500 Re:シルダートのダンジョン ⑬
種族:イリュージョンフェアリー(リーフェ)
種族特性
【幻妖精】【空属性適性】【空属性耐性(中)】
【精神耐性(大)】【フェアリーステップ】
【イリュージョンチェンジ】【貫通幻夢】
【魔法制御】【気配感知】【飛行】
【隠密】【アイテムポケット】【使徒】
エクストラ
【ランクアップモンスター】
スキル
【サイコカッター】【バリアー】
【スリップ】【スペースカッター】
称号
【ジンジフレの加護(使徒)】
装備
・偽装擬態のネックレス
名称:幻妖精
効果
・一日に一度だけ致命傷を受ける時、自動で幻と入れ替わり回避する。
・一日に一度だけ短時間に限り、あらゆる感知系スキルから逃れる。
・またこのスキルは、以下の幻属性スキルを内包している。
【幻属性適性】【スリープ】
【フィアー】【幻物】【幻変装】
【ナイトメア】【ペイン】
「あの蟹を倒してきてくれ」
「うん~わかった~!」
俺がキングマッドクラブを指さして言うと、リーフェは笑みを浮かべて向かっていく。
ついでにラージマッドクラブが補充されていたので、こちらは新たにマッドウォーリアーを召喚して相手をさせる。
さて、リーフェはどのように戦ってくれるだろうか。
「いっくよぉ~! えいえ~い!」
「ギシャッ?」
すると早速、リーフェが動く。半透明な斬撃を飛ばした。サイコカッターだ。
名称:サイコカッター
効果
・半透明な幻空属性の斬撃を飛ばす。
・相手を一定の確率で狂乱状態にする。
ダメージ自体はほとんど与えられていないが、重要なのは副次効果だ。
しかしキングマッドクラブには精神耐性(中)があるので、なかなか狂乱状態にならない。
そうしているうちに、キングマッドクラブも反撃に出る。
「わわっ! あわあわ~!」
「ギシャシャ!」
バブルボムが、リーフェの周囲に展開された。
けれどもリーフェはフェアリーステップを発動し、一瞬でキングマッドクラブの背後へと転移する。
名称:フェアリーステップ
効果
・一時的に自身を幻に変え、短距離間の連続転移を可能とする。
・発動中はあらゆる物理干渉から逃れる。
・発動中は攻撃行動をとることができない。
・発動後は使用した時間に応じて、リキャストタイムが発生する。
「こんどは、ぜったいきくよ~!」
「!!??」
そして同じようにサイコカッターを放つが、先ほどとは違う。一発で効いた。
なるほど。貫通幻夢を使ったのか。
名称:貫通幻夢
効果
・発動することによって、幻属性に対する相手の耐性を貫通する。
・耐性貫通力は、込めた魔力量に依存する。
・このスキルは、一日に三度使用することができる。
貫通幻夢を使えば、多少の精神耐性を持っていても意味がない。
実際キングマッドクラブは、狂ったように暴れ出し、ハサミで自身の頭部を殴り始めた。
「ギシャシャ!!?? ギシャッ! ギシャアアア!!」
やはり狂乱状態は凶悪だ。暴れて自傷行為まで始めてしまう。
そして狂乱状態は、大きな隙にも繋がる。リーフェはここで、追撃に出た。
「つぎは、すごいよ~! えいえ~い!」
「ギシャアア!?」
リーフェが次に放ったのは、空属性魔法のスペースカッターだ。
透明な斬撃が、無数に飛んでいく。
名称:スペースカッター
効果
・半透明な空属性の斬撃を飛ばす。
・対象の硬度と物理耐性を無視する。
見た目はサイコカッターとそっくりだが、全くの別物だ。
あれほど硬かったキングマッドクラブの肉体が、斬り刻まれていく。足も斬り飛ばされた。
物理耐性の高いキングマッドクラブには、まさに天敵となるスキルだ。
魔法耐性があっても、リーフェの魔力量なら押し切れてしまう。
なにより空属性耐性がなければ、完全に受けきるのは難しい。
スペースカッターは、想像以上に強力なスキルだった。
「ギシャシャ!」
「えへへ~むだむだ~!」
ダメージを喰らったことで、狂乱状態からある程度復帰したようだ。
ウォーターランスや泥弾で反撃するが、リーフェのバリアーで全て遮られてしまう。
「ころんじゃえ~!」
「ギシャッ!?」
更にここで、リーフェはスリップの魔法を発動する。
名称:スリップ
効果
・対象を転倒させる。
シンプルな効果であり、下級空属性魔法ということもあって抵抗もされやすい。
しかし未だ狂乱状態から完全には抜け出せず、足を数本失っていては防げなかった。
なによりスリップは、状態異常ではない。耐性を持っていても無意味だ。
結果としてキングマッドクラブは、その巨体で転倒してしまう。
周囲に沼の泥水が飛び散り、波を生み出す。
「わ~い! た~のし~!」
そしてリーフェは無邪気に虫をいたぶる子供のように、キングマッドクラブで遊び続けた。
この日俺は、妖精種の純粋な邪悪さを知る。リーフェもまた、その妖精種なのだ。
サンがあれだけ苦戦していたキングマッドクラブが、全く相手になっていない。
これまでリーフェにはあまり戦闘をさせていなかったが、普通に強かった。
Aランクモンスターの中でも、上位に位置する。
リーフェの前では、生半可な精神耐性と物理耐性は意味をなさない。
硬くて大きなキングマッドクラブは、リーフェにとっては的でしかなかった。
サンのときのように、自切再生で逃げる隙も無い。
なによりキングマッドクラブから見て、リーフェは小さすぎる。反撃するにしても、狙いが定まらなかった。
「ギ……ギシャ……」
「わ~い。かった~!」
そうしてキングマッドクラブは、リーフェに為す術もなく敗北する。
「色んな意味で、凄かったな」
「にゃぁん」
「ガァ、まじやばたにえん」
キングマッドクラブが倒れたことで、眷属のラージマッドクラブたちも消えていった。
俺もハイサハギンと、マッドウォーリアーたちを送還しておく。
「ごしゅ~かったよ~!」
「ああ、よくやった」
「えへへ~!」
そう言って無邪気に笑いながら、リーフェが俺の周りをクルクルと飛んでいた。
するとキングマッドクラブの死骸の前に、大きな宝箱が現れる。
ダンジョンボスを倒した先にある物と、酷似していた。
なるほど。こちらも代わりが用意されていたのか。
ダンジョンの最奥が封印されていることで、そこの宝箱も取れなくなっている。
ダンジョンボス級のシークレットモンスターを倒せば、報酬も同等ということだろう。
とりあえず宝箱は一旦放置して、先にカード化を済ませることにした。
キングマッドクラブの死骸に向けて、カード化を発動させる。
巨大な肉体が光の粒子になって、俺の手元に集まってカードに変化した。
「よし、キングマッドクラブ、ゲットだ!」
「にゃんにゃにゃん!」
「ゲットだしっ!」
「げっとと~!」
俺の言葉に合わせて、配下たちも続く。三体もいるので、いつもよりも騒がしかった。
リーフェにボロ負けしたキングマッドクラブだが、強いことには変わりない。良いカードを手に入れた。
そうして次に宝箱を開けようと思ったとき、俺はあることに気が付く。
「あ、あれはまさか!」
「にゃん?」
「ガァ?」
「どったの~?」
俺は配下たちの疑問の声を無視して、そこに駆け寄った。
「は、ははっ、まさかこれが残っているとは!」
思わず歓喜する俺の視線の先には、キングマッドクラブのハサミが落ちている。
そう。自切再生で囮になったハサミだ。
なんとカード化しても、変わらず残っていた。つまりは、食べても消えることはない。
「これはすごい。生成系と同じ扱いということか!」
爆発に巻き込まれて多少ズタズタになっているが、大部分は無事だった。
ならキングマッドクラブに自切再生を使わせれば、無限にハサミと足が手に入る。
流石に蟹みそは無理だろうが、それだけでも嬉しい。
キングマッドクラブには悪いが、今後は蟹の供給源になってもらおう。
そう思いながら、一旦ハサミをストレージに収納しておく。
時間があるときに、ジェイクに調理してもらえないか訊いてみよう。
そのときにはプリミナたちにも、キングマッドクラブを振る舞う予定だ。
これだけの大物だし、みんなで食べた方が旨い。
今後はいくらでも補充できそうだし、その方がいいだろう。
そして次に俺は、宝箱の方に向かう。中からはいったい、何が出るだろうか。
本編が500話を突破しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
500話、本当にここまで来れるとは……。
半分の250話辺りが、船のダンジョンという事実。
つい最近に感じるのに、そんな前の話に……。あっという間でしたね。とても感慨深いです。
そういうわけで引き続き【モンカド】をよろしくお願いいたします。
あと章終わりに、今回も記念SSアップしますね。
乃神レンガ




