しっちゃかめっちゃかだけど面白カッコイイ討伐
お久しぶりです。
小説の投稿を複数並行させるのって、思ったよりきついですね・・・w
けど頑張って追いつかせるぞー!
【メタトロンの森】。
その名の通り、メタトロンと呼ばれる魔獣が存在していた場所。
今は封印だか何だかで眠っているらしいが、奴の発する圧倒的な魔力は押さえることができなかったらしく、その溢れ出る魔力は周辺に潜む魔物たちをより強化させているとのこと。
その強化された魔物たちはそんじょそこらの魔物とは比べ物にならないくらいの強敵ばかりで、以前ライナの言った通り、実力のある冒険者ですらちょっとした傷では済まないほどだ。
そして、俺たちは今、
「あの~、メリルさん?」
「うん?」
「やっぱり別のクエストの・・・・・・」
「やだ」
「やだ!?」
即答!?しかもいい大人がやだ!?
「だって、この4人で行けるなんて楽しみじゃない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
微笑う女王様を筆頭に「上級者ダンジョン」で「初心者チュートリアル」を始めようとしているのだ。
普通に考えて人間がやるべきことじゃない。
なのにメリルさんはさも楽しそうにして笑っている。かわいいからいいけど。
「あれ?そういえばメリルさん、さっき4人って言いました?」
今いるのは片手杖を持つ俺と手ぶらのメリルさんと仏頂面で太刀を地面に突き立てているライナだ。
え、マホがいないって?
そりゃあ、あいつは人じゃないし女神だしナルシだし平らだしロリだけどババアだし腹立つし影薄いし外に来ても素足だしワインピースだし平らだし格闘術えげつないし見た目は子供頭脳はババアだし平ら・・・・・・
「同じこと3度も言うなああああぁぁぁ!!!」
「ごふぁあ!?」
な、殴られた!ロリババアに殴られたよ!?
「ロリババアだの平らだの大きな迷惑だ!あんたなに!?そんなに大きさを求めるか!?もはやフェチだよフェチ!」
『いや、お前がフェチなんて言うなよ。親女神が泣くぞ』
「うるせー!変態に言われたかないわ!!」
コイツ、ホントに女神か?口調が立場大崩れものだけど。
「うるせー!」
「お待たせしましたわ・・・・・・ってユウ、何をしておられるんですの?」
来て早々、マホと口論しているところに謝罪のテンションから急激に呆れに切り替わる絶妙なニュアンスを含んだ声で誰かが話しかけてきた。
「こ、この声は・・・・・・」
聞き覚えのある「ですわ口調」に振り向くと、真っ先に目に入ったのは、見入ってしまうほどの綺麗な長い金髪、端正な目鼻立ち、流線を描くような体のライン、それを包む迷彩の軍服のような服装、そして・・・・・・
ライナのように本人の身長ほどの大きさのある巨大な槍。
「デカッ!?」
「・・・・・・なぜ疑問形ですの?」
いやいやいやいやいや、思わず疑問形になっちゃうでしょこのでかさ!しかも見た目でっかい機械だよ機械!
しかも刃の付け根には巨大なジェットでも吹き出しそうなこれまたでかい穴が2つシンメトリックにくっついているし。
なんのマシンだよ、これ。
下手な爆発オチ付きの装置よりおっかねぇぞ。
「めずらしいですね、遅れるなんて」
そんなビックリ要素満載の武器(?)担いでやってきたシェーナさんに平然と敬語で声をかけるライナ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんで俺に対してはため口なんだろう、あいつ。
「すみませんわ、ライナ。ちょっと別の依頼も一緒に済ませようと思いまして」
ギルドで発行される依頼は複数受けても問題はないらしい。けど、期限以内に終わらせないとその受託者・ギルドの信用がかなり落ちるというリスクはあるみただけど。
そういえば、訊きたいことがあったので話題を切り替えるように口を開く。
「そういえば、シェーナさんとメリルさんのポジションって・・・・・・」
「あら、そういえば言ってなかったっけ?」
メリルさんが少し意外そうな顔をしたから頷いておく。
ライナが確か大剣士らしかったな。
と、ここで最初に質問に答えたのがメリルさんだ。
「私は多重銃撃士。基本的には後衛職をしてるよ」
「私は零距離戦術士ですわ。前衛職ですの」
「な、なるほど・・・・・・」
一応頷いたけど、正直よく解んない。
何スか、零距離戦術士って。零距離でどういう風に戦術作るんスか?
「・・・・・・まぁ、普通に訊いてても分からないわよね」
「そうですわね。詳しくは見てもらった方が手っ取り早いですわ」
混乱状態であまり理解できていないことに気付いたらしく、2人は苦笑いした。
訊きだしといてすんません、と頭を下げておいた。
「・・・・・・とりあえず、もう行こ」
「しゅっぱーつ!」
早まる気持ちを抑えているのか、出発を促しながら森の奥へと進むライナの後ろから陽気に拳を突き上げて走り出すマホ。
あのな、お前が返事しても戦闘に参加しないんだぞ?
それと討伐対象は俺じゃないんだからさり気なく腕をポコポコ殴るな。
◆
依頼を開始してからの俺の口開一番
「・・・・・・帰っても、良いですか・・・・・・?」
「ヤダ」
またかよ。かわいいからいいけど。
討伐をを始めてからまだ5分もたたずに俺はそう思った。
なんせ、目の前に広がるのは一方的な殺戮(もとい殲滅)が起きているからだ。
え?うちのパーティーが殲滅されているのかって?
・・・・・・・・・・・・そんなわけないじゃん・・・・・・・・・・・・
「これで討伐目標は終了ね♪」
「まだ余裕もありますし、休憩したらもう少し狩っていきませんか?」
「そうですわね。もうしばらくやりましょう」
ほらね。
白目向いて倒れている俺のトラウマことハウンドウルフ達が逆に気の毒に思え・・・・・・ないね。むしろザマァ!って叫んでみたいよ。
「あんた何もやってないくせに随分と態度でかいね」
『オイ、別に何もやってないわけじゃないぞ!』
そう、俺は何もやっていないわけじゃない。
何かやる前に事が終わってしまったのだ。
正直のところ、ハウンドウルフの群れを発見したのは出発して1分もかからなかった。
初陣の俺も気合を入れて、昨日のうちにある程度メリルさんから教わった加護術の詠唱を始めようとした途端、ライナの豪快な一閃によって群れの半分が消し飛ばされたのだ。
あまりに突然な事に詠唱を中断してポカーンとしているところに、シェーナさんが槍を横に一振りすると残りの半分が木に激突してK.O.
またしばらくして群れを見つけたので改めて詠唱しようと思った瞬間、突如俺達の目の前に巨大な魔法陣のようなものが出現。
なんだなんだ?と思ったら、メリルさんがどこからともなくバズーカのようなものをとりだして構えた。
いや、森の中で重火器はマズイでしょ!と突っ込む間もなく、魔法陣を通った銃弾が4発ハウンドウルフめがけて飛んで行った。
弾は見事全弾命中。水柱が起き、それを凍らせ、雷が砕き、風が爆風のように巻き起こった。
これを全て受けて原形があるのだから、このハウンドウルフ達も相当の強敵だったはずなのだろう。
ただ、相手がそれをかなり上回っただけという訳だ。俺が言えた台詞じゃないけど。
結局、俺は詠唱をしたかしようと考えただけで終わったのだ。
『ほら、何かやってただろ?』
「ただ単純に、あなたが一番気の毒だっただけなんだね」
おおう、よく分かってんじゃねえか(泣)。
「・・・・・・でも、これではユウスケの修業にはならなのではないんですの?」
「あ、そういえばすっかり忘れてた!」
俺の顔を見て思い出したようにシェーナさんが呟くと、メリルさんもようやくそのことに気付いたようだ。
ってか忘れてたんか!
まぁそうだろうな、何もやってないんだし!
「まぁ、どうでもいいけど・・・・・・どうするのお姉ちゃん?」
どうでも良い、と言いつつ姉に訊くあたり、ライナもそのことについて気にはしてくれているようだ。
しかし、完全に忘れてたらしい訊かれたメリルさんも腕を組んで唸るだけだ。
『正直、任務達成したんだし帰ってもいいんだけど?』
『いやいや、よく考えろ。彼女たちにこうして計画してもらったんだからそこは協力しないと』
『でもな~、ここが危険だってこと身を持って知っちゃったし・・・・・・』
『いやいや、居候している身としてそれは――――――』
やばい、自分の中の欲望と良心が言い争ってる!
「頭の中で1人会話できるとか器用な事できるね」
何かマホにさり気なく「ボッチだね」みたいな発言されているけど、気にする暇がない。
と、そろそろ自分自身が参入しないとまずくなってきたそのとき、
ドスンッ!と大きな地響きが鳴った。
「な、何が・・・・・・!?」
「・・・・・・あっ、そうだ!」
俺が1人で突然のことに動揺していると同時に、思いついたようにメリルさんがポンッと手を叩いた。
「・・・・・・え、な、何がですか?」
「ま、まさか・・・・・・?」
「お姉ちゃん、もしかして・・・・・・」
いつも通り、いや、いつも以上にうきうきしたような笑顔で俺達に頷いた。
・・・・・・・・・・・・なんか、嫌な予感がしてきた。
「そう!そのもしかして、だよ♪」
そんな上機嫌そうな声で答えると、後ろをくるりと振り向く。
彼女が振り向いた先には、巨大な苔だらけの巨人たちがひしめいていた。
次回。
ユウスケ君のトラウマ、さらに増えそうw




