勉強会と苦痛なお誘い
「アンジェリーナ、放課後勉強会をやろうと思いますの」
朝、教室へ入ると、クラリッサが勢い込んで話をしてきた。
また、思い立ってキャロルと話してるうちに興奮してきちゃったのね。
「まあ、素敵な提案ね。どこでやる?」私は落ち着かせるために、あえてゆっくり答えた。
後ろから、キャロルが顔を見せて、「図書室はおしゃべり出来ませんから、ランバースペースがいいかと」
ランバースペースとはお昼は持ち込みのお弁当を食べられるし、午後はお茶等を飲みながらおしゃべりスペースとしてみんなが活用しているフリースペースだ。
「この時期は皆勉強に使って混むらしいのですが、エミリーが場所を、取って下さるって言ってますの」
「エミリーのクラスはランバースペースの近くでしょ?」
私たちはBクラス、エミリーはDクラスで、中庭を挟んで反対側に位置している。ランバースペースも反対側の校舎にあった。
「じゃあ今日の放課後から?」「ええ」
「予定とかありましたか?」
「大丈夫です試験が終るまで王宮へも行かなくていいので」
「じゃあ決まりですわね」クラリッサが満足そうに頷く。
この前女子会で私たちはさらに親睦を深めみんな呼び捨てになっていた。
アンジェリーナには初めての体験らしく、しばらく興奮を押さえられずにいたみたい。
彼女に同年代の友達を作れて私も満足だ。
それと、あれから何度かライアン殿下が私にちょっかいをかけてくるようになった。
でも、自分では来ない。必ず側近に命じて私にどうでもいいことを確認してきた。
【1つ】このところ王宮にこないな?
【返事】初めての試験が迫っておりますので、王妃さまに許可をもらい王妃教育はお休み中です。
私が王宮にいる間殿下にお会いした事がなかったのに、よくご存じでしたね(後半は嫌み)
【1つ】誕生日パーティーの返信を忘れていてすまない、渡すから取りに来い。
【返事】この前お父様から聞いております。もう返事は貰ったものとしておりますので、お気になさらず。もし欠席されるような事がありましたら、お知らせ下さい。(後半欠席してほしい願望でいってしまった)
等、今さらな事ばかりですが…何度か顔を出すようにみたいなニュアンスの話があったが、理由をつけて断っていた。
今後もし王子と対面する時の対策として、私はエマたちに簡単に出来る、きつめメイクのやり方を教えてもらい、メイク道具を持ち歩くことにしている。
なぜか?それは今のアンジェリーナはみんなが振り返るほど可愛いのだ!こんな顔を殿下に見せるなんて!
もし惚れられたら、厄介だ。
アンジェリーナはライアンとの婚約継続は望まないはずだし、私も嫌だ。
だから、もし断れない呼び出しがきた場合を考えて対策を取っている。
言ってるそばから、側近登場!
「ラフォール侯爵令嬢、よろしいですか?」
トーマス・セルビ様、毎回ご苦労様です。
ほぼ、パシリと化してますね。
「はい、何でしょう?」
「ライアン殿下から、放課後顔を出してほしいとの伝言です」
「理由をお聞きしても?」
「会ったときに、話すと言われて、すみません私は理由をしらないのです」
ちょっと申し訳なさそうに頭を下げられた。
くそ!理由を知ると私が何か言い訳を作って行かないと分かっているから、とうとうただ来いと言われた…
「分かりました、ただし私今日は友人と勉強会をやりますので、そんなに時間は取れません。そう殿下にお伝え下さい」
「分かりました」セルビ伯爵令息は急いで帰っていった。
はあー、とうとう来たか、直接対決!




