十九話
フランキ・スパス12を受け取っている客の少し隣のカウンターでは、
三人組の男性客が商品を受け取っていた。
「まったく、メンテに出していたコレが戻ってきて運が良かったぜ」
体格の良い男性客が料金を支払いながら告げる。
カウンターの上には、M240機関銃が置かれていた。
「仕方がないさ。この際に17地区の隔離閉鎖している無差別戦闘地帯も
解放するって地区放送があったんだから」
左耳に髑髏のピアスをしている男性客が静かに応える。
その男性の眼の前には、コルト・ガバメントのコピーモデルをベースにした
自動拳銃のオートマグが置かれている。
「まったくどうかしてるぜ。立派な名称だが、あそこはラブホ建設予定地だって事は誰でも知ってるぞ。
何度か解放作戦実施されたが、そのたびに鬼獣群の激烈な反撃で国防軍は襤褸雑巾にされているというのに・・・・。人的被害を省みず積極的に攻勢させる
つもりか?。
幾ら、日本国民全員が空挺資格やレンジャー資格をもっていると言っても無理じゃね?」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる男性客が告げる。
その男性客の前には、回転式拳銃のコルト・パイソンが置かれている。
「17地区の鬼獣の一掃及び隔離閉鎖地帯の開放・・・。
こいつは、航空作戦「ナイアガラ」なんか眼じゃねぇ弾薬が消費されるし、
動員される人も多いんじゃないのか」
体格の良い男性客が、M240機関銃を確認しながら応える。
その男性客の表情は、憔悴している。
「お前、その例え古いぞ。ベトナム戦争ネタなんて今時わかるやつなんか
いないからな・・・、まぁ、どっちみちしばらくは酷い事にはなるんじゃないのか」
左耳に髑髏のピアスをしている男性客がそう告げながら料金を払い、コルト・
ガバメントのコピーモデルをベースにした自動拳銃のオートマグの確認をする。
「露店商はウハウハだな。そいやぁ、お前ら、メンテと改良したんだっけ?」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる男性客が料金を払いながら尋ねる。
「ああ、殺傷能力をちょっと改造してもらった。大型の鬼獣ならなんとかなる」
M240機関銃を担いだ体格の良い男性客が応える。
「俺のは、弾倉を増やしてもらった。ここの整備士は腕が良くて助かるぜ」
左耳に髑髏のピアスをしている男性客が同じように応える。
「そいつは頼もしいねぇ・・・、銃の改造とメンテナンスに浮かれている所、
悪い報告がある」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる男性客が神妙な表情を浮かべながら告げる。
「どうした、小型核爆弾でも買わせられたか?」
体格の良い男性客が尋ねる。
「それとも、ここの露天商にちくわを喰えとか言われたか?」
左耳に髑髏のピアスをしている男性客が応える。
「軍事レーションが全て完売し、今から売り出されるのはキャットフードとドックフードだ」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる男性客が静かに告げた。
「それを早く言えよっ!!この馬鹿っ」
体格の良い男性客が文句を言いながらM240機関銃を担ぎ、急いでドックフードとキャットフードを売り出されている売り場へと急いでいく。
「その商品も売り切れていたら、お前のせいだからなっ!!」
左耳に髑髏のピアスをしている男性客も、オートマグをホルスターに収めて
から、同じように急いでその場から立ち去って行く。
「売り切れたのはおれのせいじゃないぞ」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる男性客が、不機嫌な表情を若干浮かべながら、
コルト・パイソンをホルスターに収めて、のんびりと立ち去って行く。




