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眩しいモノに
手を伸ばしても
届くことはない。
1つ1つしかない大切なモノは
取ろうと思えば
簡単に取れてしまう。
取る時には
己は何とも思っていない。
だが、取ってしまった後に
気付いてしまう。
取ってしまったモノの儚さに。
そして、理解するのだ。
取った己の手の醜さに…
この醜さは……
何時になれば……
消えるのだろう……
地には雪。
空には蒼色。
何も考えずに流される雲は、平和。
しかしその下では、平和とは程遠い銃声が響いていた。
それだけではなく、悲鳴、狂った声、血の飛び散る音。
白い筈の雪は桃色に染まり、そして赤色。
数分経った後、音は消えた。
つかの間の沈黙の後、唸るような声が。
「…人間…如きにっ…わ、我等が…劣るはずは無」
だがその声は、何かを潰す音が発生すると同時に消えた。
「…ごちゃごちゃ喚きやがって…負け犬が。」
血まみれになった男を見下ろしながら、青年は呟いた。
否、もう男の型は残っていない。あるのは紅い血肉のカタマリ。ただのモノ。
長身で黒髪の青年―10代後半から20代前半だろうか―は、その"モノ"に背を向け、歩き出した。
「おーい龍一!俺を置いてく気か!?」
「………お前が遅いだけだろ、広明。」
右から走り寄ってきた、こちらも青年―だが、まだ顔には幼さが残る―が、文句を言う。
「ひっでーなァ。龍一より奥地でちょー頑張ってたってのに。」
「………あっそ。」
「うわ、何でそう俺のコトバを軽く流すかなぁ龍一ちゃんはよー。」
「…聞いててもメリットが無い。」
「そう言うと思った。」
「……眠い。」
「しっかし、俺たちって災難だよなァ。朝っぱらから山ん中行かされるし。つうかよ、普通寒い中に山に行かせるか?」
「…めんどくせぇ……」
「今日の朝メシ何だろ?」
「…寒い……」
「俺的には、やっぱ朝はご飯だと思うのよ。ライス。いや、パンがマズいって言ってるワケじゃなくて、パンも美味い。でもさ、どっちかっつうと昼っぽくねぇか?菓子パンは…あれは、3時のおやつだな。惣菜パン、あれが昼飯。もしくはサンドイッチでもOKだな。そんで、晩は丼!親子他人トンカツ木の葉、どれでも良い。それに限るよなぁ…っておい!龍一!!さっきから全っ然かみ合ってねぇし!?」
「……」
「無視すんなぁ!!つうか置いてくなぁ!!!」
背の高い龍一は、構わずスタスタと歩いていく。
同じくらいの背の男が走って追いかける。
これが、彼らにとって平凡な朝。
――――『殺し』から始まる、1日。
更新遅いと思いますが頑張ります!
よろしくお願いします。




