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二十六話

 

 後方へと進撃を開始した鬼獣の一部は、後方に配置された日本決死隊及び

 他戦区からの増援住民の部隊と交戦に突入した。




「来るぞっ、引きつけてから撃つんだ!!」

 頭に「必勝」と書かれた白い鉢巻を巻いていた日本決死隊の男性隊員が叫んだ。

 ここに配置された日本決死隊の隊長なのだろう。

 現にそれが命令なのか、その場にいる全員誰も発砲を行わない。

 彼らの視界に、まもなくして夥しい数の「ソルジャー」が 奇声を発しながら

姿を現し、それとほぼ同時に頭上から空気を引き裂く金属音が響き始めた。

 それらは、全て後方からの砲撃だった。



 砲弾は、「ソルジャー」の頭上に降り注ぎはじめた。

 立ち上る爆煙と砂塵のため一瞬だけ姿が見えなくなったが、「ソルジャー」は

 砲弾の中を掻い潜り、怯まず接近してくる。

 一つ一つの爆煙が天に届くように吹き上がる中、「ソルジャー」は怯まず接近してくる。

 その光景に恐怖を感じた誰かが、射撃命令を待てずに軍用小銃 FN SCARの引き金を絞る。

 すると、それにつられて、あちらこちらで一斉に射撃がはじまった。

 接近していた「ソルジャー」は、次々と挽き肉の塊りのようになって吹っ飛ばされる。


「馬鹿野郎っ、もっと、引きつけてから撃てよっ!! 露店主に高笑いさせたいのかっ!?」

「必勝」と書かれた白い鉢巻を巻いていた日本決死隊の男性隊員が怒鳴り散らした。

 誰も射撃を止めるはずもなく、凄まじい銃弾が「ソルジャー」に向けて

 浴びせられる。

 だが、「ソルジャー」は後から後から沸いて出てくるように姿を現す。




「くそっ、時代劇の悪党みたいにでてきやがって!! 相手する俺らの身にもなれよっ!」

 某映画で宇宙海兵隊の正式採用小銃をぶっ放しながら、男性住民が罵る様に

 叫ぶ。

 周囲では、鬼獣に対する怒りが激しく巻き起こっていた。

「隊長殿がなんか喚いてるぜ? 命令するまで撃つんじゃねぇ・・・だとさ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員がH&K MP5をぶっ放しながら告げる。




「しかたがないだろ、あんな化け物を駆逐しても、ここに建てられるのは

 ラブホとくれば、誰だって自棄になって命令なんて聞かないさ」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が応える。

「俺に言わせれば、ここにいる連中は青いな。彼氏彼女のいるリア充だって

 武装して闘っているといのうに・・・・。それに一人者と住む世界も価値観も

 違いすぎる・・・・第一わかってんのかよ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員が、不機嫌な表情を浮かべながら告げる。



「何がだよ」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が応える。

「そういうリア充がいるから、俺達みたいな一人者は道楽が出来るって事にだよ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員が告げた。

「どう意味だよ」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が怪訝な表情を浮かべながら応える。

「どう意味も何も・・・言った意味そのまんまだ。彼氏彼女のいるリア充共は、

 気合の入ったセックスをして子供を作って、この国の人口増加に貢献しているんだぜ? しかも、子供が出来たらその後は、養育費やら学費やら生活費やらなんやらと、俺達一人者には到底耐えられない仕事もある。

 そんな気苦労をしなきゃならんリア充共に「爆ぜろ」とか言うもんじゃないと

 思うぞ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員が告げる。




「お前、彼女いないのに、よくそんな意味のわからん事言えるな」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が応えた。

「いないからこんな道楽出来るんだよ、いていたら、誕生日プレゼントやら

 デートやら、買い物やら、プロポーズやら結婚式の事やら考えなきゃならんだろうが・・・、俺はそんなのは到底無理だ。そんな苦労があるリア充共を見たら

罵るより、両手を合わして拝んでやれ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員が告げる。

「・・・じゃあ、何かお前はそんなリア充を見たら両手を合わせて拝んでいるのかよ」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が、何処か馬鹿にした様な表情を

 浮かべて応える。




「当たり前じゃないか、特にクリスマスの時期は多く見かけるときあるから、

 片手拝みしながら歩いているぞ」

 ヘルメットにジャックフロストの画を描いている日本決死隊の男性隊員が平然と

 した表情で告げた。

「えっと……拝んでなんか言われないか?」

 MP5Kの弾倉を取り換えていた男性隊員が、何とも言えない表情を浮かべながら

 応えた。



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