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蒼色の銃姫

続きです。


「身体強化!」「細剣投影!」「波状砦壁の陣、展開!」


 仁君の声を合図に、美夏と愛さんがD・PRGを起動。美夏は身体強化で紅光に輝き、愛さんはレイピアを投影、仁君は、自分の周囲にスチールグレイ の直方壁を放物線上に投影。さらに背の高い同色の壁を大量に前方展開。目の前が壁に覆われ、さながら砦のような状態になった。そして驚くべきことに空中にホログラムを展開。壁で見えない視野をモニターで映し出し、周りの様子を完全把握できるようになっていた。


「す、すごい!!何このモニター!」

「まあ、戦局を知る為には必須プログラムやな。敵の装備情報、味方の情報と、壁とか投影物の耐久値を見れるもんでな。門外不出の仁様特性D・PRGや!」

「おお―――!!」


 今までギャグ要員かと思っていた仁君にそんな才能があったなんて!そういえば、とこの際だから、ずっと気になっていた事を聞いてみる。


「仁君、何で美夏は光ってるの?」

「ああ~、それな。理由はわからんのやけど、あの光は上質なプログラムを発動したら出るみたいやで。しかも人によって発光色が違うみたいや」

「へぇ。じゃあ仁君と愛さんの剣が光ってないのは・・・・・・」

「うるせいっ」

「あう~」


美夏だけでもメアを押していたのに、仁君と愛さんもいるんだもん。もしかしたら勝てるんじゃないかな!そう思っていたけど、希望はあっさりと打ち砕かれる。やはり『化け物』は―――メアは違った。

ハンドガンを2丁を構え、高速で投影、展開をした。軽機関銃を20丁、ガトリング砲を3門 、不規則に空中に投影、銃がまるで意思があるかのように隊列を組む。そして身体強化、メアが蒼色に光輝く。モニターにはメアを含め蒼色の光がまるで星のように映し出されていた。


「あ、ああ・・・・・・」

「す、すごい・・・・・・あれがメアって子の本気なの?」


 あまりの投影量とその美しさ、そして銃が作り出した陣形に呆気に取られた美夏の問いかけにヒメルは頷くことしかできなかった。だって、だってあれは。あの陣形は・・・・・・


――――メアが『必殺』の意思を示す陣形、威圧殲滅の陣形 だったから。


 ま、まずいよ・・・・・・あんな大量の銃で機銃掃射なんてされたら・・・・・・

 次の瞬間、その不安は現実のものとなる。

計23個の銃が一斉に発射。


「キャアアアッ!!」

「うっ!!」

「っ!!来おったか」


夜空を切り裂く発砲音と金属同士がぶつかりあう耳障りな音、思わず耳を押さえてうずくまる。恐る恐る、モニターで壁の様子を見ると、空中を移動しながら、全方向から壁に攻撃していた。同時に表示された壁の耐久値が次々0になっていき、次々と壁が崩れ去り、粉塵がモニターを埋め尽くした。

数秒後。砂埃が晴れたときにはメアの銃はハンドガンを残して全て消え去っていた。その代わり、大量の壁があった自然公園は、瓦礫の山と化した。残されているのは、ヒメルの目の前にある3枚の壁だけだ。


 仁君の悔しそうに歯噛みブツブツと次の作戦を考えて、美夏はいよいよね、と拳を固く握り締める。十和田先輩も逆に覚悟が決まったのか真っ直ぐにメアを見据え、須藤さんは微かに笑っていた。まるで嬉しいみたい。

・・・・・・あんな惨状に怯まないなんて、みんな強いんだな。ヒメルは・・・・・・ヒメルは、ダメだよ。


「こ、怖い、よ・・・・・・美夏・・・・・・体が震えて心臓がバクバクいってる。もう―――」

「大丈夫、絶対守ってあげるから」

「安心なさい。美夏と私が戦えば百人力ですわ。メアさんとやらもなかなかやりますけど、ちょちょいのちょいとやっつけますわ!!」

「私も、微力ながらサポートさせていただきます。さあ、仁さん。指令をください!」


 みんなの視線が仁君に集まる。私も仁君を見上げる。仁君はうんうんと数回頷き、ぱっと顔を上げて静かに口を開く


「ヒメル、諦めるか?」

「えっ・・・・・・」

「メアの圧倒的な火力。いやー恐れ入ったわ。ってか目ん玉飛び出るっちゅーくらいビビッたわ」

「う、うん。ヒメルも。すごい怖かった」

「じゃあメアに大人しく捕まるか?」

「う・・・・・・・」

「美夏も須藤も先輩も言ったやろ。ワイらは諦めてへんで。ワイもたった今、勝機を見つけ出したとこや。あとはヒメル次第や」

「ヒ、ヒメル次第ってどういう、こと?」

「ヒメルが諦めんならここで降伏する。もしまだ諦めずに逃げたいっちゅーなら、ワイらは力を貸したる!さあ・・・・・・選ぶんや」


 今度は視線がヒメルに集まる。そんなの決まってる、これ以上みんなに迷惑をかけたくない。すぐに諦めるべきだ。だけど、だけど・・・・・・!!


「仁君、自分の勝手で人を傷つけるのっていけないことだよね」

「せやな」

「でもね・・・・・・それでもヒメルは、逃げたい!!みんながヒメルにしてくれたこと、ここで終わりにしたくない!ヒメルは・・・ヒメルは!!」


「自由になりたいっ!!!」


 仁君がにやっと口角を上げ、大声で言い放つ


「任せとき!!美夏は敵をかく乱させるように動け!絶対に標準を壁に定めさすな!!須藤は銃の破壊を第一に、隙が出来たら一発ドデカイのをぶちかましたり!!」

「了解しましたわ!」「オッケー!!」


 勢いよく飛び出した二人。だがメアとの距離は約5m。決して近くは無い。当然ながらメアは発砲する。


「先輩は怪我しとう無いなら帰っても―――」


「強化術式―――腱!!」


「!?」「!!」


 D・PRGの発動。先輩が叫ぶと同時に、美夏と須藤さんの足がオレンジ色に光り輝き始めた。


「な!?何ですの、このプログラム?」

「体が軽い?・・・・・・いや、足が軽いんだ」

「十和田先輩。今一体何を―――って、メッチャ光っとる!?」


 得意満面の笑みで十和田先輩が仁君に言った。


「これが、私のD・PRG、『他人や物体の強化』です!!」

「なっ!!なんやて!?」


 仁君が驚き、戸惑っていた。そりゃそうだ。他人を強化するプログラムなんてヒメルも知らない。初耳だ。

 と、横を見ると隣の仁君が笑って・・・・・・いや。悪人がするような、にたり顔をしていた。


「よ~~し・・・・・・先輩!壁の強化も頼んます!んで、美夏!あれ、やるで」

「あれってまさか―――」

「出来るか!?」

「オッケーよ!しっかり作りなさいよ」

「・・・・・・喰らいなさい」


 美夏と愛がメアに迫ってくる。そこでメアは軽機関銃のHK13を投影。両腕の銃とHK13を発射。蒼色の銃から放たれる光弾が襲い掛かる


「ふっ!(あれ?さっきより遅い?)」

「くっ!!(やはり一発が重過ぎますわ!?これじゃ5発ともちません!)」

「あれ・・・・・・?」


 愛さんの剣と銃弾がぶつかり一瞬の拮抗、銃に押し負け剣が腕ごと弾き飛ばされる。

 すると、オレンジ色の光が愛の剣から出てきた。


「愛さん!!剣を強化しましたっ」

「ありがとうございますわ!!」


 美夏は避け、懐に入り込み、顔を吹き飛ばす勢いで掌底を放つ。

が、後方に跳びメアは回避、発砲で牽制し一気に距離をとろうとする。が、美夏は掻き消えメアの背後へ回りこむ。そして一閃―――


「鳳華流 双拳突き!・・・・・・って、嘘!!!」


 背後からの強烈な両手突き。確実にメアを捉えた―――ハズだったが、そこには白衣だけが残されて、メアの姿が無かった。


「あ、あれは!!」


メアの得意技の一つ、忍者の空蝉の術からヒントを得た技


「――――一イミテーション」


美夏は動き止めて、辺りを見渡す。と、上の方から


「これで、終わりです」


 空に浮遊したメアが無表情に機関銃を撃とうとして―――


「させませんわ!!」

「っ!――――くっ!」


 愛さんが跳び上がり、細剣で強烈な突きを放つ。機関銃の側面部に突き刺さり銃が壊れた。だが同時に細剣も耐久値が0になり粉砕、粒子となって宙に消えた。

 ところが、メアの対応は早かった。壊れたのを認めるや拳銃を向ける。そして躊躇無く引き金を引こうとしたところで―――


「愛ちゃん!!」


 美夏が飛び出し愛さんを掻っ攫った。がら明きの美夏の背中を狙い、撃つが・・・・・・


「なっ!?」


その弾は当たらなかった。美夏は宙を蹴って進行方向を変える荒業をしたからだ。そのまま地上に降り愛さんを降ろした。

・・・・・・美夏、ホントに人なの!?

ヒメルの中に美夏人外説が出てきて、メアもこのあまりにも現実離れした出来事に固まってしまった。

そして、その疑問は仁君があっさりバラしてくれた。


「ワイの投影で空中に立法体の箱を投影して、そこを足場に美夏が空中を飛び跳ねる―――これぞ『空中戦舞』や!」


 ご丁寧にメアにまで解説をするなんて・・・・・・それが仁君のいいところみたい。良くも悪くも目立ちたがり屋でリーダー気質。それが仁君なんだな

 メアも立ち直り、何とか美夏を狙おうとするが撃つ直前の絶妙なタイミングで足場が投影され避けられる。面白いように当たっていない。ならば、と銃で壁を破壊して仁君を狙おうとする。が、少しでも視線を逸らすと、待ってましたと言わんばかりに美夏からの飛び蹴りや、連撃が襲い掛かり、攻めあぐねる。

 だからといって美夏たちが有利かというとそうではなく、空中戦に持ち込まれている時点で空を飛べない美夏たちには機動力が大幅に下がっていて、やはり思うように攻められない。

 つまり、信じがたいことに、今ヒメルたちはメアと拮抗していた。


 ・・・・・・やっぱりおかしいよ。動きに無駄が多いし、投影がいつもより強くない。それに辛そうだよ




・スチールグレイ・・・色の一種。そういう金属ではない。

・軽機関銃はH&K HK13 を6丁、FN-MIMIMIを14丁。ガトリング砲はGAU-8を3門。どうでもいいが銃も数え方はこれであっているのかな?

・威圧殲滅の陣・・・投影した銃をメア中心にシンメトリーで前方集中配置した陣形。弾幕はパワー


ということで脚注です。色の種類とか調べてみたら面白いかもです。

さて、次回ですが出来れば今週の日曜日(11月24日)に投稿したいと思います。では、次回まで。

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