Phase:1
「よし、ネットワーク設定完了! じゃあやっちゃいますか!」
VRポッドの中はリクライニングチェアのようになっており、頭の位置にバイザーのようなものがついている、説明書によるとこのバイザーで脳との情報をやりとりするらしい、まぁとりあえず起動しちゃいましょう。
ポッドに入りバイザーを被る(といっても頭にピッチリくっ付く訳ではなく、少しだけ空間があいている)、右手近くにある起動スイッチに触れるとバイザー内面にVR社のロゴが表示された後視界が暗転・・・
『ようこそ、マキナティクス - ワールドへ』
おお~! 気がつくと真っ白な空間に座っていた、視点はVRポッドの中からのような感じだ、バイザー部分がなく、ポッド内面がディスプレイのようになっている、なんかコクピットみたいでかっこいいな。
『私は皆様のキャラクター作成の御手伝いをさせて頂くAIとなります。』
おお、なんか本格的だ!早速やってみよう・・・・・・
結局作成したキャラはリアルとあまり変わらない、変えたのは髪の色と目の色、ともに暗い青色にした。
体格や身長などを変えすぎると動きづらくなる可能性がある(時間とともに慣れるらしいが)とのことだったので、手っ取り早く変えられるところだけにした。
『キャラクターネームのほうはいかが致しましょうか?』
どうしよ、ココもリアル基準・・・は流石にまずいよな、アバター基準にしよう。
髪の色からとって・・・青・・・ラピスラズリ・・・ラズリ・・・ラズールとか?うん、いいかも
「ラズールはどうかな?」
『大変宜しいかと思われます』
お、大丈夫みたいだ、ダブってるとダメとかあるんだろうな、一発で決まって良かった良かった。
『次に初期装備についてなのですが、12種類からお選びいただけますが、いかが致しましょう?』
あ、初期装備って選べるんだ・・・まぁみんな同じだと代わり映えしないもんね、じゃあどうしようかな・・・、ふむふむ、旧式プラントにも種類があると・・・、マキナも少しずつ違うみたいだ、服装なんかも選べるのか・・・これキャラメイクこだわる人は凄い時間かかるんだろうな、まぁパパッと決めちゃいますか、服装は・・・、白衣とシャツ、あとジーンズで、プラントは円盤型に、マキナはどうしようか・・・
うん?ランダムとかあるんだ・・・へぇ、なになに?ランダムを選択した場合その後の変更は出来ませんとな?ほうほう、これはなかなかリスクが高いようだが・・・コレを選ばないヤツは男じゃない!
『スキンは白衣とシャツ、ジーンズのセット、プラントは円盤型、マキナはランダムで宜しかったでしょうか?』
「うん、それでいいよ、間違ってない」
『では、キャラクター作成はこれにて終了いたします、それでは良いメカニックライフを』
おおっ? 再び視界が暗転・・・
目が覚めるとそこにあったのは艦長室のようだ、目の前のテーブルにはディスプレイが付いており、沢山の情報が並んでいる、振り返ると窓があり、明るいプラントと宇宙空間の暗い世界が広がっていた。
『ラズール様』
「うおっ!ビックリしたぁ!」
艦長室のほうに視点を戻すとそこには丸いボールにカメラアイの付いたロボットがこちらをみていた。
見た目は「SPAAAACE!」とか叫びそうなロボットに似ている・・・
『私はラズール様のライフサポートを担当させて頂きます、生活補助用マキナ、PX-603と申します』
ほほう、これが生活補助用マキナってヤツか、なかなか良くできてるなぁ、説明書を読んだ限りではこの生活補助用マキナが船の管理や他のプラントとの通信など、他にもいろいろなことが出来るようで、現実でいうスマホの超強化版みたいなものらしい、にしてもかなり便利だなこれ
「ふんふん、とりあえず何から始めようかな・・・」
『ラズール様、現状このプラントは最低限の稼動しかしておりません、まずはプラントの本格的な稼動から始めるのが宜しいかと』
ピコン!という音とともに視界の端にクエストアイコンがポップする、
クエスト名「プラントを稼動せよ!」
「ふんふん、じゃあどこからやればいいかな」
「プラントの稼動作業自体は私のほうで行えますので、ラズール様にはこのプラントの設備について知って頂ければと思います」
なるほど、施設の把握をしろってことか、まぁどんだけ優秀な設備があっても使わなきゃ意味無いもんね、とりあえずこの施設がどのぐらいのもので何が出来るかを把握しろって事か、なんか子供のころやった工場見学を思い出すなぁ・・・・・・
『ラズール様、これにてこの施設の稼動状態は通常の状態に回復致しました。』
うわぁー、すんごいなこのゲーム、これは従来のVR機器で出来ないのも納得だ、なんてったって情報量の多さがとんでもない、このプラントだけでもかなりのものだぞ、これで旧式って事は新型になったらどうなるんだか・・・、
まぁやりすぎてマシロ君を置いて行っちゃうのはどうかと思うし、今日はこのあたりで止めておくか・・・
えーと、明日が土曜日か、マシロ君のお迎えにいかないとな・・・