絆
143話目です。
「おーい!おっせぇぞ!お前らー!
どんだけ待たせんだよ!」
クラウンだった。
『いや、考えさせてって……』
「どうだ?これ、似合うだろ?」
「え?似合うって……え?」
ガッツはパニックに陥った。
「心機一転!おニューの一張羅だ!
返り血まみれだったからな!ハハハッ!」
「え、じゃあ一晩考えさせてくれってまさか…?」
「あ?これに決まってんだろ!
お前らについていくのはもう昨日言っただろうが」
『え…?考えさせて……。
"逃げねぇからよ"、か…!
あれがついてくるって答えだったの!?
わかりづらい!!』
「茶番ね。終わったんなら早く行きましょ」
「そうですね。
この大陸のことと迷宮を調べなくちゃですもんね」
「うむ。そうであるな。
では、オリバー音頭を…」
『よし!じゃあ行くよ!
西大陸踏破!古代迷宮攻略の旅へ、出発!!』
「なんか…わからねぇ言葉が飛んできたぞー…?」
『え?何が?古代迷宮がわからなかった?』
「それもそうだけどよ……"大陸"ってなんだ?」
『え?転移魔法陣使ってるんでしょ?』
「転移魔法陣とその"大陸"に何の関係があるんだ…?」
オリバーは、知らないことに一瞬驚いたが、
この世界の仕組みについて説明した。
「マジかよ…。お前らすげぇ旅してきたんだな…。
てか、よくそんな仕組みにも気づいたな…。
俺、そんな冒険に混ざってもいいのか…?
ここまで歩んできた絆があるだろうしよ…」
『僕たちの旅はまだまだ始まったばかりなんだ。
仲間を集めてるわけじゃないんだけど、
クラウンは何となく一緒に旅ができそうだと思ったから、
これから仲良くやっていこうよ』
「そうだぜ!あんときはさ、色々言っちまったけど…
俺は多分クラウンの人柄が好きなんだよ。
だから、歓迎するぜ!」
「私も、ガイコツと一緒は怖いって思ったんだけど、
よく考えたら竜人族と魔族も怖いはずだと思って。
結局、人柄を見て接してるんだなって思ったのよ」
「私は拾われた身ですので、何も言えませんが…。
あなたがついてきてくれると、
旅が少し楽しくなりそうだと思います」
「……我も皆と同感だ。
その、最初会った時は、すまなかったな。
我も今ではお主のことは何とも思わぬ。
恐らく、お互い年長者として共にやっていけるだろう」
『ほら、ね?』
「お、お前ら……!
めちゃくちゃ良い奴らじゃんかよぉーー…!
こんな俺に…そんな言葉かけてくれて…!
わかった!俺もこの旅で全力を尽くす!
何ができるかはわかんねぇけどよ、戦うのと笑わせるのは得意だ」
『これからよろしくね』
「ああ!よろしくな!みんな!
で、次の行き先は決まってんのか?」
『次は…もしここが西の大陸だとしたら、
"千年竜の背骨"という古代迷宮に行きたいね』
「千年竜の背骨だと…!?」
『え!知ってるの?古代迷宮は知らないのに?』
「いや、知ってるも何も……それだよ」
『え?』
クラウンが指差した方を振り返ると、山脈があった。
現在地からだと一見、山脈ではなく壁に見えるほどの圧迫感がある。
『あれって…昨日下りてきた山だよね?』
「そうだな。だが、間違いなくあれが"千年竜の背骨"だぜ」
西の大陸のスタート地点となった転移魔法陣は、
オリバーたちが目指すはずだった古代迷宮"千年竜の背骨"にあったのだ。
北の大陸ではどの迷宮も遠く、
何か月もかけてやっと辿り着くような場所にあった。
それが普通になっていたオリバーたちは、
またここから長い旅を想像していたのだが…。
『…じゃあ、行こう』
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