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Tales of masquerade  作者: 万十朗
第一部
11/455

霧深き山脈の騎士・1

 アセンブルの町から王都への最短距離は川を跨いだ橋を渡る事。


 だが肝心の橋は、突然壊れてしまった。


 他に王都へ向かうには、道はもうひとつ。

 やや遠回りになるが、デュー達に選択の余地はなかった。


―霧の山脈アトミゼ―


「いよいよ山越えか……厳しいものになりそうだな」

「ある程度道が作られとるとはいえ、この霧じゃからの。普通ならなかなか通らん道じゃ」


 彼等の視界は霧に阻まれ、少し先の見通しもままならない状態だ。

 舗装された道とはいえ、足元には充分注意を払った方がいいだろう。


「もちろん町で準備はきっちりしてきたわよね? 忘れ物はなぁい?」

「せんせー、バナナはおやつに入るんかのー?」

「は~い、お約束アリガト♪」


 こんな状況でもお気楽モードのイシェルナとミレニアに、男性陣は呆れ顔だ。


「女三人寄れば何とやらと聞くが二人でも相当だな……遠足に行くのではないぞ、まったく」

「あら、こういう時こそ心に余裕を持たないとダメよ? シュクルちゃん☆」

「くだらぬな……」


 イシェルナのウインクをかわし、シュクルはそっぽを向いた。


「余裕は結構だがふざけ過ぎて足を踏み外すなよ?」

「魔物もおるし、足場の悪い箇所もあるかもしれんしの」


 言いながらミレニアは周囲への警戒は怠っていない。

 それは他のメンバーも同様だった。


 女子供に小動物という取り合わせだが彼等は見た目よりよほど戦い慣れしているようだ。


「あらあら、頼もしい子達ねぇ♪」

「お姉様ほどではありませんわ~なんての☆」


 仲良く霧の中を進んでいく女子二人の背中を見つめながら、


「オレが忘れてるだけなんだろうか?……今時の女子はあんなのばっかなのか?」

「いやデュー、心配せずとも余もあんなのは初めてぞ」


 デューとシュクルはお互いの顔を見やるとやれやれと肩をすくめた。

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