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迷宮~新聞記者 津雲京介  作者: 村越 京三


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304/304

新聞社へ久々の訪問者…(その7)

田野【消費税減税の話は

   それなりに情報は入って

   おりますので】


津雲【さすがですね

   それでも足りないかも

   しれないと判断して

   無駄なものは削り出す

   そんな所でしょうか】


田野【どのくらいあって

   配分するのかですね

   抵抗は激しいかと】


津雲【相変わらずの

   伏魔殿だらけですからね】


田野【それは言えますね

   聖域という方が正しいかなと】


津雲【確かに聖域ですね

   この騒動で送らせようと

   するのではありませんか?】


田野【お恥ずかしいですが

   ウチはこれしかない

   それが答えですよ

   それぞれ考えはあるのですが

   特に党内の左寄りと

   される人達は典型的ですね

   あんまりやり過ぎると

   支持と後援の板挟みです】と

   苦笑いしている


津雲【定数削減もですかね】


田野【定数削減自体は賛成です

   ただ、この方針では

   反対だと言わざるを得ません

   あまりにも削減数が多すぎます

   段階的になら分かるのですが

   地方の声は残さないと】 


津雲【地方の声は必要です

   それは間違いないでしょうが

   いかんせん資質でしょうね

   あまりにもワガママが過ぎる

   議員さんもおられるので

   国会議員は国民の

   模範にならないといけません

   与野党共に言えますけどね】


田野【それに関しては

   反論のしようもありません

   慣れというのは恐ろしい

   悪しき慣習です

   身体検査も難しくなりました

   人を見る目が無さすぎると

   指摘される事も増えました】


津雲【文句言う人は言いたいだけ

   憂さ晴らしの面もあるかと

   今はテレビや新聞を読んだり

   見ている人は本当に

   少なくなりました

   生活困窮者や情報弱者と

   時間に余裕ある人達を

   ターゲットにしていると

   10代から現役世代の人達は

   ほとんど見ていないと

   今はネットや配信ですから

   これも時代の流れというもの

   最近だと時々迷惑動画が

   散見されますけど

   あれは見事にメディアの

   悪い点の真似事です

   あれで誹謗中傷の連鎖で

   人の命を奪わせてるとも

   言われても仕方ないでしょう

   それこそ供述調書や裁判で

   動機を証言したら

   反論できないでしょうね

   その放送内容はとね

   おごり高ぶりを改めない限り】


田野【確かにそれはあるでしょうね

   今ですとハラスメントだと

   指摘されても仕方ありません

   公共の電波ですかは

   企業の努力の手本にならないと

   示しがつきません】


津雲【待ったなしですよ】

   こちらの世界でも

   候補者を公募する際に 

   色々質問するのですが

   やりたい政策はあるけど

   大臣や総理にはなりたくない

   白い巨塔のような出世争いは

   興味関心がない人が

   年々増えましたよ】


津雲【それは私に対しての

   皮肉ですか?】と

   思わず笑ってしまっている


田野【いやいやそのつもりは

   失礼しました】と

   こちらも笑っている


津雲【いえいえ事実ですから

   そういう世の中を作った

   それは齢を長く生きた者の

   責任というものですよ】


田野【確かに作ってしまった

   それは一人一人の責任ですね

   私も公約違反をしましたから

   その報いは受けました

   覚悟はしていましたけどね

   まるで振り子でしたよ】と

   少し懐かしむように話している


津雲【ある意味で国民に教訓を

   身を持って教えた訳ですね】


田野【今となってはですけどね】


津雲【話は変わりますけど

   そういえば地元は

   大丈夫でしたか?

   豪雨や台風の影響は】


田野【床上床下浸水が

   かなりありますね

   一部断水もありましたが

   今は何とか】


津雲【ウチの家は大丈夫でしたが

   私や奥さんの実家は

   少し停電して大変でしたね

   あとは電車が不通なので

   多少の苦労はあるそうです】


田野【自然災害は本当に

   恐ろしいですね

   しかし、これからは

   こういった災害は

   年々増えていくと思います

   防災対策は待ったなしです】


その時秘書の人間が

スマホに視線を向けている


秘書【先生、そろそろお時間が】と

   田野に耳打ちしている

   

田野【すみませんそろそろ

   次の予定がありまして】と

   慌てて支度している


津雲【いえいえこちらも長時間の話に 

   花を咲かせまして】


田野【ありがとうございました

   失礼致します

   また、お会いしましょう】と

   頭を下げて応接室を後にした


津雲【こちらこそ貴重な話で

   お手間を取らせました

   ありがとうございました

   こちらこそ機会ありましたら】 

   こちらも頭を下げた後、

   一息ついて応接室を後にした


田野【やはりあの人は面白い

   あの人こそ政治に必要だ

   清濁併せて呑むだな】

   そうつぶやきながら

   車に乗り込んでいったのです


津雲【蚊帳の外か…

   余程堪えたのだな】と

   ぼやきながら

   遊軍部へと戻っていった

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