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異世界版殿様コース

七並べに勝ったご褒美として、私は考えた結果、次回日本に行く時に、JINさんに熊本のデパートへ行ってもらうことにした。


日本にいた頃、パパと加古川へ行く用事があり、ランチを食べる時、ルペールというお店でステーキランチを食べたことがある。


おいしいお店も分からず、Google先生に「おいしいステーキランチ きれいめ」と条件を入れたら教えてくれたお店である。


お店は個人経営の小さなお店で、店主さんと若いバイトの女の子の二人だった。


予約なしで入ったのは、私たちくらいだったと思う。


その時、「想い」という三千八百五十円のランチをいただいた。


・黒ゴマ豆腐

・サラダ

・耐熱ラップで作る鍋

・肉にぎり

・熊本県産プレミアム黒毛和牛ステーキ

・焼き野菜

・ごはんとみそ汁

・デザート


口に入れるものが全部、最高のお味だった。


たまにあるじゃない?


素材は最高。でも味付けはおいしいけど、少し好みじゃないな……とか。


それが一切ないの。


全部おいしい。


黒ゴマ豆腐のおだしが残るたびに、「これ、ズズッとすすれないかな?」って何度か思ったくらいだった。


パパと、「これ、ホテルの鉄板焼き屋だったら一万円以上のランチだよね。この値段で出せるのありえないよね」って話してた。


パパも私もそれなりの歳だし、記念日には少し高いお店で食べたりする。


パパにいたっては、仕事で食べたこともないようなお高い料理をごちそうになることもある。


そんな私たちが思う三千八百五十円の予想のお味を、はるかに超えていた。


あの時、メニューの隣のページに「一万円の贅沢ランチ」と書いてあったんだけど、三千八百五十円であのお味。


一万円のコースはどんなのよ~って、ずっと気になってた。


日本での心残り(笑)


ということで、JINさんが次回日本に行く際に、熊本の鶴屋というデパートへ行き、ルペールで使われていた「和王」というお肉を見てきてもらうことを、優勝のご褒美としてお願いしたのである。


ヒューゴにルペール店主さんの技術をインストールしてもらい、その技術をもとに最高級食材を使った異世界版殿様コースを作ってもらうのである。


土曜日。


「ばっちり和王、見てきました」


と、JINさんからメール。


明日は、異世界版殿様コースで決定!!


ルペールヒューゴが、明日のメニューを提案してきた。


殿様コースにこだわらず、最高級食材を使った異世界版殿様コースにしてくれと、ヒューゴにお願いしてある。


デザートは、ルビーロマンとYAYOI TOKYOの大塚シェフの技術を組み合わせ、世界最高のピスタチオジェラートにしてくれとも伝えてある。


そして、ヒューゴが提案してきたメニューがこちらである。


【異世界版 殿様コース】


◆前菜

・ルペール特製 黒ごま豆腐

・彩り夏野菜のサラダ

・北海道産生ウニのコンソメジュレ

・フランス産オシェトラキャビア

・フォアグラのソテー バルサミコソース


◆お造り

・本マグロ大トロ

・のどぐろ炙り

・車海老

・北海道産帆立貝柱

・本日の白身魚


◆肉にぎり

・熊本県産プレミアム黒毛和牛「和王」イチボ

・熊本県産プレミアム黒毛和牛「和王」ハネシタ


◆鉄板焼き

・伊勢海老

・活鮑

・夏野菜の鉄板焼き


◆メイン

・熊本県産プレミアム黒毛和牛「和王」サーロインステーキ

・熊本県産プレミアム黒毛和牛「和王」ヘレステーキ


◆お食事

・和王の牛脂で仕上げたガーリックライス

・赤だし

・香の物


◆デザート

・ルビーロマン

・ピスタチオジェラート


◆お飲み物

・レモン入りペリエ


◆食後

・紅茶


明日がとても楽しみだ。


翌日の日曜日。


今日は異世界配信の日なので、多目的ホールをルペールにしてもらい、カウンターからライブ配信である。


ルペールヒューゴの出来たてほやほやの料理をいただきながらのライブ配信。


JINさんは自宅からライブ配信を見ながら、異世界の神の力でコピーした同じ料理を食べている。


コメントで返事をしてくれている。


食後。


「JINさん、私が勝ってよかったでしょ。こんなおいしいお食事いただけたんだもの」


JIN

「ほんとおいしいです。でも次回はどうしても勝ちたいです」


あら、JINさん、負けず嫌い? と思っていたら──


JIN

「いや、どうしても食べたいです。理美さんの茶色弁当……」


何言ってんだ? この人。


「JINさん、私の茶色弁当とは天と地ですよ」


JIN

「そうですよね。理美さんの茶色弁当と比べたら、ルペールの殿様コースといえど、天と地ですよね……」


二人の意見は、似ているようで天と地ほど違う内容である。


JINの理美への推し愛は、不滅である。


好き過ぎて滅!!!

加古川方面へ行く機会があれば、今度こそルペールの殿様コースを食べてみたいです。

あ、ちなみにJINさんが食べたがっている「理美の茶色弁当」については、『異世界生活十五日目』をご覧ください。BY作者

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