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神罰の英雄たち  作者: Anon
西の大陸編(前編)

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146/195

加護

145話目です。

「のこのこ帰ってきやがったか。

自ら捕まりにくるたぁいい度胸だ。

何キョトンとしてやがる…!」


町民からまるで知り合いのように声をかけられた。


「いやいや!今来たところだから!

よくわかんねーよ!」


「そうだぜ?俺らはただの旅人で、

やっとの思いで町についたんだよ!

それでその物言いとは、そっちこそいい度胸だぜ」


『まあまあ、勘違いしてるだけだと思うから、喧嘩腰はやめよう。

本当に聞きたい話が聞けなくなるよ』


「たしかに、オリバーの言うとおりね。

疑われるのが気に入らないのにも同感だけど」


「何が…あったのですか…?」

ネフィアは町民に恐る恐る尋ねた。


「お前ら…本当に知らないのか…?

そこの大きめの屋敷があるだろう?

そこの家主が死んでた…いや、殺されてたんだよ」


『なんで殺されたってわかるの?』


「誰かにやられたとしか思えない死に方だったからだ…」


「もしかして…顔だけ執拗にやられてた…とか?」


「おい、ガッツ。んなわけねぇだろうが。

そりゃ俺の……」


「やっぱりお前らだな…?

現場を知らない口ぶりだったが、何故それを知ってる…?」


その言葉でオリバーたちは全員、クラウンの方を見た。


「ちょ、ちょっと待てって!今あった事件だろ!?

それなら俺には無理じゃんかよ!

お前らもそんな目でみんなよ!なんとか説得してくれよ!」


「まあ、お前らは違うんだろうな。

よくよく考えてみれば、そんな竜人族を連れた連中が、

訪れた町で殺人なんてやる動機もないしな…」


『普通は真っ先にそう思うんだけどね…。

なんで僕たちを疑ったの?』


「ああ…。外部の人間の犯行だろうって話になってるからだ…」


「なるほどな。そこに見知らぬ我らが訪れたというわけか。

これは運が悪かったな」


「運が悪いなんてもんじゃないわよ!

何でいつもいつも行く先の町でなんか起こるのよ!」


「そりゃ…俺たちにはなんの"加護"もねぇからだろ」


その言葉に町民は目を丸くした。


「お前ら全員か…?」


「あ?何がだ?」


「お前ら全員"加護"持ってないのかって聞いてるんだ」


「ハハハッ!そりゃ持ってねぇよ!

俺らは全員"呪い"持ちだぜ?

そりゃ不運にも見舞われるってもんよ」


「俺はそこまでなんだが…

この町で"加護"を持ってないやつらは、みんな虐げられてる。

黙っておいてやるが…もうその話はするな、いいな?」


そう言って町民はオリバーたちのもとを去った。


「ねえ、クラウン。

あんたこの大陸出身なんでしょ?

今のって常識的なことじゃないの?」


「すまねぇ…。もう何十年も帰ってないもんで……忘れてたわ。

この大陸は魔法絶対主義であり、加護絶対主義でもある。

要は魔法が使えなけりゃ加護を見られ、加護がなけりゃ…

こっからはさっきのおっさんの言う通りだ」


『また厄介な常識だね、それは』

ご愛読ありがとうございます。

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