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五十話

 

「この鬼獣跳梁跋扈海域の中央を、航路に選んだのは本官です」

 その時、横から渋い声が聞こえた。

 日本決死隊艦隊司令長官の男性と青白い貌の男性が視線を向けた。

 渋い声の主は、海軍勤務服を着込んだ外見モデル松田 優作形のアンドロイド

 オメガ800だった。

 この第一艦隊の航路計画を作成したのは、このアンドロイドオメガ800

なのたが、艦隊を危険な海域に誘導してしまったのか、と人間が抱く自負の念を

感じている様子だった。




「艦隊計画を承認したのは、この現場の最高責任者である、俺の責任だ」

 日本決死隊艦隊司令長官の男性が静かに応えた。

「それは違うぜ、須藤。俺達人間の責任だ、それに、西よりの航路を選んでも、鬼獣群と戦闘は避けられなかったはずだ」

 青白い貌の男性が、気にするな、と言いたげに外見モデル松田 優作形のアンドロイドオメガ800に手を振って見せた。




 まもなくして、上空を覆い尽くすほどの新種鬼獣の群れは、整然な編隊(!?)を維持しつつ第一艦隊上空に辿り着いた。

 新種鬼獣の群れはしばらく旋回を続けると、相手の動きを止めてめてしまうほど大音量の咆哮を発しながら、垂直に近い急角度で急降下を開始する。




「対空戦、目標、前方の新種鬼獣! 高射砲や機関砲、対空ミサイルだけでなく、主砲と副砲も動員しろっ!」

 日本決死隊艦隊司令長官の須藤と言われた男性が慌ただしく指示を送った。

 最初に火を吹いたのは、周囲の護衛艦の高射砲や高性能機関砲、対空ミサイル

 だった。




 そして、その次に火を吹いたのは、腹にこたえるような大和型戦艦の主砲などが

 猛然と巨大な炎を噴出させる。

 壮絶な対空砲火の壁は用意には突破出来ないはずだが、新種鬼獣の群れは、万難を非しても食らい尽くすという執念でもあるのか、 海面に叩き落とされても

雲霞の様に向かってくる。




 主砲、副砲、高射砲、対空ミサイルによる迎撃を突破した新種鬼獣の前に、

 高性能機関砲が最後の関門となって立ちはだかる。

 一隻、二隻ではない。

 全ての護衛艦があるだけの高性能機関砲を動員し、新種鬼獣の前に弾幕を張る。

 何十体(匹?)の新種鬼獣かは、弾幕に捉えられて緑色の液体を噴き出して、

 海面に突っ込んだりする。

 だが、墜ちない奴はまったく墜ちない。




 速度を落とす所か、さらに速度を上げて輪形陣の内側に次々突入する。

 一体(匹?)が一隻の護衛艦に衝突寸前まで接近すると、口から高出力な炎を吐き散らし灼熱の業火で包み込んでいく。

 灼熱の業火に包み込まれた護衛艦は、大爆発を起こして轟沈する。

 その光景は、至る所で見受けられた。




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