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(1)

「ねえ、本当はさ……」

「言いたい事は判るが……」

 どうやら、王都では獣化能力者(ワーアニマル)のヤクザ達と兵隊との戦いが始まってるらしい。

 宿屋の2階か3階らしいこの部屋から、下を見ると、大怪我してる兵隊が次々と運ばれている。

「葬儀屋は大儲けだな……」

「心配じゃないの?」

「誰の事が?」

「ラートリーとか……」

「私達が行ったとして、何が出来る?」

 その時、部屋のドアからノックの音。

「何だ?」

「あの……武器屋からお届け物が……」

 ドアの向こうでは、宿屋の店員らしき声。

「はあ?」

「徹夜でやったけど、届けられそうにないからって……」

「何をだ?」

 草原の民の女の子は……。

「えっ?」

 どうやら、ドアを開けた時に、自分の背後(うしろ)に居ろ……身振り手振りで、そう伝えたいらしい。

 ボクは、言われた……と言っても身振り手振りだけど……通りに、草原の民の女の子の背後に移動。

 草原の民の女の子は……ドアを開けながら、体を移動。

「わっ?」

 ぶつかりそうになる。

 そして、振り向いた草原の民の女の子の表情は……「この馬鹿」とでも言いたげな怒った表情。

 どうやら、ドアの向こうに居る誰かに見えない位置に移動したいらしい。

「あ……あれ?」

 腰に差してた短剣を抜いて、店員の目の前に……。

「届けモノとやらを置いて、すぐ戻れ」

「は……はい……」

「何やってんの?」

「女2人しか居ないんだぞ。用心するにこした事は無い」

「いや、でも……」

「相手の安全の為だ」

「はあ?」

「相手が、女だけだと、こっちを舐めて、変な真似をしてみろ……殺さずに済ます自信が無い」

「あ……そ……。ところで、これ何?」

 長めの槍ぐらいの曲った棒。

 でも、こんなに曲ってちゃ、槍としては使えそうにないし……それに、鞘に入ってる刃の部分も槍にしては、やけに長い。

「まさか……」

 草原の民の女の子は……鞘を取ると……。

「こう云う事か……」

 曲刀の柄をムチャクチャ長くして、槍のように使えるようにした武器。

 そして、その刃は……。

獣化能力者(ワーアニマル)を殺せる……刀……」

「なるほど……刀のままよりも、こっちの方が……多少は使う奴にとっては安全になるか……」

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