九十九話
――――各隣県の急防衛指指定場所などが、情け容赦のない鬼獣との戦闘を繰り広げている
十七地区へと支援航空機の振り分けを行っていると説明したが、その中でかなり独特な輸送
ヘリも存在している
「普通の輸送ヘリに乗るという選択肢はないのか!?」
男性住民が口から泡を吹きながら喚いていていた
頭に被っているヘルメットには、『明日運転免許の筆記試験があるんだ。だからこっちに
来るな鬼獣!!』 という文字が書かれている
「しかたがないだろ!? それらは全部十七地区に出発した後だったんだから」
喚いている男性住民の隣にいた男性住民が顎をしゃくりながら応えた
そちらの男性住民が科ぶっているヘルメットには、『糞ったれな露店のお得意様』という
文字が書かれていた
「・・・真面目に『不安と絶望と失望の欠陥品商品、必ず墜落します輸送ヘリ』に進んで
乗りたいのかお前は?」
『明日運転免許の―――』の文字が書かれたヘルメットを被っている男性住民が真顔で尋ねた
「選択がないからしかたがないだろ? もう乗せてもらうもらう話はつけちまったし・・・
それとも ここから歩いて行くか? 15地区だぜ?」
『糞ったれな―――』という文字を書かれたヘルメットを被っている男性住民が応える
「俺は命が惜しいんだが? 鬼獣と戦って命を落とすなら良いが、ヘリで墜落して死にましたは・・・」
『明日運転免許の―――』の文字が書かれたヘルメットを被っている男性住民が、ヘリポートに着陸している問題のヘリに視線を向けながら告げる
「運が良ければ俺達は助かって、鬼獣と五体満足で闘える」
『糞ったれな―――』という文字を書かれたヘルメットを被っている男性住民は、何処か
達観したような表情を浮かべつつ応えた。
――――ヘリポートに着陸しているのは、大型輸送ヘリコプターのCH-47 チヌークだ。
機体には人気テレビゲームソフトシリーズで登場しているキャラクター達の画が描かれている
ここにはいない彼がそれを見れば、架空の街で生物災害が発生し、最後は消滅させられたあるゲームソフトを真っ先に思い起こす事だろう。
そして、そのシリーズを通してヘリが墜落するという展開がある事もだ
「今回はいつも通りの設定で?」
CH-47 チヌークの機体で何かを入力している男性住民が尋ねる。
その男性が被っているヘルメットには、『安心安全なヘリよりも、必ず墜落するヘリの方が面白いだろ?』という言葉が書かれている
「いつも通り空中分解しながら墜落パターンは、今回は無しで
そんなのに慣れていない客人が2人乗るからなぁ」
操縦席の方でアンドロイドオメガに、何かしら入力設定をしている男性住民が応える。
その男性住民は、ガムを噛んでいるのか口を動かしている
操縦席に座っているのはアンドロイドオメガだが、そのモデル形は人気テレビゲームソフト
シリーズで何かとコアな人気のあるキャラと悪役キャラだ
「しかし買えて良かったよ 手野グループが販売しているこの『不安と絶望と失望の欠陥品商品、
必ず墜落します輸送ヘリ』シリーズ商品。
他のメーカーだと、予定していた場所に墜落する設定しても落ちないしなぁ・・」
『安心安全なヘリよりも―――』と書かれたヘルメットを被っている男性住民が告げる
「まったくだ。 その分手野グループ製品はきっちりと墜落してくれるし、細かい設定入力も
出来るし最高だよな」
ガムを噛んでいる男性住民が頷きながら同意する
「手野グループの製品を買ったら、もう他のメーカー商品は使えねぇわ・・。
あと、あれだ墜落しないヘリに乗ったら物足りないんだよなぁ・・」
『安心安全なヘリよりも―――』と書かれたヘルメットを被っている男性住民が、CH-47 チヌークの機体を触りながら告げる
「それもわかる 前に墜落しないヘリに乗ったんだが何事もなく目的地に到着した時、すげぇ
物足りなかった・・・」
ガムを噛んでいる男性住民が応えた




