67 裏切りとお願い、宿屋《魔王城》にて。
「それで、なんでそんな話になるのですか。」
「ふむ、私では搦め手は難しいとな。」
メイズはシャランと相対している。
シャランのお見合いを利用した犯人捜しは、そうと判らないようにすると言う事で決着した。
しかし、なんだかんだと直情型のシャランにそんな真似ができるとは思えなかった。
そこで誰かを助太刀に呼ぶと決まったのだ。
シャランは心当たりがあると話、いま宿屋《魔王城》に来ているという訳だ。
そしてその心当たりこと、メイズに協力を仰いでいるという訳である。
「いいんじゃない。ねぇ、女将さん。」
偶々、昼食を取りに来ていた筋肉の化け物。顔にはしっかりと化粧が施され、身を包む服装は女性物。クネクネした独特の動きをした男性。
ゲイバーのママさんをやっているフタハ=サイゴーは、宿屋《魔王城》の女将、恰幅の良い正しくおばちゃんと呼べる、口癖が「昔は美人だったんだよ。今はこんなんだけど。あははははは」なメイズの雇い主に許可を取る。
メイズの都合等一切関係なしに。
「いいんじゃないかい。人が困ってんなら助けてやりな。」
無情にも女将はカウンターの奥からそうメイズに言い放ったのだ。
「はぁ、それで何時なんですかそのお見合いってのは。」
「ふむ、助かる。三日後だ、ただ、ちょっと条件があってな。」
「…条件?」
メイズは溜息を吐きつつ、日取りを尋ねた。
シャランは、メイズに感謝をしつつ綺麗な笑顔を見せつつ、不吉なことを言った。
メイズは、その笑顔に引きながら、条件とやらを尋ねた。
「ちょっ、何でですか、それっ!」
「あはははははは、良いわね、それ。私、協力しちゃう。」
その条件を聞いたメイズは狼狽え、フタハは爆笑しながら協力を約束した。
「ふむ、男に二言はない、だろう。」
「僕のセリフです。それに、男でも二言は有ります。」
シャランが故事を出し、メイズを説得しようとするが、それは普通、男性側が言うセリフであり、メイズにツッコまれる。
それに、心底嫌なことは誰にでもある。
メイズはそう言って、何とか逃れようとする。
「メイズ、……やってやんな。」
「ちょ、女将さんっ!」
裏切られたっ!そんな顔をしたメイズの肩がガックシと落ちた。
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