百八十三.素直に言うことを聞くこと
場面は変わり、兗州にて。
兗州は長安より遥か東の地にあり、この地を治めているのは、乱世の奸雄『曹孟徳』である。
そして今、曹操は人材確保に力を入れていた。
『家柄や品行は問わぬ!優秀な奴は即採用!好待遇でアットホームな職場です!!』
こう書かれた立札は各地に設置され、この立札を見た大勢の浪人たちは、
「誰でもいいのか!それはいい!応募しよう!テッテレレーーー!!」
と兗州へ向かい駆けて行った。
曹操が人材確保に力を入れ始めた背景には、先の長安の騒乱が原因にある。
(頭が死ねば、体は崩れる・・・今に天下は乱れるに違いない。)
曹操は董卓が死んだことで世が再び乱れることを予見していた。
そして、その事態に対抗するためには、今以上の力が必要だと彼は考えた。
(パワーだ!無限のパワーが必要だ!!全てを支配する無限のパワーを手中に収めるのだ!!!)
曹操は来るべき時に備えて、準備を進めるのであった。
それからほどなくして、曹操の予見は見事に的中した。
東の地の青洲地方にて黄巾賊が暴れ始めたのだ。
黄巾賊は中央の乱れに応じるようにすぐに各地で暴れだすのであった。
この事態に対し、朝廷は曹操に黄巾賊を討伐するように命令を下した。
曹操は内心では、
(はぁ~むかつくわ~!腐った朝廷の言うことなんか聞きたくなか~!)
と腹を立てていたが、彼は命に服することにした。
『兵馬を動かすは、前進への一歩なり』
曹操はこの言葉を胸に、朝廷の命令に素直に奉じることにしたのであった。
そして、曹操はただちに兵を動かし、あっという間に黄巾賊を殲滅した。
朝廷は彼の功績を称え、『鎮東将軍』の名を彼に与えた。
しかし、曹操はこんな名称よりも遥かに大きい実利を得ていた。
降伏してきた賊軍30万、さらに領民のうちから屈強な若者を選んで兵に加えたことにより、彼の軍隊は総勢100万に近い数に膨れ上がったのである。
曹操は着々とその力を蓄え始めたのであった。




