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セブン  作者: 明るいあかり@ユリ
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13/18

ⅩⅢ

「何のマネだ?」

エータは、己が思うままに発言した。

両の手の疑問が解消されても、その片方が新たな疑問を生む。

向けられた鉄の塊の意味が、エータにはわからない。

「命令されました。お嬢様を殺せ、と。」

「……なるほどな。クソ親が考えそうなことだ。だが、オレはエータだぜ?オレを撃つのか?」

納得した素振りをしてみせても、わからない。

「その体はお嬢様の体でもあります。」

妹のことを好いている男が、この体に銃を向けることが、兄にはわからない。

「お前…シークのことが好きなんだろ?好きな女を手にかけるつもりか?」

「ふ…。」

エータの考えがまとまる前に、セッテは銃口を上に向けた。

「そんなわけないでしょう。」

セッテが捉えたモノ。

それは、この部屋の灯り。

部屋を照らす、小さな小さなシャンデリア。

「すみません。貴方に状況を飲み込んで頂くために、先程のようなマネをしました。どうか許して下さい。」

セッテは、淡々としていた。

一度覚悟をしたからには、それを成し遂げる。

その思いから、彼は落ち着いていた。

『わからない』は理解に繋がる。

「銃声と、このシャンデリアが割れる音が合図となっています。部下たちが屋敷の電気を全て落とします。その混乱に乗じて…逃げ出しましょう。」

だが、また、わからない。

エータにはわからない。

何故、セッテがそのような決断をしたのか。

今まで見てるだけしかできなかった男が、何故決断できたのか。

わからない。

「セッ、テ……?だがそんなことをしたらお前が、」

「わたくしは、もう、」

その『わからない』も、

「何もできないのはイヤなんです…!」

理解へと、繋がる。

セッテの言葉には、彼の思惟が全て含まれていた。

十年の歳月を経て、彼は決断した。

外道な主の命令が、彼に決断をさせた。

シークへの想いが、彼に決断をさせた。

今までの彼は単純だったかもしれない。

逃げるという行為自体も、単純な考えかもしれない。

だが、決めた以上、男として、やり遂げる。

そのセッテの思いを、エータは理解した。

そしてセッテは、引き金を、引いた。

響き渡る音が一つ、二つ。

銃声が鳴り、シャンデリアを砕く。

それとほぼ同時に、屋敷から光は消えた。

男は、想い人の体をした男の手を引く。

「心配しないで下さい。軍人は暗闇に慣れていますから。」

部屋を抜け出し、長い長い廊下を渡る。

ざわついた声が、二人の耳に入る。

だが、そんなモノは気にしない。

走って、走って、走って。

逃げることだけに集中して、彼らは走る。

「何だ、何が起こった!?セッテは成功したのか!?」

慌てる主の声が大広間にこだまする。

二人は主に別れも告げず、ただ、走る。

「アナタ、あの子がいないわ!それにセッテも……セッテの部下達は何をしているの!?」

食堂で主の妻が叫ぶ。

二人は主の妻との別れも惜しまず、ただ、走る。

走って、食堂を抜けて。

走って、階段を下りて。

走って、エントランスを抜けて。



二人は、屋敷の外に出た。

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