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六十一話

 


 17地区で出現した鬼獣群は、津波と化して路地の各所を駆け巡っていた。

 その中には、新種鬼獣も含まれている。

 その路地の各所には、重火器類で武装した17地区の住民が偽装トーチカ、

民家の屋根、マンションやビルから鬼獣群に向けて銃弾を浴びせているが、鬼獣群の侵攻は止まる気配はなかった。

 鬼獣群と人間の死闘が一進一退で繰り広げられている17地区上空では、

 増援部隊の運搬や17地区空域の警戒を実施を行っているV-22 、UH-60J 、MH-6 が多数飛行している。

 それらの半数は、痛車の様に派手に漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたりしている。

 恐らく、全て一般人が所有しているのだろう。




 ステッカーなどを張り付けていないのも飛行しているが、こちらは日本国防軍

だろう。

 日本国防軍の前線作戦管制官と、17地区内を疾走している高機動多用途装輪車両ハンヴィー車両部隊は交信を行っていた。

「 『ウィンチェスター』より車両班、誘導ルートを表示した。しかしこちらからは路上の完全な安全確認はできない。オーバー」

 淡々とした声で告げる。

「 (了解したっ!! アウト)」

 その様な交信を続けてはいたが、地上では凄まじい戦闘が続いている。




 駄菓子屋「mo56」付近では、他地区よりやってきた第二派増援部隊の死社会人

 部隊が鬼獣群と戦端を開いていた。

 部隊は、世界各国から日本へとやってきた白人、ヒスパニック、アフリカや

 その他の人種の移民や難民で編成されている。

 永住権の許可の代償として、日本国のために血を流さなくてはならないのは、

 義務であり同然なので、あらゆる社会的、経済的階層の出身者で構成され

ている。

 彼彼女らは、これまで日本国が世界各国の鬼獣戦域に送り込んできた死社会人部隊とさほど変わらない戦力を備えていた。




 服装は、日本国民の様に迷彩服姿ではなく、頭部、顔面、頸部を保護する

ため、 戦闘用ヘルメットと フェイスマスク、アサルトスーツ、弾倉などの

各種装備を収納するポーチが 多数取り付けられているタクティカルベストとを

 着用している。

 フェイスマスクでどの国の地域の出身者なのかはわからないが、死社会人部隊の防衛ラインは確実に鬼獣群を阻止していた。

 M249やM240Gといったミニミ軽機関銃や、バレットM82、アキュラシーインターナショナル AW50、ダネル NTW-20などといったまったく統一性のない

世界各国で採用されている対物ライフル、M224 60mm 迫撃砲が雄叫びを上げている。

厳しい訓練を受けているためか、一つ一つの行動が戦闘熟練者を彷彿とさせる。




 その死社会人部隊の中で、薄汚れた迷彩服を着込みパンダの帽子を被っている

 男性住民がいた。

 その男性住民は、駄菓子屋「mo56」の店主だ。

普段は、いつも温厚な表情を浮かべているのだが、今は鬼の様な形相を浮かべて

いる。

「mo56」の店主は、を手慣れた様子でアキュラシーインターナショナル AW50

 の引き金を絞った。

 轟音と共に、吐き出された弾丸は新種鬼獣に命中する。

「ここは、俺の店だ・・・・!! 死んでも鬼獣なんかに壊させたりする

ものかっ」

 底冷えするような声で呟く。



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