表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/39

後日談、

あれ、投稿してなかった・・・・・・?


「ここは・・・・・・」


 目を開けると見知らぬ部屋に寝かされていた。いや、でもこの匂い。最近嫌というほど嗅いだ気が―――ああ、病院だ。ここ。

 結局、どうなったんだろうな、俺。美夏と殴りあったとこまでは覚えてるんだけど、そっから先はぼやーっとして何も思い出せないんだよな。というか今もぼーっとしてるし。

 ―――――コンコン

 ん?


「失礼しま・・・・・・っ!」

「え」

「・・・・・・神林さん・・・・・・」

「お、おはよう」

「はい、お加減は?」

「え、ああ。まあ、悪くないな。うん」

「そう、ですか・・・・・・」

「ああ・・・・・・」

「・・・・・・はい」

「・・・・・・」

「え、ええええ!?何でメアがいる!?」

「え、えと・・・・・・その、ナースセンターに連絡しますね」

「華麗にスルーした!」


 特に驚く様子も無く備え付けの電話でナースステーションに連絡をいれるメア。メアは全然平気みたいだけど、こっちからしたら夜の街で追いかけっこの途中で撃たれたら、次に会ったときには看病されてた。飛躍しすぎだろう

 

「なあ、メア」

「ごめんなさい」

「ごめんって・・・・・・なんなんだよ」

「検診が終わり次第、今までのことを話します。それまでは、すいません・・・・・・」


 どういうわけなんだ?


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


「ということで、現状に至ります」

「なるほど、な」


 医者の検診が終わり、メアが今までの出来事を一通り話してくれた。

 ――――メアと仁たちがやりあったこと、俺が攫われたこと、メアと仁と警備隊が共闘して青柳を追い出したこと、そして俺が『鬼』に犯されて大暴れ。メアにフルボッコにされて病院送りになったこと・・・・・・

 なるほど。大体の事情は理解した。

あと、特に怪我が酷かった美夏と俺は緊急入院することになった。俺は3日間眠って今日目が覚めたが、美夏は一昨日目が覚めたという。全身に擦過傷、切り傷、打撲。骨折した箇所もあったのに驚異的な治癒力で走り回れるくらいには回復したらしい。さすが美夏だ。軽く人間やめてるだけはある。


「神林さんも外傷は自体はもう完治しています。しかし問題は内側のほう、つまり『鬼』の方が問題でして」

「鬼、か。話を聞く限りD・PRGとは別物って感じだな」

「そうです・・・・・・ですが、これも立派なD・PRGの1つです。身体強化も自然治癒力の強化も現存の技術では可能とされています。ただ、あれだけは―――――黒体化に関してはどうしても説明がつきません」

「黒体化、か」


自分の身体が黒く変色して角が生えて、あの警備隊の隊長を一方的にボコボコにしたらしいけど・・・・・・自分のことながら、信じられない


「覚えていますか?」

「いや、全く。俺が覚えているのは美夏に技かけられたとこまでだな。そこから先は目の前が真っ暗になって・・・・・・」

「恐らく、鬼に意識を乗っ取られたのでしょう」

「ああ。たしかに誰かに押さえつけられてるって感じで自由に動けなかったな」

「なるほど」

「なあ、この鬼って奴は治るのか」

「治ります、と言いたいところですが現状、断言できません。いつどこで黒体化するかもわからない状態です」

「それって、大丈夫なのか」

「・・・・・・少なくとも今のままでは普通の生活を送る事は難しいでしょう」


普通に学校に通うことも、ファミレスで飯を食って、美夏が壊れて、仁がツッコンで、それで吹っ飛ばされる。

つい先週まで普通だった生活がもう戻ってこないって言うことなのか。俺これからどうなるのかな

 あ、そういえば


「仁たちってどうしてる」

「私の知ってる範囲で、ですが。仁さんと美夏さんは昨日から新学期が始まったので今は学校に行っています」

「美夏って学校に行けるのか?あいつも酷い怪我だったんじゃ」

「ええ、2人とも包帯と松葉杖で登校したようです」

「どんだけ学校が好きなんだよ、あいつら・・・・・・そういえば、メアは学校に行かなくてもいいのか」

「私は・・・・・・その、少し特殊といいますか。あの、そのことについて話をしておきたいことがありまして」

「ん?」

「えとー」

「失礼しまーっす」「失礼しま・・・・・・あ、お姉ちゃん」


 と、このとき、病室に何者かが入ってきた。人数は2人、そのうち片方はつい最近知り合ったばかりの少女だった


「ヒメル!」

「あ、神林君!!よかった~、ずーっと寝たまんまだからすごい心配したんだよ!」

「心配かけてごめんな、そういやお前、メアといて良いのか?メアから逃げてたよな」

「ああ~・・・・・・その、ちょっと特殊なケースというか。あの、その事は少し話をしておかなくちゃいけなくって」

「なんか質問の返し方がそっくりだな。さすが姉妹」

「・・・・・・あの、そろそろ私が喋ってもいいですか?」


 ここでヒメルと同時に入ってきた女性がおずおずと声をかけた。ヒメルやメアよりも頭2つ分大きく、床まで届きそうな蒼い髪を先で結んでいた。白衣を着た姿はまるでメアをそのまま大きくしたようだった。

というか本当にメアにそっくりだな。メアとヒメルのお姉さんか?けど、ハッキリとわかる違いは声がメアよりもおっとりしている事。それと嫌でも注目してしまうほど、白衣を大きく盛り上げている二つの・・・・・・


「あら、何かしら?」

「え!?い、いや。何も。何も見てないっすよ?」

「神林君、なんか運動部のノリだね」

「あらあら、私のおっぱいを視姦するのはいいですけど、そろそろ話をさせてもらえないかしら」

「いや、そこは恥ずかしがろうよ、お母さん!」

「え、お母さん!? お姉さんじゃないんですか!?」

「あらあら~おだてても何も出ないわよ~ってこの台詞、一度言ってみたかったのよ~。ありがと~」

「姫川研究室室長のアンネ・フリードブルクよ。アンネって呼んでくださいね、恭弥君」

「え、えと。年上の女性に対して呼び捨てというのはちょっと。それに初対面ですし」

「恥ずかしがらなくてもいいんですよ。ドイツでは初対面でも挨拶代わりにキスするくらいですし、呼び捨てくらいどんと来い!ですよ」

「い、意味が分かりません」

「キス、します?」

「何でですか!!」


 それにしても若すぎだろ、メア母。見た目は10代だぞ。

それにメアのお母さんっていうからこう、無口なクールビューティーな研究者ってイメージだけど、妙にフレンドリーというか、明るくてお茶目な人だな。


「じゃあ、気分も良くなったところで・・・・・・いきなりで申し訳ないんだけど、これからの事と、今回の事件の顛末を話させてもらうわ」







 まずはメアから説明聞いてねと言って、アンナさんは一歩下がった。


「先日の西通りと青柳の件で、私は少々露出が過ぎたようです。研究区画の人間は隠匿する事が義務付けられているにも関わらず、ヒメルを追うのに夢中になるあまり多くの人に見られてしまいました」

「あ?ああ」

「そして今回私がヒメルを追った理由、それが・・・・・・なんと言いますか・・・・・・」

「メーア、はっきり言いなさい」

「うっ・・・・・・はい、理由は・・・・・・これです」


 メアが俺に差し出したもの、それは一冊の本だった。両手でないと持ちきれないほど大きな本、ハードカバーの背表紙。すこし埃を被った表紙には洒落たフォントでTagebuchと書かれていた。


「たげぶ?」

「えと・・・・・・あの、日記、です」

「え?」

「はい日記です」

「・・・・・・」

「日記、です」

「なあ、原因ってまさかその日記、か?」

「はい・・・・・・正確には、この栞です」


 短冊状の厚紙を渡される。赤色で、ラメが入っているのか少しキラキラしているもののパッと見、ただの栞だ。これは?


「D・PRGで作った爆弾です。見た目はこんなですが、この病院くらいだったら跡形も無く消し飛ばせるくらい危険なものです」

「うぉあ!?」

「な、投げないで下さい!!」


 ただの紙かと思って普通にペラペラしちゃったり、折り曲げかけたじゃないか!なんちゅう危ないもんを渡すんだ!

 というか、それが日記の栞として使ってるっておかしいだろ。毎日の日記書くのに命懸けすぎだろ


「頑丈に作っているのでよほどのことが無い限りは爆発しませんけど、丁寧に扱ってください」

「そもそも、気軽に渡すなよ!!というか、なんでそんな危険なものをヒメルが持ち歩いてたんだ!」

「あ、はは・・・・・・」

「あはは、って・・・・・・なあ、いい加減教えてくれないか。なんでメアはヒメルを追っていたんだ?この栞が原因なのか?」


 しばらく黙っていたが、アンネさんに促されて観念したのか。ついに重い口を開いた。


「・・・・・・あれは、神林さんと出会った日の朝のことでした。私は青柳の身辺調査のため、顔を洗って着替えていたのですが、『ヒメルを起こしてきて』とママに言われて、部屋に行きました」

「そうね~、あなた寝癖ついたままだったわよ」

「・・・・・・まあ、それでヒメルを起こしたのですが、ここで事件が起きました。私とヒメルは相部屋なのですけど、だから洋服ダンスが共用なんですね。だからヒメルが・・・・・・ヒメルが私の、その私の下・・・・・・着を、その・・・・・・」

「えっと?なんだ、よく聞こえないんだけど」

「だから、その私のし、しししした、下・・・・・・着、を」

「メーア、大きな声で。はっきりと」

「で、ですから・・・・・・ひ、ヒメルが私の下着を着てたのです!!!」


 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・え、なにそれ


「えーっと、ね。あの時はちょっと疲れててさ。お姉ちゃんのブラを間違えてつけちゃったみたいで~」

「それだけ、か?」

「いえ・・・・・・神林さん、ヒメルの目覚めの一声は何だったと思います?」

「俺に聞くの?ちょっとそういうのは勘弁して欲しいんだけど」

「『うう~胸がキツイ~。あ、これお姉ちゃんのブラじゃん。あーあ、跡が残ってるよ』ですよ」

「ほらー、男の俺に話す内容じゃないよな、それ」

「極めつけに『お姉ちゃんも、もう2カップ大きいの着けてよ』ですよ・・・・・・あ、あはは。これはもう、朝から戦争ものですよ」

「えっとー、そういうのってよく分からないんだけど、そんなに嫌なのか?別にどーってこと・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・神林さん。仁さんと連れションした時に『お前のチ○コちっせーwwマジ童○やww』って言われたとき、どう思いますか?」

「!!!!?」


 突然何を言い出す!?無表情で下ネタを言うなんて・・・・・・いや、まあ確かに仁にそんなこと言われた、問答無用で仁の股間を蹴り上げるけど――――って、そうじゃないだろ!!


「な、何言ってんだよ!!」

「フ、フフフ、フフフフフフ・・・・・・思い出すだけでも腹立たしい。いっそ今すぐピチューンと・・・・・・」

「あ、あぅあぅあぁ・・・・・・」

「ステーイ、メア。落ち着いて~深呼吸して~、そうそう胸を突き出して落ち着いて~」

「胸・・・・・・」

「アンネさん、わざとですよね。絶対わざと言ってますよね」

「まあね~」


 本当に母親なのか、あの人。実はお茶目なお姉さんでしたーとかいうオチじゃないんだろうか


「はぁはぁ・・・・・・お、落ち着いてきました。それでですね、とりあえず、部屋中のものを投げつけて、爆弾を飛ばしあって、銃を撃ちまわっていって、一通り暴れた後一緒に部屋の片づけをしました」


 お、おおう。何というか、姉妹喧嘩で銃や爆弾が飛び出すとか、この姉妹の日常はデンジャラス過ぎる


「それでヒメルが出て行ったってことか?」

「いえ、その後はいつも通りでした。ですが、本当の事件が起きたのは夕食後です。夕方の6時頃でしょうか・・・・・・楽しみで、本当に楽しみにしていたミルクレープが消えていました」

「・・・・・・はあ」

「戸惑う私。目の前が真っ白になりました。茫然自失のまま、リビングに行くと頬を膨らませて口髭のようにクリームをたくわえたヒメル・・・・・・」

「ち、違うの!あれは、その~、そういう命令を受けたからであって、ヒメルが何か考えて行動したわけじゃないのであって・・・・・・ってあああ!何て言えばいいのかな!」

「『あ、おねーちゃん。これすっごいおいしーね!』と無邪気に笑うヒメル。何を食べているのですかと訊くと『冷蔵庫にあったデザート!』。キレました」

「・・・・・・」

「取っ組み合いの喧嘩になって、最終的にヒメルが『何よ、デザートくらいで!お姉ちゃんの心はおっぱいと同じくらい小さいんだね!!』を言って出て行きました」


 ま、マジか・・・・・・というか、朝の件といいメアって胸の事が気になるみたいだな。というかヒメルの言い過ぎだろ


「う、まあ、言い過ぎたとは思ってたんだけどね。だけど、たかがデザートであそこまでキレることないんじゃないかな」

「(ギロリ)」

「う・・・・・・あ~、はい。その~ヒメルが悪うございました」

「・・・・・・話を戻しますね。その後、ヒメルを探しつつ青柳の調査をしに街に出ているとき、日記が無くなっていると連絡がありました。もしかしたらと、日記の所在をGPSで調べるとヒメルと一緒の移動していたので、恐らくヒメルが日記を持って行ったと考えまして」

「それでヒメルを追っていたのか・・・・・・」

「はい。後は神林さんと出会って、そこから先は私より神林さんの方が詳しいでしょう」

「まあ、な」


 はあ、なんというか、朝の下着騒動からヒメルの家出までをまとめると、


「つまり、姉妹喧嘩が原因ってことか?」


 はい、とメアが申し訳なさそうに頭を下げた。

 ってことは、あれか。俺は姉妹喧嘩に首を突っ込んだ挙句、勝手に怪我して、青柳に付け入られる隙を作ったってことか?

 だってそうだよな。俺が怪我をしなけりゃ青柳が俺を連れ去ることもないわけだし・・・・・・なんて言うか、こういうのって


「俺ってまさにピエロ、だな」

「残念だけど、そうみたいですね」

「はは、我ながら哀れすぎる・・・・・・けどよ、そうすると腑に落ちない事が何個かあるんだけど」

「どこでしょうか」

「ヒメルって、狭い部屋に閉じ込めて、実験動物みたいにしてた、みたいなこと言ってなかったっけ?」

「ヒメル・・・・・・あなた、まさか!」

「い、いやいや!!言ってないよ!ホントだって!!神林君も聞き間違いじゃないのかな!!」

「?」

「そ、そーだよー。絶対聞き間違いだって」

「そ、そうか?」


 はぐらかされたような気がしないでも無いけど、聞かれたくないことだったんだろう。まあいいか


「とにかく、恭弥君。事情は分かったかしら」

「大体のことは。ですがアンネさん。メアとヒメルの面倒を見るとは一体どういうことでしょうか。話が見えて来ないのですが」

「そうね・・・・・・君にとっては、ここからが本題だからね。さて、そろそろ1話分ネタができたから、次回につづくわね♪」

「メタいな!!」




えっと、投稿していたものかと思っていたら先週は投稿していなかったんですね。申し訳ないです。ということで、先週分+今週分(2話)を投稿します。

ご迷惑おかけしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ