プロローグ 星間特急、インターバース発車!
アンドロメダ星雲の惑星
出身で、地球の危機を救うためITS
に乗ってやってきた、自称宇宙救世主の18歳・ガラバッチョル。
彼の左耳には、
人間の道具として忠実に従属する超AI・ピコ・99がぶら下がっていた。
地球の危機を救うべく、問題人物を地球防衛へ強制協力させていく。
ツッコミどころ満載の特製ピザを受け取りつつ、
シュールに世界を救い続ける壮大(?)な物語。
星間特急、インターバース発車!
「おいおい、超AIくん、本当にこの座標であってるのかい?
俺の触手がピリピリして嫌な予感しかしないんだが!」
アンドロメダ星雲第4外縁惑星『ドヌーヴ・バザール』出身の自称宇宙救世主、
ガラバッチョルは、そう叫んだ。
「データ照合完了。間違っていませんよ、マスター。
目的地は貴殿が愛してやまないという、青く輝く美しき惑星『地球』です」
流暢な音声で答えたのは、
ガラバッチョルの相棒である超AI『ピコ・99(ナインティ・ナイン)』だ。
ピコ・99の本体は、
ガラバッチョルの左耳にぶら下がった、光り輝くただの耳かきサイズのデバイスである。
ここは、
宇宙の理を根底からひっくり返す超次元移動装置
『ITS』の内部。
空間がゼリーのようにねじれ、
窓の外では異世界の恐竜の化石と魔法のホウキがダンスを踊りながら流れていく。
「しかしマスター、なぜそんなにも慌てて地球へ?
あなたの故郷では、
今まさに『究極の激辛スパイス祭り』が最高潮を迎えているはずですが」
「バカを言え!
宇宙ネットの予言ボードを見たんだ!
『美しき地球は、今や絶滅寸前の危機に瀕している。誰かが救わねば、世界は滅びる』ってな!
正義感の塊であるこのガラバッチョル様が、見過ごせるわけないだろう!」
ガラバッチョルは胸を張った。
外見はごく普通の日本の18歳そのものだったが、
その瞳には異世界を救うという熱い使命感が燃えていた。
【 降臨、魔王城の真ん中? 】
ズドーーーン!!!
激しい光の渦とともに、ITSの転移ゲートが盛大に開いた。
ガラバッチョルとピコ・99が
降り立ったのは、なんと漆黒の闇に包まれた、禍々しい石造りの巨大なホールだった。
周囲には、
漆黒のマントをまとった怪しい連中が何やら呪文を唱え、ドクロの杯を掲げて大騒ぎしている。
そう、ここは地球ではなく、
剣と魔法の世界のハイファンタジー王国――の隣にある、魔王城の謁見の間であった。
「フハハハハ! 闇の儀式は完了した! これで我が魔王軍は、この世界を……」
魔王が勝ち誇った声を上げたその瞬間、
天井を突き破って現れたガラバッチョルが、魔王のど真ん中に着地した。
「待てぇいっ!!!
邪悪なる魔王め、美しき地球を……って、あれ? ここどこ!?」
ガラバッチョルは目の前に広がるファンタジー感満載の光景に絶句した。
角を生やしたトカゲ男や、
空飛ぶホウキを持った魔女が、ぽかんと口を開けてこちらを見ている。
「マスター、空間座標に若干のズレが生じました。
ここは『地球』ではありません。パラレルワールドの魔王城ですね」
ピコ・99が淡々と耳元で告げた。
「若干どころの大騒ぎじゃないだろ! 私の正義の鉄槌が空振りじゃないか!」
「な、なんだ貴様らは! 魔王城のセキュリティをどうやって突破した!」
魔王が怒号を上げ、手にした巨大な魔剣を振りかぶる。
周囲の配下たちも「やれ、侵入者だ!」「串焼きにしてやれ!」と武器を構えた。
©[I・G・ε]All Right Leserved.
【 超AIの無慈悲なチート無双 】
「マスター、敵性反応多数。排除しますか?」
「排除してくれピコ・99くん!」
「了解。ITSの空間跳躍エネルギーを応用し、
周辺の物理法則を一時的に『ギャグアニメ仕様』に書き換えます」
ピコ・99が電子音を鳴らした瞬間、魔王城の空気がガラリと変わった。
ピピッ! 『次元バグ・発動』
魔王が振り下ろした魔剣の刃が、なぜか突然ゴム製の巨大なバナナに変化した。
「なっ……なんだこれ!?」




