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【第一章完結!】猫又でーす、異世界にいまーす。  作者: くろこげめろん
第二章 新大陸

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62 反省会

 控室。試合は全部終わったので、今は室内にはシアンとイエローがいる。


「ごめんなさい」

「あー、もうっ……」


 やってしまいました。

 ちょっと戦闘で気分がハイになっていたせいで、とっさにコピー能力を使ってしまった件である。


「いや、でも! 言い訳できるし」


 クェドの『ディレクターズ・カット』なら、僕が仮の固有魔法としている『スペシャルズ』で具現化させたカチンコだと言い訳できる。

 しろの『マイ・アメイジング・ワールド』も月を具現化させたと言えば言い訳は可能だ。


「それもそうね……」

「そうそう。それに対戦相手もコピーしてきたし」

「むむ……」


 なんか僕、頭が冴えてる気がする! 言い訳は得意なのかもしれない。


 呆れたようにシアンとイエローの姉妹が椅子に座ると、ちょうどガチャリとドアが開いた。入ってきたのは、クェドだ。


「やっほーッス。いやあすごい試合だったッスね! みんな高評価ッスよ!」


 抱えている紙の束の一番上を僕に見せてくる。


 それは、どうやら僕の試合の評価を書いた表のようだ。どれどれ……。


「ファルザン戦、八十一パーセント。ジェイト戦、七十三パーセント」


 これは高いのだろうか。半数以上が高評価のようではあるが。


 僕が首をかしげると、平均的に五割程度のようだ。とはいえ弱い選手同士の試合が大半だからその低評価が平均を引っ張っていると、イエローが小声で教えてくれた。ファルザン以上のようなそこそこ強い人同士の試合なら、七割ほどは高評価になるのが普通だそうである。


「クェド戦、八十六パーセント。チタニア戦、九十四パーセント」

「たっか!!」


 シアンがびっくりした声を出す。


 七割が平均なら、九十四で二割も超えている。まあ、かなり大変な試合だったしそれだけ高評価ってことかな。


「まあ、海とかジャングルが出てきて良かったってことッスね。派手さの面で」

「なるほど」


 アバクの魔法か。あれはたしかに派手だ。


「で、最後のしろ戦は……八十五パーセント」

「微妙だね」

「いやいや、これでもだいぶ高い方ッスからね?」


 どうやら僕は感覚がバグってきているらしい。でもここまで平均的に高いと、それでも微妙に感じでしまう。特にチタニア戦の高評価率のせいで。


 ……と、そうだ!


「爆弾!」

「へ?」


 突然僕が大声をあげたのでクェドは目をぱちくりさせる。だが、シアンも僕につられてか神妙な顔つきになった。


「……なんであの子がクロザキ家に伝わる兵器の名を知っているのか……」

「伝わってるの?」

「『兵器目録』にそう載ってなかった?」


 兵器目録……とはなんぞや。まあ名前からだいたい推測はできるけど。


「あれ? 夜寝てた時に書庫行ってたんじゃないの? 足音の方向からそんな気がしたんだけど」


 残念。普通に僕ずっと寝てました。

 そう僕が答えようと口を開きかけた時、ちょうどまた扉が開いた。入ってきたのはそらちゃんだ。


 ぜーぜーと肩で息をしており、かなりきつそうな表情をしている。髪もだいぶ乱れていた。


「……おねえちゃん。ほしにくおとうとが、さらわれた」

「「「……え?」」」


 さらわれた? ってことは……誘拐? だよね?


「誰に!?」

「……すーつとさんぐらすのおとな。かみは、みじかかった」


 そう言うと、そらちゃんは服の袖をまくる。あらわになった細い腕には、赤い大きな切り傷が入っている。


「『うぃんどかったー』かなにかできられた。かいふくふうじつき」

「痛い? ……大丈夫?」


 確かに、回復魔法をいくら使っても傷は治る様子を見せない。回復封じは呪いに分類されるもので、呪いの解除はその方面に特化した人でないと無理だ。そしてそれにはお金と時間がたくさんかかってしまう。


 腕にはざっくりとだいぶ深く傷が入っていたので、とりあえずかばんからいろいろを取りだし、消毒してから薬を塗る。消毒液はしみたみたいで、だいぶ痛そうな顔をしていた。


 最後に大きめの絆創膏とガーゼを貼って、応急処置を終える。


「ひりひりする」

「痛かったら……そうだね、うーん。気絶させて痛みを感じなくなるとかもできるから、言ってね?」


 僕が提案すると、シアンが横から口を挟んでくる。


「アップヒル、それ悪化しない?」

「魔法で寝かせるとかなら大丈夫でしょ。たぶん」

「ん」


 今のところは気絶させる必要はないそうだ。適当に言ったわけではなく、しっかり考えた結果なのだが。


 じゃあギルガメッシュくんを探さないといけないわけだが……どうやらその辺もきっちりとした誘拐グループらしく、『バベル』の機能で呼び戻すことは出来ない。


「でも、かっておいたぺんきぼーるはなげつけた」


 そらちゃんは左手を開いて見せると、目に刺激的な蛍光色のピンクのペンキが塗られている。どうやら、誘拐グループにこれと同じ色のペンキをつけておいてくれたようだ。非常に有能な妹である。


 僕は色を覚えると、そらちゃんを肩車してばっと部屋を出ていく。シアンやイエロー、あとクェドも、別々に行動して協力してくれるみたいだ。

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