11-覚醒の儀式です!主人公は次回です!
「………。」
「いや、まあ……そういうこともあるさ、だから、その……元気だしなよ?」
「そうだぜ雲母、気にするなって…………な?」
「………。」
俺は今、自身の身に起きたことに凹んでいる、自分でしてしまったこととはいえこの状況はしばらく立ち直れそうにない。
「それにしても、あれだけ似合っていたからそういった素質があるとは思っていましたけど、まさかねえ………。」
「かわいいです雲母様。」
「………。」
エリシャとイリスの言葉に、俺の心がさらに沈んでいくのが感じられた。
「元気をだしなさい、今の雲母には邪魔な『人の耳』が消えて新しく立派な『猫耳』が生えてて、さらに『しっぽ』まであるなんて、今の雲母は凄く可愛いわよ♪」
そう、髪の毛で隠れてはいるが、今の俺には本来あるべき場所に耳が無いのだ、そして、代わりに頭の上に『黒い猫耳』と腰の辺りから『黒い尻尾』が生えていたりする。
「………なんで………。」
俺はそこで一度くぎり、そして………。
「猫がいるんだよーーーーーーーーー!!」
今の状況を作った原因に向かって、あらん限りの力で叫んだ。
「にゃあ?」
~~~数十分前に戻ります~~~
「それじゃあ、儀式を始める前に説明をしておくわね。」
エリシャの部屋から出た俺たちは、お昼になっていたので昼食をとってから、エリシャ達に連れられ、儀式用の魔方陣がある部屋に到着し、これから、儀式を行うために何をするのか説明を聞いている。
「まず順番としては、魔方陣の中心まで行ってもらいます、その後儀式用の呪文を唱えて始めていいか聞きますので良ければそのまま儀式を始めます、儀式が始まりましたら皆さんは意識を自身の中へと集中してください、そしたら、何かしらの反応が起こるはずですので、成功しましたら皆さんの武器と防具が出てきますので、それで儀式は終了です。 ただ、儀式が行えるのは一人につき1回しか出来ないので、失敗しないように儀式に集中してくださいね。」
「武器だけじゃなくて防具も出るのか?」
「ええ、この儀式で出てきた武器と防具は普段はエクルの中に収められています、必要なときにキーワードを言えばエクルの中から出てきて、着ている服と入れ替わりますので便利ですよ。」
「へ~、いちいち着替えなくていいなんて便利だね。」
「俺様の体格に合わせた防具を探すのが面倒だなと思っていたが、簡単に手に入るうえに面倒な着替えもしなくていいなんて最高だぜ!」
「説明も終わりましたし、そろそろ始めましょうか。 最初は、どなたからいきますか?」
「おう! まずは、俺様からいかせてくれや。」
八代が先頭をきって名乗りを上げ、魔方陣の中央まで歩いていった。
「準備はいいですか?」
「頼むぜ!」
「では、始めます。 イリス、サポートお願いね。」
「はい。」
エリシャが目を瞑り意味がよく分からない呪文を唱え始め、イリスもそれに続くように唱え始めて、次第に魔方陣から光があふれてきた。
「………。」
八代も目を瞑り、少しずつ光が部屋を満たし始めた瞬間、突然八代を中心に光がはじけた。 あまりの眩しさに、目を瞑りなんとかやりすごし、光が収まるのを待ってから目を開き八代の方を見たところ、
「「「「………。」」」」
3倍速か?
「おおお! すげーなこれ!」
自分の武器と防具にご満悦なのか、出てきた武器を振り回しながらガチャガチャと鎧の音をならしながら走り出してしまった。
「神聖な儀式用の部屋で走り回らないでください!」
エリシャが最初に八代の防具に対しての現実逃避から正気に戻り、八代に注意したところ、しぶしぶながら走り回るのをやめこちらに戻ってきた。
「それにしても……赤いですね。」
「赤いな。」
「赤いね。」
「赤い。」
そう、とにかく赤いのだ。 全身を覆う重鎧にフルフェイスの兜、さらに、持っている武器……多分ハルバートって名前だったかその武器まで刃の部分以外、その全てが赤一色に染まっていた。
「姿見の鏡とかないか? ちょっと首とか動かしにくくて見えないんだよな。」
「イリス、持ってきてあげて。」
エリシャの言葉にうなずいて、部屋の奥のほうから全身が写りそうな大きな鏡を運んできた。
「ほほ~~こいつは………。」
八代は、しきりにうなずきながら、色々なポーズを決めたり、武器を構えてみたりしながら鏡の前から離れようとしないので、このままだと進みそうにないからほおって置くことにしよう。
「いいんですの?」
「いいんだよ。」
あんなのに付き合ってたら日が暮れてしまうだろ。
「それでは次は、司様お願いできますか?」
「そうですね、雲母が最後の方がおもしろそうだし、俺が先にいきましょうか。」
「おもしろそうって何だよ?!」
「そのままの意味だよ、それじゃお先に。」
「おっおい!!」
そのまま魔方陣の中央に行ってしまう司。 何がおもしろそうだだ、俺はなにごともなく終わってほしいぞ。
「それでは、始めますので。」
八代の時とほぼ同じように進んでいったのでとばさせてもらおう。あえて違った点を言うなら、司が魔方陣の中央に立ったのを見てから俺はすぐに目を瞑り後ろを向いて光をやりすごした点だけだな。
「へ~~、好きな色だしかなり動きやすくて良いねこれ。」
「「「………。」」」
勇者が現れた!
「今度は白いですね。 中鎧ぐらいでしょうか? 武器も幅広のロングソードって、勇者のお話に出てきそうな装備ですね。」
「髪が金、目が青。」
「なあエリシャ、司の目と髪の色が変わっているんだが?」
「あれは、司様の力が大きいからですね。 特別ちからが大きい方の中には、ああして魂の中の一部が表に出てきてしまうんです。」
そういうのは先に言っておくべきだろ。
「なあ八代、司のあの姿どうおも………ってまだ鏡の前にいたのか。」
「ん? おお、司も髪と目の色が変わったんだな。」
司も?
「もしかして、八代も変わっているのか?」
「ああ変わってるぜ、ちょっと兜が邪魔でみえにくいが、隙間から両方真っ赤に染まってるのが見えてるぜ。」
「八代様も変わっているなんて、さすが、勇者様たちですね。」
女神の奴、召喚される人間はちゃんと相当な力を秘めてる奴を選んでるんだな。
「ってことは、俺も姿が変わるのか?」
「その可能性は大きいですね、記録に残っている限りでは、今まで召喚された勇者様は皆、姿が変わっていたそうですから。」
それは確実と言わないか………。
「まあいいか、それじゃ最後は俺だな。」
「ええ、お願いします。」
俺は、儀式を行うため魔方陣の中央まで歩いていき、エリシャに始めてもいいとうなずいて返事をし始まるのを目を閉じて………、
何事も起こらないでくれ!!
これ以上の面倒が起こらないことを祈りつつ儀式が始まった。
趣味が出てきてしまいました羊です。
本来なら、雲母ちゃんの分も終わらせてしまいたかったのですが、長くなりそうでしたので一度くぎらせてもらいました。
次回でいよいよ雲母ちゃんの秘密?が一つ本人にだけ明らかになりますので、ぜひとも読んでいただけるとうれしいです。
ps:鈴つきリボンと言えばネコミミだよね?