「す、スマートー……逆にすごいな。
あのスマートさ、見習いたいわ。」
そう言えてしまうくらいには、びっくりするほどスマートな去り方だった。
「危ないから、これは適当にバッグの中に入れておくか。」
ヨウカのその様子があまりにもスマートだったもので、つい軽いノリで持ってきたバッグの中にそれを入れ、封をしてしまい、その後はヨウカたちも参加している競技を見に行くこと次の競技は綱引き、これは6組まであるクラスが偶数と奇数に分かれ、1対2、3対4、5対6という対戦カードを勝ち抜き、最後に敗者復活と優勝をかけた戦いをするような、総当たり戦ではあるが、一部ゆるい感じもあるようだ。
トモミやハジメなんかが出るため、意気揚々と応援席へと行けば、ほかの父兄の人たちもスマホやカメラを構えているのが確認できる。
その中にそれぞれの親なんかもいたので、その人たちと話しながら、自分の子供がどこにいるのかなんてことを言い合い、時間をつぶす。
しばらくして、トモミたちのクラスとワタベやハジメ、ヨウカのクラスが当たることとなり、緊迫することになるのだが、結果としてはトモミたちが負けるという結果になったのが、複雑な気持ちではあるが、ハジメがしっかりと役割を果たしたのが見てとれた。
どこのチームもずっと引っ張り続けてはいたのだが、一瞬だけ力が緩まる瞬間があるようで、その時にハジメが見計らったかのように引っ張るおかげで、相手の大勢が崩れることがままあったようなのだ。
とはいえ、本当のパワータイプが揃っているらしい六組とかには負け、結果としてトモミたちが4位、ハジメたちは2位という結果で落ち着いたようであった。
シンリュウのクラスが負けるとは、とは思ったが、どうやら六組がそもそも学年の中で重量級の体力バカが集められているクラスらしく、そこに速さ含めて勝つのは難しいみたいだった。
トモミたちのことを褒めに行き、その時に三年生が競技へと移ったわけだが、次は二人三脚のようで、その際に男子三馬鹿が全力を出したらしく、掛け声をあげずに二人三脚の最後に設定されていたムカデ走ですごい勢いを見せ、ほかの人たちが順位を下げる中、順位をガンガンに上げていき、一位をとったようだった。
逆にアマチャン達のクラスは、普通のペースによる二人三脚だったようで、普通に4位とかをとっていたようであった。
なお、その間に私は自身のシャドー達と共にカメラで記録したり、卵使役者たちがどのような運動を得意としているのかについてのデータを収集したりしていた。
トモミはいつの間にかに友人と消えており、周囲には特定の人が居るわけではないので、それはそれでいいかということで落ち着いた。
三年生が退場し、次の一年の玉入れの間、どうするかと考えていたら、校庭の隅に黒い影のような一人の人を見つけたので、とっさにシンリュウを探し、見つけたシンリュウに話しかける。
「あぁ、すみませんトウサカ先生、あそこに人が居るのですが、あれは父兄だと思いますか?」
私がその黒い影のように揺らぐ存在を指させば、トウサカ先生は一瞬顔色を変えた後に、真面目な顔をして答えてくる。
「いえ、あれは誰かの親というわけではなさそうですね、少々失礼します。」
そういって、学校にはいっていくシンリュウだが、その黒い影は私のレジャーシートに少しずつ近づいているのが見えたので、走って穢れ水晶を回収し、これをどうしようかと考えていれば、フェンス越しに見えたマシロと、この場所にいるわけがない存在に、思わず驚いてしまう。
「こ、コテヤマ?!なんでこんなところに。」
そう、そこには基本的にはパソコン越しにしか見ない、同僚だったり依頼者だったりするコテヤマまさしがいたのだ。
「やぁ、元気かい。」
「いや、元気だけどさぁ、どうしてこんなところにいるんだよ、お前。」
私が問いかければ、その理由をマシロが教えてくれる。
「すじこのケンタウロスさんはですねぇ、私と同じ陣営に所属する、狐巫女ユーザーなのです!
今日はイベントだということで、他県からわざわざイベントのためにこの地に降り立ってくれたのですよ!
すじこさんはすごい人で、情報を駆使してあっという間に穢れ水晶を浄化する力を持っているのです!
心強いお仲間なのですよ!」
それを聞き、呆れにも近い何かを感じ取ったわけだが、そのなかで気になったことを聞いてみる。
「あのさぁ、狐巫女ユーザーって、どんなところにいるんだ?
そんな全国規模の異常ってわけじゃないんだろ?」
私の問に、コテヤマまさし、別名すじこさんに問えば、コテヤマは笑顔で答えてくれる。
「変な場所にしょっちゅう飛ばされるような人には、言われたくないなぁ。
そうだよ、全国にあるいわゆるいわくつきの場所に訪れて、そこで穢れ水晶を回収し、それを叩き壊すゲームユーザーだよ。
まぁ、最近リリースしたゲームだから、ゲーム人口は少ないけれども、トッププレイヤーにはいろいろとリアルの恩恵もあるみたいだしさ、やっていて損はないかな。
俺はすじこのケンタウロス、すじケンって呼んでくれたらうれしい。
結構気に入ってるんだ、すじケンって名前。」
なんか、筋も腱もおんなじだと言いそうな名前だが、それは言わずに私もお辞儀をする。
「まぁ、知らない人のふりをするならそれでもいいが、お前たちが回収しようとしているのは、この穢れ水晶か?」
そういって、手に持っているコーヒーの缶を持ち上げれば、二人は不思議そうな顔をする。
「その中に入っているのですか?」
「あぁ、ついさっき知り合いが暴走前に回収してくれてな、あそこに黒い人が居るが、それを不審者としてこの学校に居る協力者に託そうとしたところなんだよ。」
「そうなのですか、なら、ぼくも気を引き締めねばなのです!」
マシロとすじケンが頑張ると言っているので、不安になりながらもコーヒーの缶を手渡したら、二人に黒い影がすごい勢いで近づき、二人の姿がかすんで消えたので、なんかもうどうにでもなれということで、無視して運動会の続きを楽しむことにした。
一年が捌けた後、今度は男子の棒倒しということだが、棒倒しというものが大体直径30cmはあるだろう5mほどの棒を、男子たちが守り、逆に攻める人たちが相手の棒へと走りより、その棒を地面につかせたら勝ちという競技のようだ。
トモミが私の近くへと戻ってきたので、一緒に居た私の卵たちと一緒にその光景を見ていたら、ふと気になる陣営がいた。
その陣営は何やら頂点のところにコートのようなものを羽織っているようなエフェクトを背負っており、それがまるで全てを指揮しているかのような風で、あれが既に飲み込まれている人だということがよくわかった。
その人はどうやら、2年2組の人らしく、その人が現在戦っている1組の男子たちのことを蹂躙せよと、一番上で大声をあげている。
それによって二組のやつらが士気を高めたのか、一組が人数をそろえて支柱を押さえている根元のところから、転がすように人のことを投げ飛ばしていく、その隣には3組の連中がいるわけだが、そいつらにはハジメが含まれているので、正直勝ち目はなさそうである。
偶数奇数組のそれぞれ、135、246組がお互いを倒した後に、一旦ブランクが開けられ負けた陣形の支柱を取っ払ったら、そこに残ったのは236という組だけで、その素数組がそれぞれ倒したい棒を倒しに行く蟲毒が行なわれ始めた。
2組が一番頂上に居るものが檄を飛ばすのに、そこにすごい勢いで突っかかっていく3組のハジメ少年、たぶんクラスで色々と言われた結果遊撃組へと勝手に移行したのだろう、ある程度のところで地面を蹴って跳び、取っ組み合いをしている下の人たちを踏み台に、2組の一番上に居る人、何かを羽織っている人からコートを力づくではぎ取る、そこで気が付いたことだが、中央の棒自体が黒く染まっていることから、あの棒自体が変身のための例の棒なのだとわかった。
あの棒自体がろくでもないと気づくと同時に、ハジメがあの檄を飛ばしていた男子の額に巻かれたハチマキが急激に伸び、なにやら強靭な力を持った何かへと変貌を遂げているのに気がついたようだ、それでも運動会の一演出としか考えていないだろう周囲により、大絶叫で応援がなされる。
それは、既に倒されている6組の人からもなされているようで、2組よ勝てという声や、3組が勝てといった、両陣営に対しての応援がそこかしこから飛んできて、応援席からも熱がうかがえる。
そんな声援がハジメのことを強くしたのだろう、頭や顔から血が流れているようにも見えるが、遠目から見ても本気で相手のことを倒そうとしているのがわかる。
てっぺんで主将のことをはがし、お互いに塔を揺らしているようだ、3組も2組もどちらも地につかないよう、お互いが必死になって塔を持ち上げているようだ。
そんななか、ハジメが相手の主将のことを下へと叩き落し、複数の人に掴みかかられながらも、塔の先のところを地面へと叩きつけたことで、勝負は決し、主将だった人が塔が消えたのちに、普通に戻ったことで、1位が3組、2位が2組、3位が5組ということが決まったようであった。
ハジメが何やら使ったのかと思い、終わった後に退場してきたハジメに対して、大丈夫だったかを聞いてみたら、手には穢れ水晶が握られており、笑顔で「我は、皆に貢献できたであろうか」という、まるで死線を潜り抜けてきた兵士のような笑顔で尋ねてきたため、その肩を掴んで、「お前は戦士だよ、それも勇敢な、な。」と告げたら、嬉しそうにクラスへと入っていき、ようやっとハジメは功績をたたえられる立場となれたようであった。




