第六話 白鷺会若頭・真田圭吾―完
「ほう。それはいい報告だ。おめでとう!」
「ありがとうございます。テルスディアもやる気満々ですし、今後は師匠に頼りっぱなしじゃいられない。自分でできることは自分でやりますよ」
「ほう」
私は圭吾の顔をまじまじと見た。以前の彼はどこか私に依存している節があった。だが今は違う。
自分の力を取り戻したことで、戦うという強い意志が感じられる。
「いい心がけだ。だが、無理はしないでくれよ。何かあればすぐに連絡しろよ」
「わかってます。でも、もう師匠の手を煩わせるわけにはいかない。俺は白鷺会の若頭ですから」
「その肩書きを背負ってる以上、余計な戦いに巻き込まれるのは仕方ないが、民間人にはその力を使うなよ。そうなったら……」
「分かっています。俺も師匠と命のやり取りをするのは嫌ですから」
「ならいい」
圭吾が立ち上がる。
「師匠、今日はありがとうございました。また何かあれば報告に来ます」
「ああ。気をつけてな」
圭吾が店を出て行った後、カナリアが私の肩に乗ってきた。
「翔太、圭吾君たくましくなったね」
「そうだね。テルスディアを半壊にさせた時はかなり落ち込んでいたが、あいつなら乗り越えられると信じて何も言わなかったけど、いつの間にか頼もしくなっていてうれしかったよ。多分、彼の部下たちがいてくれたおかげかな。まぁ、世間ではあまりかかわってはいけない輩ではあるんだけど……」
中でも若頭補佐の黒崎恭平が、圭吾をいい方向へサポートしてくれているのだろうな。
願わくば、いつまでも圭吾の友人として彼をサポートしてもらいたいものだ。
「結局、あの紫の女についてはモヤモヤだね」
「だが重要なのは彼女を救えたことだ。理由はどうあれ彼女の魂は安らかになった。それで充分だろう」
「そうだね」
カナリアが小さく欠伸をする。
「さて仕事に戻るか」
窓の外ではイルミネーションが輝き始めている。今年も忙しい一年だった。だが来年もきっと同じように慌ただしく過ごすことになるのだろう。
願わくば、本職の仕事が忙しくなることを祈りつつ、私は整理の続きを始めるのだった。
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