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ハッピーエンドの法則   作者: ツンデレ
8/8

act 7

デートした、帰り際、必ず乃亜の口からでてくる言葉。

なぜか、分からないけれど、鉄哉の頭の中に浮かんだ。


車の助手席は、この三年間、乃亜の専用席だった。

金曜日の夜、乃亜を隣にのせて、いつも自宅へと連れ帰るのが、楽しみだった。

どれだけ、その日が仕事で忙しくても、彼女の顔をみるだけで、全部、帳消しにできた。


乃亜の左手首につけていた香水は、鉄哉が付き合って一年目のクリスマスに贈ったプレゼント。

その香が、今もまだ、車の中に残っている。

学生時代、付き合いだして、初めて呼ばれた呼び名は、今もまだ変わってない。



周りと、ほんの少しでも違った所が欲しいという、ほんの些細な、乃亜の我侭だった。


乃亜の我侭は、時に、大きくなって自分を悩ませる事もあったけれど、いつだって、乃亜に救われたのは、まぎれもなく自分。


胸の中に思い浮かぶ感情は、全て乃亜を恋しがるもの。

後悔しても、今更遅いのは分かっているのに、その感情を、哲也は、制御できない。




「乃亜」

いつだって、そうやって、彼女を呼ぶのが好きだった。

初めて、彼女の事を、苗字ではなく、名前で呼んだ、あの時……哲也は、確かに幸せだった。









てっちゃん――――――。


「ごめんなさい、先生」

哲也ではない体が、自分を抱きしめる。その手を、乃亜はゆっくりと拒んだ。


すがりそうになる。でも、望んでいるのは、この人じゃない…・・・。

乃亜の手が、くしゃりと、椎名の白衣を掴む。

簡単かもしれない。甘えてしまえば。

でも、自分が甘えたいのは……この人じゃない。


恋しいのは……。



ゆっくりと、乃亜は、首をふった。


「てっちゃん……」


恋しい……。恋しくて、たまらない・・・・・。




……To Be Continued…

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