一〇七話
脱線し阿鼻叫喚が響いている現場に、十数後救援が続々と駆け付けはじめた
深刻な危機の現場に先鋒として辿りついた部隊は、彼の世界では現実ではまだ実用化にも開発にも至っておらず、もっぱらアニメなどしか登場していない戦闘機に乗っていた
それは『戦術歩行戦闘機』だ
機体の至る所に漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどった
ステッカーを貼り付けたり、塗装を行うなどして装飾しているため、恐らく一般市民が
所有しているものだろう
またそれらに混じって、IFAVやM1127 ストライカーRVと言った車種も混じっている
IFAから降り立った男性住民が、銜えていたたばこを地面に落とした
「嘘だろ?
まさか現場に駆け付けたら、こんな修羅場になっているとは・・・
義務じゃなかったら帰りてぇ・・」
そう呻く様に告げた
「心配するな それはここにいる全員が同じ気持ちだ!!
そんな事より後続の支援部隊が爆走しているんだ!! さっさと動け!」
IFAを運転している男性住民が怒鳴る様に応えながら、無線連絡を行う
「そっちは趣味丸出しの『戦術歩行戦闘機』に乗っかっている連中に指示しろよ!
まったく趣味に金を掛けられる奴らは羨ましいったら、ありゃしねぇ」
たばこを地面に落とした男性住民がぶつぶつ呟く
趣味丸出しと言われた『戦術歩行戦闘機』・・・
もちろん手野グループ製造販売している商品だ
「転移」した彼の世界でアニメなどで登場している機体で、その作品世界内では
「決戦兵器として開発され、様々な仕様の機体が研究・開発されている」などの細かい設定がある
乗り物 だが、どうやらこの世界では「消費者にいかにして銭を吐き出させ、兵器として使用して
もらうため手野グループの研究機関がほぼ趣味全開及び露店主の無茶な要望を叶えるために、
様々な仕様で開発された販売商品」の様だ
なお、値段はマニュアル付きの取り扱い説明書と一年間の整備保証付きで6円である
「突撃級と戦車級の『戦術歩行戦闘機』は、周囲の鬼獣を排除してくれ!!」
IFAを運転している男性住民が無線に向かって怒鳴る
『(こちら突撃級!! 了解した!
人間様の力を見せてやらぁ!!)』
何やらボカロらしき音楽を聴いているのか、それと共に返答が返って来た
『(あいあい、戦車級は全機迎撃態勢にはいるぞっと!!)』
もう一人はヘビメタ系の音楽を聴いているのか、それと共に返答を返してくる
「闘志級や兵士級の『戦術歩行戦闘機』は、救助に当たってくれ!!
万が一ヤバい鬼獣がひょっこり『ご機嫌いかが?」と貌を出して来たら対処できない!!
急いでくれ!」
IFAを運転している男性住民が怒鳴る様に無線で連絡した
手野グループには、製造できないものなんてないんですよ
・・・無いんだろうなぁ。




