閑話 二人の会話
明日大会なので明日は投稿なしです
雰囲気良さめの二人を見たエリスはアンヘルを連れ、少し離れた場所で祭を回っていた。
「もーなんで、離れるのさ!」
「貴女はあの空気でも一緒にいたいのですか?」
「当たり前じゃん!」
「逆にそのメンタルに尊敬しますよ……」
(はぁ、本当にこの人の扱いはしんどいです。ソウマさんなら簡単に扱うんでしょうが……)
「あれなにー?」
「ちょっと待ってください!勝手に行かないでください!」
アンヘル一つ一つの行動が幼稚でおかしい。その行動にエリスは頭を抱える。
「はぁ……はぁ……どんだけ速いんですか……人間のそれではないですね……」
アンヘルを必死に追いかけ、肩を上下に動かす。 そんな中でエリスはある違和感に気付く。
(こんなに息が上がったのはいつぶりでしょうか? なのに、貴女は息すら上がっていない……?)
あんなに走ったのにもかかわらず、アンヘルは一切の疲れを示さない。 その体力や身体能力は人間の域を優に越している。
「ふふふ、当たり前じゃん! 私は天下の"鬼族"だからね!そこらの人間なんかへでもないよ!」
「……は?」
軽く言い放ったアンヘル。 ただ、その発言にエリスは頭がフリーズする。
鬼族……。 その言葉にエリスは心当たりがあった。 それは、約数百年前に滅んだはずの種族。
魔力戦争に参戦し、その身体能力も魔力も全ておいて人間より上の存在。そんな鬼族が現在目の前にいる。
「な、んで……?」
「んー? どうしたの?」
「貴女……鬼族、なんですか?」
「そうだよーほら!」
「ッ!?」
軽いノリで額から二本の角を生やすアンヘル。そして、口から牙も生え始める。
「本当のようですね……」
「当たり前じゃん。嘘つく理由ある?」
「なんでですか? 鬼族は滅んだはずじゃ……」
「おっと、エリスさん? それ以上は踏み込まない方がいいよー?」
「なっ……!」
反応などできなかった。
気付いたときには目の前にいたはずのアンヘルが既に背後におり、自分の首にその鋭い牙を突きつけられていた。 その目は獣を狩る猛獣のよう。
「なーんて、嘘ですよ!ほらほら、角も牙もちゃんとしまいますから」
「貴女は……」
「私ですか? 言ったじゃないですか、ご主人様に仕えるアンヘルです!」
「でもソウマさんは貴女のことを知りませんよ?」
「それがおかしいんですよねー」
すると突然、アンヘルは何か思いついたように懐に手を入れ、ある写真を一つ取り出す。
その写真を見て、エリスは驚愕した。
「こ、これは……」
「ご主人様でしょ?」
その写真は角と牙が生えていたが、その姿はソウマそっくり。 だが、エリスはここで何かに気付いた。
「でもこれ、よく見ると違いませんか?」
「え?」
「ここですよ、よく見ると髪色違います。この写真では茶髪ですが、ソウマさんは黒髪ですよ?」
「……え?」
(本当に気付いてなかったんですね、まあよかったです。ソウマさんに変な人がくっつかず、これでアンヘルさん離れ……)
「まあけど、姿似てるならいいやー」
「どういう理論ですか……?」
「正直私は仕える人が欲しいだけなんでー」
「本当に貴女は意味がわかりません……。 誰か助けてください……」
その後も祭りを回り、とても平和だったはずだが。 このアンヘルという鬼族はエリスだけを平和という言葉から引き離していた。
「ど、どんだけ食べるんですか貴女は……?」
「まだまだー!」
「これ、私の一ヶ月分の給料いくんじゃないですかね……?初めて貯金してていいって思いましたよ……」
(この人、マレンさんより食べる……もし、私の屋敷に来るとなったら……あぁぁぁ…… "破産します"……)




