その35
リジーの気持ちがようやく落ち着いたのは30分ほど経った頃だった。
シュナイダーは帰ってしまった。
これで良かったのよと気持ちの整理がついた頃、シュナイダーからメールが届いていた。
【お休み、リジー。いい夢を。S】
短い文章ではあったが気持ちがこもっているとリジーは思った。
寝るまでの全ての用事を済ませ、明日の準備をする。その時自宅の電話の留守電が点灯しているのに気がついた。普段から自宅への電話は控えてもらっていて、…まして教えることも少ない為、誰からなのかと疑問に思いながら再生ボタンを押す。
無音だった。
そして機械的な声が録音されていた。
【また電話するよ?リジー…クックックッ。】
その声は知らない声だった。まして男が女かも判断ができないほどの機械音だ。
不気味だった。
もうあんなことはないと思っていたのに。
シュナイダーにこれ以上迷惑をかけたくなかったリジーはシュナイダーの直通電話ではなく会社の方へと電話をかけた。
そして警護をお願いしようとしたのだが、個人を対象とすると値がはると言われ金額を聞いて諦めてしまった。
電話を切ったあとすぐに電話がなり、ビックリしたリジーは恐る恐る受話器をとった。その電話はシュナイダーからだった。どうしてわかったのだろうと聞く前にシュナイダーから説明があった。
非通知でない場合は電話番号を控えておく事が後々仕事へとつながる場合があるらしい。そのため今回も事務員が電話番号を控えていた。そこにたまたまシュナイダーがやってきて、事情を聞いて電話番号を聞いた為慌てて折り返し電話をしてきたということらしい。
「何でまた…ストーカー?まさか…まだいたの?」
「かもしれないな。だとするとそこにいるのは危ない。荷物をまとめて待っていてくれ。すぐに行くよ。」
「そ、そんな…仕事中でしょ?いけないわ。」
「大丈夫。気にしないでくれ。今日は仕事は入ってない。今は事務仕事をしているだけなんだ。」
「そうなの?」
「ああ、本当だよ?だから自宅でジッとしてるんだよ?分かったかい?」
「え、ええ。分かったわ。待ってるから。」
「ああ、待っててくれ。」
しかし、シュナイダーがリジーのマンションに着いた頃にはリジーはいなかった。荷物を置いたまま間抜けのからだった。




