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感情がないと噂されてる女勇者と異世界転生者の俺が出会う話

小説とか書くの初めてでわからないことも多いけど、感覚で書いてみたので是非見ていってください!

 この世の中は、どうしてこんなにも薄汚れてしまったのだろうか。


 自分の子供のことを物としか思っていない親や、自分を無視して居ない者の様に扱う同級生、友達には裏切られ、教師も見て見ぬふりをする、考え始めるとキリがない程の不義理が俺の心を蝕んでいく。


 俺、甲斐田 陽太は高校3年生の夏、本来は青春の真っ只中である時期に世の中や人間の醜さにうんざりしていた。


「いつまで続ければ良いんだ…」

咄嗟に声に出してしまうほど、この世の中には失望していた


 最近はよくベランダに出て気分転換に星を見るのを習慣にしている、綺麗で…少し落ち着く、徐々に瞼が重くなってきて、そのまま値落ちしてしまいそうになる、だがベランダで寝るのは流石に気が引ける、目を擦りながら、部屋へ戻ろうとベランダのフェンスから手を離し、振り返ろうとした瞬間、何者かが金属バットで俺の後頭部を勢いよく殴る、鈍い音が鳴り、激しい痛みに襲われる、痛みで身体は動かせないが意識はかろうじてまだある、朦朧とする意識の中で俺は俺を殴った犯人を必死に考えて答えを導き出そうとしていた、親は家に居ないのでその可能性はない、だとすると………


 馬鹿がいくら考えても探偵にはなれない、悔しいという気持ちと殺した相手に復讐してやりたいという気持が混ざり合うが、多少の開放感もあった、色々な感情を背負ったまま、俺はそこで意識を失う。




「大……で…か…」


 なにかが聞こえる、ここは病院か?


「大丈夫ですか?」


 俺は死んでいなかったのか?

もう二度と開くことはないと思っていた瞼は、思ったよりも軽く開いた


「あ!大丈夫ですか?」

目の前にいたのは同い年くらいの女性だったが、見慣れない服を着ている、俺が今いる場所が病院ではないことは瞬時に理解できた。


 少しずつ身体を起こして周りを見渡す、俺は崖のような場所にいた、恐る恐る下を見てみると街を見つけた、見慣れない景色、見慣れない格好、見慣れない文化、状況を理解するために一度頭を整理しようと試みる、しかし、人生で初めての経験だったこともあり、数分考えた程度じゃ完全理解には辿り着かない。


「あの?喋れないのですか?」

心配そうに問いかける女性に、俺は返事をする

「喋れないわけじゃない、少し今の状況を整理していた」

彼女は不思議そうに首を傾げる

「よく分かりませんが…お困りですか?可能な限りでお手伝いしますよ?」

驚いた、初対面なのにこんなにも優しくしてくれる人がいるのか、感謝してもしきれない

「ありがとう、じゃあ聞くんだけど、ここはどこ?」

彼女は笑顔で教えてくれた

「ここはアルティシモ山のアングロレクトっていう崖です!」

聞いたことがない、外国か?だが目の前の彼女は日本語を喋っている

「えっと…この国の名前は?」

国名を教えてもらおうと思ったが、返事は予想外だった

「この場所は国の括りではなくて小国の括りです、ここはエルコミエンゾ小国っていいます」

彼女の発言について少し考えてまた聞く

「ここは…地球か?」

自分でも馬鹿だと思いながらも真面目に聞く、俺が知る限りではそのような名前の国はなかったはずだ

「地球?どこですかそれ?」

地球を…知らない?彼女が嘘をついているとは思えない、だとすれば、一つの可能性が浮かび上がってくる、俺は最後の質問をした

「なぁ、異世界転生って信じるか?」

そう、これが俺の出した結論だ、俺は元いた世界とは違う世界に転生した、それ以外の可能性は思いつかなかった

「異世界転生?よくわからないですけど、別の世界に転生する的なことですか?私は信じませんね、非現実的です」

俺は微笑しながら彼女の言葉に「そうか」と返事をする。


それから俺は思いつく限りの質問を彼女に問いかける、しばらく情報を収集すると重い腰を上げて立ち上がる。


「ありがとう!君のおかげである程度のことは知れたよ、俺は崖の下にある街に行ってみることにする」

彼女に感謝を述べて山を下山していく、異世界転生なんてものは信じない主義だった、しかしこういう状況になってしまえばそう考えるしかない、俺はこれをチャンスと捉えて、心の中で異世界を生きるにあたっての目標を掲げる、結婚して、安定した仕事に就く、そしてこの世界を………満喫する!

こんなにも胸が高鳴るのは久しぶりだった

「そう言えば、結婚の概念はあるのかな?」

独り言をつぶやきながら街を目指し走り出す。


「門番とかいないんだな、まぁ面倒くさい手続きとかがなくて好都合か」

セビエムという街に入りしばらく歩いていると一際目立った大きい看板を見つける、大きく【ギルド】と書かれており中に入るとたくさんの冒険者達で賑わっている、受付嬢にギルド登録をしに来たことを伝えると、紙とペンを渡されてからギルドについての説明を受ける。


「この世界には魔物と言われているモンスターがいます、まずはギルド登録をして簡単な任務をこなしお金を稼ぎます、ランクを上げることによって解放される高ランク任務を受けて高い収入を得る、冒険者はそのように生計を立てています、ギルドはワンマンセルからフォーマンセルで行動するのが基本で大体のギルドがスリーマンセル以上となっています、一時的にギルド同士で同盟を組むことができ、他のギルドと任務を一緒にこなす事ができます、報酬は山分けとなりますが効率は大幅に上昇するでしょう、ランクはFランクからSランクまであります、Zランクも一応ありますが条件が魔王の撃破という厳しいものとなっていますので現在の冒険者でZランクは存在しません。

受けたい任務は入口付近の掲示板から任務が書かれた紙をちぎって受付まで持ってきてください、また、任務を遂行できなかった場合も受付まで持ってきてください、そして成功した任務は、証明できるドロップ品や依頼人からの礼金などを受付場所の隣りにある換金専用の枠がありますのでそちらの方に持っていってもらえれば報酬のお金と交換できます、以上で説明は終わるんですけど、なにかご質問等はありますか?」


長々と話してくれたが脳の容量が悪いので正直内容があまり入ってこなかった、とりあえず渡された紙に名前やギルド名を記入して提出する、ギルド証を受け取り室内を出ると、気持ちいい風に打たれながら空を見上げる

「もう夜か…そんなに長くいたかな」

こんなにも人と話したのは久しぶりだった、疲れを取りたいが生憎俺には金が無い、今日は野宿を覚悟して先程いたアングロレクトという崖に戻る、徒歩で10分くらいなのであまり遠くなく風が気持ちいいので寝るには最適な場所だった。


明日からは冒険者としての初任務を受けてお金を稼ぐ、早いうちに起きて出発しよう、疲労が溜まっており、目を閉じるとすぐに眠りに誘われた。





現在、二日目の朝…俺は昨日、初めてこのエルコミエンゾで目覚めた時にいたアングロレクトで眠った、そう、そこで眠ったはずだった…しかし俺は今、見覚えのない場所のベッドの上で寝ていた。


「目が覚めた?」

声のした方に目を向けると、幼い少女が腰掛けていた

「えっと?どういう状況ですかこれ…」

俺がそう問いかけると少女は紅茶を少し啜ってから話し始める

「ここ私の家、連れてきた」

なんて無防備なんだ、自分から男を家へ連れ込むなんて…

「積極的だな」

俺が冗談を言うと彼女は少し怒った様子で弁明してきた

「勘違いするな、任務から帰って来たら人が倒れていたんだ、心配するだろう」

同じ状況に遭遇してみれば、確かに俺も同じことをしてたかもしれない

「感謝するよ、随分幼く見えるけど冒険者?」

彼女は最初は驚いていたが、ニヤリと笑みを浮かべて自慢するように言う

「私はこの町唯一のSランク冒険者であり!一番魔王に近づいてると言われている女!その名も!勇者カンナギ!しかもワンマンセルだ!」

カンナギのいきなり発した大声に驚く

「さっきとキャラが全然違うな、どうした?」

カンナギはきょとんとした様子で聞き返す

「勇者というところは驚かないのか?」

勿論それも気になった、だが今までクールだった奴が急に大声で騒ぎ始めたらびっくりする

「あぁ…まぁこんなところで勇者にお会いできるとは思っていなかったからな」

カンナギは満足そうに微笑んだ

「そうだろう、サインとか書いてあげようか?」

俺は別にいらないと思った、しかし一つ名案が浮かんだ、ダメ元でお願いしてみる

「なぁ、今から初任務なんだが、同行してくれないか?」

カンナギは少し考える素振りをして言う

「あぁ…別にいいが初めてということはお前Fランクだろう?つまり受けれるとしてもせいぜい1個上のEランクの任務だぞ?」

俺は少しがっかりした、理屈は理解できる、低いランク帯の奴が高ランク任務を受けると死ぬ確率がだいぶ高くなる、しかしカンナギはSランクなんだろう?少しくらい…

「Dはダメなのか?お前はSランクなんだろ?ならちょっと高いランクでも行けたりしないのか?」

カンナギは呆れた様子で言う

「無理だな、いくら私でもギルドのルールを覆すことは出来ない、諦めろ」

やはり駄目か、まぁEランク任務でもでも本来受けれない任務だから良しとするか

「わかったよ、じゃあEランク任務を受けに行きたい、頼む!同行してくれ!」

カンナギは優しく笑いながら受け入れてくれた

「すぐに行くぞ、支度をしろ」

俺は目を輝かせて頷いた

「はい!先輩!」

カンナギは「先輩か、悪くない響きだ」と笑っていた


数分が経った、カンナギは装備を整えながらチラチラとこちらを見ている

「どうしたんだ?俺の顔になにか付いてる?」

俺は気になったので聞いてみた

「お前は装備を持っていないのか?」

カンナギは俺が装備を装着してないのが気になったらしい

「あぁ買う金が無いからな」

転生した時に多少のお金が傍にあれば良かったんだが、そんなに都合の良いことはなかった

「私の古いやつをあげよう、流石に危険だ」

カンナギは棚の奥から割と綺麗な装備を手に取り俺の方に優しく投げた

「ありがとう、って重っ!」

多少重い物だとは思っていたが想定外だった

「重さは硬さだ、気にするな」

俺は身体の肉付きが良い方ではない、こんな装備を着けて動き回れるのだろうか

「カンナギの装備は重くないのか?」

カンナギは随分身軽そうに動いている

「私のは軽い、軽量化効果があるからな」

なるほど、追加効果的なものがあるのか

「俺のは軽量化効果つけれないのか?」

当然の問だ、こんな状態で逃げれる理由がない

「無理だな、そんな簡単にできるものじゃない、ダンジョンや要塞の宝箱か、商人との取引で入手できる軽量化の書というものが必要だ、それにその軽量化の書と軽量化させたい装備を鍛冶屋に持っていき、お金を払わないといけない」

カンナギは勇者なだけあって知識が豊富だ、わからないことがあったらカンナギに聞こう

「わかった、この重い装備で我慢するよ」

少し不満はあるが文句を言える立場ではない

「今回の任務でかなりお金が貰えるはずだ、全力で取り組め」

一文無しじゃなくなる安心感にそっと胸をなでおろした

「よしっ!やる気出てきた!」

カンナギは俺が意気込む姿を見てクスッと笑う

「じゃあギルドの掲示板に行くぞ」

カンナギはギルドに向かって歩を進め始めた

「おう!記念すべき初任務だ!」

少し緊張はする、だが楽しみが圧倒的に勝っている、本格的な異世界生活はこっから始まるんだ!


ギルドに入るなり、カンナギはすぐに掲示板に目をやった俺は初めてでどの任務がどのくらいの難易度なのかがまだわからないので、カンナギに初任務を決めてもらうことにした

「狼が複数体潜んでいる廃村、ボスゴブリンの討伐依頼、いまあるEランク任務はこのくらいだな」

カンナギは俺でも出来そうな任務を二つピックアップしてくれた

「ボスゴブリンの討伐依頼、これにするよ」

俺はそっちのほうが簡単だと感じた

「そうだな、これなら私もサポートに回るだけで行けそうだ」

カンナギはボスゴブリン討伐依頼の紙を掲示板から強引に取り受付嬢に持っていった、しばらく待っているとカンナギが戻って来た

「任務受注できたか?」

カンナギは親指を立てて微笑む

「ついでに同盟の依頼書も通しといたからいますぐにでも任務に行けるぞ」

仕事の速さに驚く

「流石勇者様だな」

俺がそう言ってカンナギを称えると周囲の冒険者達が騒がしくなり始めた

「ここであまりその肩書きを言わないでくれ、注目の的になる」

俺達は冒険者達の痛い視線を背中に受けながら急いでギルドを出る

「ごめん配慮が足りてなかった、じゃあ気を取り直して行こう!目的地は?」

カンナギは深くため息をついて地図に目をやる

「ここだな、ドゥウェンディ小国のガシオン森だ、ここから近い場所にあってよく任務の場所になる小国だ」

カンナギは一つの森を指さしながら俺に言う

「随分広そうだけど見つかるか?」

パッと見た感じではかなり広範囲の森だ

「安心しろ、私は感知スキルも会得している」

カンナギは自分の胸をポンと叩きドヤ顔を決める

「それは良かった、じゃあ早速行こう」

俺が歩き出すとカンナギは頬を膨らませて怒りを表した

「おい、なぜ無視をする、感知スキルを持っているのは凄いことなんだぞ?」

俺はこの世界に来たばかりだ、そんなことを知るわけがない

「そうだったのか、知識不足でごめん、早くこいよ」

カンナギは更に大きく頬を膨らませて走って俺に追いつく、ここから俺の物語は本格的に始まる!まずはお金を稼いで家を買うぞ!


カンナギと横並びで歩いてガシオン森を目指し始める、今日の朝日はいつもより輝いて見えた

初めての小説デビュー作はどうですか?まだ続きを書いていくので是非心待ちにしてください!

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