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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第1章 転生!?

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19.好転

 俺が、よっぽど思い詰めた顔をしていたのかダルトンが、


「早まった事を考えないでくれよ。院長はどうなっても構わないが、君達子供がこれ以上不幸になるのを見たくはないからね。」


 と、声を掛けてきた。一つ大きく息を吐く。


「すいません。大丈夫です。それで、これから僕は何をすれば良いですか?」


「基本は、何もしなくても良いよ。もう暫く耐えてくれれば、必ず状況を進展させてみせるさ。」


「何をするのですか?」


「さっきツテが無かったと言ったけれども、最近ある人を介して、福祉事業に多額の寄付している人と知り合えてね。これからアポを取って現状を伝える予定だよ。」


「でも、証拠とか・・・」


「その方は、創始者イスタールをもの凄く敬愛していてね。多分、孤児院の現状を聞いただけで、私兵を伴って突撃するよ。寧ろそうならない様、コントロールするのが大変なんだ。」


「え、大丈夫なんですか?逆に捕まったりするのでは?」


「その方はこの都市の有力者でもあるから、警備隊なんて黙らしちゃうけど、流石にそれは不味いからね。アポ取りの日取りを、各部署への根回し期間を取って決めるつもりだよ。なので、それまで我慢をして貰わないとならないし、悟られない様にもして欲しいんだ。」


「何日ぐらいでしょうか。食事問題は、結構喫緊の対策が必要です。」


「根回しは、それ程時間を取られないと思うし、最短で4日か5日かな?。食事問題だけど、一つ提案があるんだ。」


 ダルトンの提案を聞いた俺は、ニヤリと笑みをこぼした。


「それは面白そうですね。ぜひお願いします。」


「では、準備しておこう。ところで、雇用契約だけど何か希望はあるかい?」


「すいません。相場が良くわからないです。土木現場では、帰りに100ダリ貰って、それを院長に渡して、お小遣いとして10ダリ貰っていました。」


「そ、それはあまりにも・・・。世間一般で、土木作業であれば、1日15,000ダリくらいだね。成人前の子供だと、それの半分ぐらい、リノ君の年齢だと3,000ダリくらいは貰えると思うよ。」


「それって・・・」


「中抜きというレベルじゃないくらいの搾取だね。これは、その土木会社も一枚噛んでそうだね。」


「土木会社・・・あ、ダンカン。多分社長はダンカンという男です。女の子達は、そいつの家の家事手伝いに出されています。」


「ダンカン土建・・・、昔から安い工事費で、公共工事を請負うことで有名な会社だね。そういうカラクリだったか。これは、押さえるところが一つ増えたかな。それは、また後ほど考えよう。


雇用契約の件だけど、院長は恐らく、ダンカンのところと同じ提案をしてくるかと思う。。私は敢えて、その提案に乗って、自分も同類だと匂わせて油断を誘います。運が良ければ、証拠の一つでも増やせるかもしれませんからね。


あ、リノ君には同額をお支払いしますからね。タダ働き同然の事はしませんよ。」


「いえ、4・5日程度なら、今ままでと変わりませんので、問題ありません。頂いても隠しておく場所もありませんので。万が一、他の子に見つかって、作戦が露見する方がリスクがあります。」


「ふむ、では報酬は、この件が片付くまで、私の方で預かっていましょう。」


「あの、話は変わるのですが、例えば僕が商品とかを持ってきたら、買い取りとかしていただけますか?」


「うん?何か買い取って欲しい物があるのかい?」


「いえ、今はまだ。でも、資金が増えた後に、商売が出来ればと思いまして。」


「あはは。また気の早い話だね。でも、いいね。夢や希望を持つ事は大切だ。子供は、そうじゃなくちゃ!もちろん!僕は商人だ。商品を持ってくれば買い取るよ。でも、査定はキッチリとするよ。そこは公平でなければ、君にも失礼だしね。」


「ありがとうございます。」


 俺は、ダルトンに礼を言った。ダルトンは「だから気が早いって」と笑っている。

 だが、俺の礼は買い取り事だけでは無かった。俺達、孤児のために動いてくれる人達がいる。それだけで心が、ジンワリと温かくなり嬉しかったのだ。

 俺は、頭を下げながら、一粒の涙を落とすのだった。


お読みいただきありがとうございます。

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