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宇宙人に恋してる  作者: 02369385


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14/20

私は急過ぎて着いて行けない思考をフル回転させ、ルイとシロリアンとの繋がりはちゃんと切って貰うことだけ念押しし、他のことは追って連絡すると伝えた。


そして、もう新幹線で本州を巡る気がなくなって降りることにする。

そもそもシロリアンのための旅行だったのだ。まさかシロリアンという存在が嘘だとは思わなかった。


▲▽▲▽▲▽


私は新大阪のホームに降りた。ここからは無人タクシーで帰るつもりだ。

ルイやコナーも新大阪で降りて来た。

コナーが話しかけてくる。


「アリア、じゃないヤコマ。じゃあバイバーイ」


相変わらず空気が読めない彼の挨拶を無視し、私はベンチに座った。

精神的に疲れていた。

ボーッとさっきまで乗っていた新幹線の車体を眺めている。


すると、ブワーーーとホームに強い風が吹いた。

横を見るとルイの周りに風が起こり、彼の体が光を()びながら、白い大きな長い物体に変わって行く。

ぐるぐるぐるぐる、とぐろを巻いて行く。

全長20m以上はある龍がそこにいた。


それの首の辺りにコナーが乗り、生えてる2本の角を両手で掴んだ。

2m20はあるコナーが乗ってちょうどいいサイズ感の大きさ。

バイクに乗るみたいな感じだ。


しかし、そんな巨大な物がホームから出られるのか?

と思っていたら

その物体は乗ってるコナー自体も半物質のようになり、スルスルと通路をすり抜けブワーーーと強い風と共に消えて行った。


ムカムカする、嫌な、やるせない気持ちなのにその光景はとても美しかった。


▲▽▲▽▲


空中に浮いて移動する車がある。

無人タクシーだ。私はその後部座席に座り窓を眺めながら考えていた。


ルイは何で正直に罪を告白して来たんだろう?と。

ごまかして今まで通り生活するという手もあった気がした。


…いや、私のことだからどんな説明を受けてもあの一件からずっとシロリアンへの疑問が渦巻いていただろう。

自分で言うのもなんだが、カンが鋭いのでシロリアンがルイとまでは分からなくても、ルイに関係あるぐらいは答えが出せた気がする。


そこまでバレてしまったら私がルイ自身に恋愛感情がないとも分かり切ってるし、言ってしまおうと思ったんだろう。


窓から見える空は水色に晴れていて、白い細長い雲が伸びている。

龍のようだ。

そう言えばシリウス星人には龍系の者がいると聞いたことがある。あの龍の姿がルイの本体なのかもしれない。

大きい白い龍。

たまたまじゃなければ私との縁が生じるはずもない存在だ。


今、私の席の隣に白い球体のAIロボがある。

多分話しかければ、必要なことは滞りなく、データも引き継いでいるのだろう。

でもそれは5年一緒にいたシロリアンではない。

今はもう空っぽの殻に見えた。


その殻を見ながら、シロリアンを買った日を思い出していた。




私は高校を卒業後、1人暮らしをすることにした。

住んでいた実家には人型の顔のないAIロボットがいる。

今まではそれに繋がるデバイスで生活していたのだが、さすがに引っ越すなら不便なので別の本体AIを買うことにした。


もう日本中の人間は生活のための仕事をほぼしていない。

なので私も就職のために大学に進学するのは辞めていた。

そもそも今は研究や本気で勉強したい人以外、大学に行く人はほとんどいなくなっている。


そして最近脳内にチップを埋め込んだ。

これによりAIとの連携もスムーズだし、何より自分の覚えられる範囲や理解力が進んだ気がする。

1人暮らしをするには万全の備えだ。


「ヤコマさん、お届け物です。」


家のAIがそう言い、部屋にいた私に段ボールを手渡す。

私はお礼を言ってすぐその箱を開いた。


人型のAIにしようかとも思ったが、AIロボットと恋愛をする気はない、プレアデス星人様と付き合うつもりなのだ。

じゃあせっかくならかわいいのがいいと思い、丸いロボットにした。

緩衝材を取り、その白い球体の起動ボタンを押した。


ピロリロリンピロリロリンピロピロピロピロピロリロリー♪


音がしてその物体から優しい風が起こり、ふわっと宙に浮く。


「はじめまして、こんにちは」


高い声で私に話しかけて来た。

私も返事を返した。


「はじめまして、私はヤコマ。よろしくね。」


「よろしくお願いします。」


返事をしてその球体はくるくるとスピンをしていた。




そこまで思い出し、号泣してる自分に気づいた。


あの日から一緒にいたシロリアンは、本当のシロリアンは…もういない。いや、きっと最初から虚像だったのだ。

プレアデス星人に対してもそうだ。私は本人達じゃない、彼らの虚像が好きだったんだろう。

涙が涙を追って流れて来る。


そんなぐしゃぐしゃの顔のこちらのことなんかお構い無しに、無人タクシーは風を切って東京へ進んで行った。

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