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「頑張れ」はやめて  作者: いしの riko


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私だけじゃない

自己紹介していない 確かにそうだ

過去に思い入れがないからすぐ忘れる方だし きっと聞いても忘れたんだと思っていた


いや 名前が必要なかったほうだった

おはようだけでなんだか話しやすいと感じていた

おそらく相手もそうだったら嬉しいが


「あなたは伊伊野 伊織 イイノイオリさんでしょ」

私だけ知らない 人に関心なかったから聞き逃した? 最悪

「ごめんなさい人の名前は覚えられなくて よかったらもう一度教えてもらえないかしら」

申し訳なくても知りたいと思った人の名前


笑顔で「もちろん 私は大野 浩子 オオノヒロコ 大きい野原 サンズイにつげる子 よろしくね」


「こちらこそ 大野さん」


「私のことはヒロと呼んで あなたはイオリと呼んでいいかしら 

あなたは茶色っぽい髪色だけどストレート 私のあこがれなんだ 私 天パで黒髪」  

    

「! 驚き 私はあなたの髪 羨ましい」


相性なんてないと思っていたけど この人が隣の席なんてすごく嬉しいしなんて幸せ



専攻授業でも名前を覚えた


和菓子科 和菓子屋の娘 白井 安子さん

     お菓子好き 佐藤 由美さん


小豆を煮る時 同じ班になった

前の日仕込みの時 割れた豆をのけ三人で小豆を洗った

水を張り小豆を入れ じっと見つめたその呼吸が三人一緒で共感


次の授業の時も小豆が煮えるところを三人で見守った


砂糖をいれ煮る しゃもじのやさしい返し方もそっくり

言葉のいらない静かな時間が好きだな

砂糖を入れるタイミングも同じだった


すごく安心


学校もいいもんだ



草原と渡る風と眺めたことが 学校生活にもいい効果をもたらしたかも

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