百九十一.家族の死は悲しいものである
「な、なんだとーーー!!ち、父上が陶謙の兵に殺されたと!!」
「さ、さ、さささ、左様でございます!!陶謙の部下である張闓の手によって無残な最期を遂げられたとのことです!!」
兗州にいる曹操は、早馬より届いた徐州での変を聞いて、怒り心頭、プンスカプー!であった。
「なんたることだ!今までの親不孝を親孝行で返そうと思っていたのに・・・それが裏目に出てしまうとは!!」
「なんたる不覚・・・なんたる醜態・・・私の稚拙な判断ミスで・・・これが覇王となる男の有様とは・・・あまりにも・・・あまりにも許しがたいわーーー!」
「この怒声はふがいない私自身への無限の怒りだーーーーっ!」
曹操は叫んだ。
眦を裂いて叫んだ。
その声は城中に響き渡り、家臣たちの体を震わせた。
「父上の仇を取る!皆!出陣の準備をせよ!!」
曹操は直ちに号令を下した。
そして、数日の内に大軍が動員され、『報讐雪恨』と書かれた旗が軍の上にひるがえった。
その勇ましい姿の軍を見た曹操は攻進を開始しようとした。
「よーしよしよしよし!準備は出来たな!それでは進軍開」
「待って下さい!お話があります!どうか進軍をお止め下さい!!」
「むむっ!誰だ!私の号令を遮るとは何奴だ!!」
「私です!陳宮です!曹操殿!どうか進軍は止めてくだされ!!」
城外にて曹操の軍を止めようとしたのは、かつて董卓の手から曹操を救った陳宮であった。




