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神罰の英雄たち  作者: Anon
閑話ー事件の真相ー

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142/197

因果

141話目です。

「あんた…だったのか…!」


「はぁ…はぁ…。

あんだ?兄ちゃんじゃねぇか。

お前らも俺を追ってきやがったのか?」


「別にあんたを追ってたんじゃない…!

今までの事件を…追ってきただけだ…!」



既に辺りは夜の帳が下りようとしていた。


黒いコートを身に纏い、

黒いフードを被っているその男の姿は、

仄かに見えていた。


その男の胸元から青く照らされていたからだ。


「兄ちゃんたちには関係ねぇだろ?

これは俺の因果だ。

お前たちもコイツらの関係者だって言うんなら、

話は別だがな…」


「もう事件を見ちまったんだ!

関係ねーことねーだろうが!

なんでこんなことするんだよ…!」


「お前に言う必要はねぇな。

なんだ?言ったら裁いてくれんのか?慰めてくれんのか?

ちげぇだろうがよ。

何もできねぇ奴が正義ヅラしてんじゃねぇよ」


「くっそ…!お前…!」


『ガッツ!!』


オリバーの一喝がその場を鎮めた。


力が入るのと同時に自然発生した風の魔法が、

オリバーを中心に激しく渦巻いた。


『ガッツ、この人の言う通りだよ。

僕たちに口出しする権利はない。

この人の"因果"についてはね』


「仮面の兄ちゃんはちょっとは頭がキレるんだなぁ。

だが、それでも口出しはさせねぇ。

それにもう…終わったからよ」


『…荒野の町で、とある集団と仲良くなったんだ。

一緒に遺跡に行こうって。

その約束をする前に少し駆け引きはあったけどね。

次の日にはもう燃やされてた。

約束を果たせなかったんだ…』


「…そうかよ。そりゃ悪かったな。

だが、こんな奴らと仲良くするこたぁねぇよ…っと、

喋りすぎるところだったな。

ほら、もう行きやがれ。用は済んだろ?」


『済んでないよ。

僕の悲しみは君が解決してくれないと。

それに"もう一つ"聞きたいこともある』


「ほーう。武器を手にしたってことは、お前も覚悟できてんだな?」


ガイコツ仮面の男は、腰に携えていた"トゲ付きメイス"を取り出した。


その"トゲ付きメイス"には、

まだ新しい血が付いているように見える。


「かかってこねぇならこっちからいくぞ…!」


その男の動きは速かった。

その長身からは想像もつかない速度で、

オリバーに肉薄した。


メイスの振りも並外れた速度だった。



各事件では、集団が一方的に惨殺されていた。

よく考えれば相当な手練であることがわかる。


だが、オリバーも成長している。


その高速のメイスによる一撃を……。



「コイツ…!ナイフでパリィしやがった…!」


何度もメイスを振り下ろしたが、全て完璧に弾かれた。


「はぁ…はぁ…。てめぇナニモンだよ…」


『ただの旅人だよ…!っと!』


風魔法で五体を操作し、高速で移動した。


その男は、かろうじてナイフ攻撃をメイスで弾いたが、

二撃目の重い蹴りをしっかりと食らってしまった。


『君……体、どうなってるの…?』


「ハッハッハッ!気づいちまったか…。

そうだよ……ほら!この通りだぜぇ!」


その声と同時に黒いコートを広げた勢いでフードも落ちた。


『そ、その体……。え…?』


骨だった。


ガイコツの仮面だと思っていたその顔は、

仮面ではなく本物のガイコツだった。


そのガイコツの胸の真ん中で、何かが青く輝いている。


「…驚いたろ?安心しろ、俺もだ。

好きでこんな姿をしてるんじゃねぇぞ?」


『じゃあ……なんで……?』


「そうだな…。

俺に勝ったら教えてやろうか?」


『それなら今教えといたほうがいいよ。

ちゃんと負ける前にね』


「口の減らねぇ野郎だなぁ…!

お前もコイツらと同じ目に合わせてやろうか…!」


ガイコツ男はメイスを何度も何度も振るった。


『本気で振ったほうがいいよ。

そんなんじゃ僕には当たらない』


軽やかに躱し、完璧に弾き、細かく反撃を入れていった。


「チッ…。やっぱ急造のコイツじゃ、話になんねぇか…」


ガイコツ男はそう言いながらメイスをその場に捨て、

ジャグリングを始めた。


『…僕はそんなじゃ油断しない』


「今更そんなつもりはねぇよ。

なあ、仮面の兄ちゃん。

名前はなんて言うんだ…?」


『オリバーだ』


「オリバーか…。

久しぶりに人と正面から…いや、人に…だな。

正面から向き合ってもらった。

そんな恩人の名前を聞いておきたくてよ」


『じゃあ君の名前は?』


「それも俺に勝てたら教えてやる…!」


ガイコツ男のジャグリングの球が光り始めた。


赤や青、黄色や緑といった様々な色の球が、徐々に光を強めていく。


『魔法か…』


「……喰らいな」


ジャグリングの球から魔法が放たれる。

球はいつの間にか手から離れていたが、

それでも尚、回り続けている。


ガイコツ男は、捨てたメイスを拾い上げ、

魔法球による攻撃とメイスによる攻撃でオリバーを追い込む。


オリバーは、魔法攻撃を躱しながら、"術式改変"の魔法を使い、

メイスによる激しい連続攻撃も全てナイフで弾いていた。


「お前…!強いじゃねぇか…!」


『この程度なら頭が回るからね。

そろそろ反撃していい?』


「言わせておけば…!」


円を描くように回っていた幾つもの魔法球は散り散りになり、

オリバーの四方八方取り囲むように配置した。


だが、その魔法球から魔法が放たれることはなかった。


「な、なんでだ…!どうなって……」


オリバーはその隙にガイコツ男の首にナイフを当てていた。


『これで終わりでいいかな?

君を殺す義理はないからさ』


「だーーー!!俺の負けだよ!!

この頑固野郎がーー!!」


そう叫びながらその場に大の字で倒れた。


「あーぁ。負けたのいつぶりだろ。

……星が綺麗だなぁ…」


ご愛読ありがとうございます。

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