05 ゴブリン
さて、ノエルとアリスに身体強化を施しましたと。
さすが私。超シゴデキ。
「じゃあ、いっちょ殺りますかぁ」
とはいえ、いくらゴブリンでも村を崩壊させるのはさすがに罪悪感が__芽生えると思ったけど、全く芽生えなかったわ。
「先に拘束されている人を助けに行くか」
索敵魔法によるとあそこの一番大きな小屋の中に集まっているな。
意識を足元に集中させて体を浮かすと同時に拘束されている人々の元へ飛ぶ。
小屋をぶっ壊して中に入ったものの、そこにはまるで人を物のように競り合う人間オークションがゴブリン間で行われていた。
「……やっぱ魔物って屑だな」
でも、良かったかも。
ゴブリンって人型をしているから、いつも討伐する時にすこし胸が痛むんだけど__。
「今回は楽に殺せそうだ」
索敵魔法で捕まっている人達の下に空間移動の魔術を発動。拘束されていた人達は安全な冒険者ギルドにとばした。
ノエルと、アリスの戦闘を邪魔しないように外部からの影響を一切受けないバリアも張った。
もうゴブリン以外に被害は出ない。
「正直、村があると知って少し面倒くさかったけど、この数なら大魔術放ってもいいよね」
この技を使うのは久しぶりだ。
消えろ、ゴミクズ共。
『世界の崩壊』
その瞬間、私を中心にゴブリンも、小屋も、木も全て闇に吸い込まれていった。
「いっちょ上がり!」
やっぱり、大魔術までいくと無詠唱じゃ無理だな。
まだまだ、高みを目指せる。
ノエルと、アリスはまだ終わってないっぽいね。
「ふぁ__少し寝るか」
* * *
「……聞く。寝て__いか?」
「あ__、寝__いるな」
なんか周りがうるさい。人がせっかく寝てんだから静かにしろよ。
起きた瞬間に目に入った美男美女。うちのパーティー顔よくね?
寝起きでこの威力は目が痛い。
「ん__?あれ?もう終わったの?てか無傷?ゴブリンロードなのに?キモ」
「「てめぇ/カノンにだけは言われたくない」」
あれ?心外だな。私が一番キモくないと思うんだけど。
大魔法使ったことも見られてないし。
「じゃあ、2人とも終わったみたいだし依頼をだした村に帰ろっか。村長さんにも話があるしね」
「あぁ、どういうことか問い詰めさせてもらおうじゃねぇか」
「嘘をつくなど愚図がやることだからな」
2人とも結構怒ってるなー。
私は大魔術試せたからちょっと嬉しいんだけどね。
「よし、じゃあ村長さんにゴブリンロード2体とゴブリン__約何体ぐらいだろう?まぁいいや」
「倒した分だけお金もぎ取るぞー!」
「2倍な」
「ついでに泊まらせてもらおう」
そのパーティーめっちゃ図々しくない?
遠慮って言葉を知らないのかな?