表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一章完結!】猫又でーす、異世界にいまーす。  作者: くろこげめろん
第一章 GotoもしくはComefrom

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/68

27 潰させていただく。

 僕はなんとか『フェイク・タイプ』を受けた時に中和することに成功していた。

 もともと、隠されている間は意識もなくなるみたいだけど、僕は幽体離脱のような感じで空間を漂うことに成功している。攻撃はできないみたいだけど……それでも、このフィールドが十分代わりを務めてくれるだろう。

 僕がここを展開した時に、いくつか細工をしておいた。ラリルくんはそのわずかな違いに気づいていたみたいだったね。すごいや。


「……なんだ、これ」


 雄太郎がそう言ってあたりを見回す。同じようにスクィリアも周囲を警戒しているみたいだけど、ラリルくんはすぐに分析して納得したらしく、質問してきたアイに解説している。


「まあいい。一番の厄介者は消えた――がっ!?」


 剣を構えなおそうとするスクィリアがうめきつつ動きを止める。

 そう、このフィールドは、動いたものを自動で追尾して攻撃するフィールドだ。味方にダメージが行くかどうかは、僕が意識があるから制御できる。つまりスクィリアは動くたびに電撃や爆発などのダメージが入る。すごいでしょ。

 ラリルくんに頼らず自力で分析しようとしていた雄太郎だが、結局わからずに尋ねている。まあ、複雑だもんね。勇者とはいえ魔法に触れてから日が短い日本人じゃ、あんまり分からないでしょ。え、僕? もちろん猫又だから。


「ふっふっふ。どうだい、まともに動けもしないでしょ」


 ラリルくんがドヤ顔で言い放つ。いや、ラリルくんはこの戦いで何もしてないよね。


「……この程度……うぉおおおおおおおおおおおおお!」


 スクィリアが大きな雄たけびを上げ、同時に爆発的な魔力を纏う。なるほど、力技でこのフィールドのギミックを叩き潰そうとしているわけだ。

 電撃などを魔力の厚い壁で阻み、ラリルくんたちへ迫るスクィリア。


「無理だ。今のお前は力の二割も出せていない……」


 ラリルくんが飛びのき、雄太郎が剣を受け止め、その間にアイが炎の槍を飛ばしまくる。魔力の壁の維持に意識と魔力をつぎ込んでいるスクィリアは、いとも簡単に雄太郎に吹っ飛ばされた。

 そして途轍もない速さの追撃が入る。


「ぐ、が……っ……!」


 強力な『インペリアル・コート』の乗った攻撃で、すぐにスクィリアの剣は全て折られた。スクィリアが腕を振り上げて何かしようとしたが――


「終わりだな。……続きは、地獄で裁いてもらえ」


 ――すぱん。

 スクィリアの首は、いともたやすく宙を舞った。




「一件落着! いぇい!」


 実体化できた僕がフィールドを解除すると、雄太郎はその場に座り込んだ。


「疲れた?」

「ああ。魔法を使いすぎた」


 ちょっとだるそうだ。魔法で回復させて、ハンバーガーを手渡す。雄太郎はハンバーガーが好きみたいで、ひったくるように僕から奪うとがつがつと勢いよく食べ始める。

 いっぽうのラリルくんとアイはスクィリアの死体から装備品を盗もうとしている。剣は折れたけどなかなかのものだったみたいだし、魔道具の腕輪も強力な効果を何か秘めていそうだ。


「ふーむ。これは剣の切れ味の上昇、装備者の動体視力の上昇……どれもなかなか見られないくらいに上質だね。さすがは四天王ってところかな」

「ねー、一個ちょうだい」


 ラリルくんが水色の宝石の埋め込まれた腕輪をアイへ手渡す。アイは魔法で洗浄、消毒してから自分の腕にはめてみたが、サイズが全然違ってぶかぶかだった。残念そうな顔をしてる。


「サイズ調整してあげよっか?」

「いいの!? お願いアップヒルちゃん!」


 僕は腕輪を受け取ると、宝石を傷つけないよう細心の注意を払いつつ、魔法で腕輪を小さくしていく。模様や装飾が特にないので、それらが歪んだり切れたりするかもという点を考えなくていいのはありがたい。余った金属は空間操作でこっそり僕がもらっておいた。ま、文句は言われないでしょ。


「このくらいかな? はめてみて」

「ん……おー、ぴったり! ありがと!」


 頭を優しくなでられる。お礼を言われて悪い気はしないね、にゃはは。

 ラリルくん曰く、その腕輪は魔力を使うときにいくらか肩代わりしてくれるものらしい。魔法を主に使うアイにはぴったりだ――と思ったけど、勇者なのもあり魔力の量は尋常ではないので、そこまで重要かと言われればちょっと違うかもしれない。


「どうせ余っても売るだけだし」ラリルくんが僕と雄太郎に腕輪をひとつずつ投げてよこす。「戦利品はみんなでひとつずつね」

「おお」


 僕が受け取ったのは黄色の宝石の腕輪。相手に傷を負わせた時、相手の回復を少し難しくするらしい。それとは別にある程度の魔力を蓄えることもできる。本来、蓄えておいた魔力を回復封じに当てる仕組みみたいだけど、ちょっといじれば僕が魔法を放つのに少しだけかかる手間も省けるかもしれない。難しそうだから、また機会があればラリルくんに相談するとしよう。

 いっぽうの雄太郎の腕輪は黄緑色。けがをする時、ちょっとだけダメージを軽くする。僕の腕輪と対になるような感じかな? 雄太郎の腕でもまだ腕輪が大きかったので、雄太郎の腕輪も調整してあげた。


「四天王まで倒されたから、魔王軍は一旦侵攻を止めるみたい。今夜はギルドに戻っても大丈夫そうかな……みんなでパーティでも開こうか?」

「いいねいいね! 高いお酒がいい!」

「酒は大人が飲むもんだぞ」

「そーだよー! アタシたちはジュースね!」


 ……ちくしょうめ。

 ラリルくんが戦闘にまともに参加しなかった理由は、味方だとしてもあまり手の内を見せたくないからです。とある事情で、宇宙人であるアップヒルや勇者たちのことは内心とても警戒しています。

 それと、明日は投稿をお休みさせていただきます。ごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ