最終話 「最後まで読んだあなたへ」
——ここまで読んだ。
それが、すべての答えだ。
「……は…?」
声が、震える。
——第1話で、あなたは知った。
——第2話で、あなたは選んだ。
——そして今、
——第3話で、あなたは“確定させる”。
「違う……これは俺の話だ……」
——違う。
——これは、“あなたの話”だ。
視界が揺れる。
文字が、もう読めない。
いや、
“読まされている”。
——観測者は、最後まで観測する。
「やめろ……」
——途中でやめるという選択は、すでに失われている。
「……っ」
思い出す。
第2話。
選ばなかった。
何も選ばないを、選んだ。
——無差別が選択された。
「……あれは……俺が……」
——違う。
——“あなたが”だ。
「……っ!!」
その瞬間、
世界が、反転する。
目の前に、あの二つの扉が現れる。
右と、左。
だが今度は、違う。
片方には——
【主人公】
もう片方には——
【あなた】
「……は?」
——最終選択だ。
「ふざけるな……!!」
——どちらか一方が、消える。
「なんでだよ……!!」
——観測は、必ず“結果”を伴う。
「……っ……」
手が震える。
選べば、
どちらかが消える。
選ばなければ——
——すでに、あなたは知っている。
「……やめろ……」
——さあ、
——どちらを残す?
「……」
その時、
ふと、気づく。
ここまで読んでいるという事実。
逃げなかった。
やめなかった。
つまり——
「……俺は……」
——選び続けてきた。
「……違う……」
違わない。
——だから、最後も選べ。
「……っ」
ゆっくりと、手を伸ばす。
震える指先。
どちらに触れる?
——選択を確認した。
——確定する。
——消えるのは、
——主人公だ。
「……え?」
その瞬間、
俺の体が、崩れ始める。
「な……んで……」
——あなたは、自分を選んだ。
——当然の結果だ。
「……っ……」
「……ふざけ……んな……」
手が、透ける。
声が、消える。
「……俺は……」
「……ただ……」
——観測された。
——これで、この物語は終わる。
——そして、
——次は、あなたの番だ。
——誰にする?
(完)




