扉
1話 扉
「お疲れ様でしたー」
「「「お疲れ様でしたー」」」
部活が終わり、部員が帰り始める。
「たにー、閉めるから部室でろー」
「うぃー、ちょっと待ってください」
「急げよー」
「はーい」
道具を片付け、荷物をまとめていざ外に出ようとするとうっすらと扉のようなものが一瞬だけ見えたが直ぐに消えたので気にせずに外にでる。
「すいせん、お待たせしましたー」
「大丈夫、大丈夫。じゃ、帰ろーぜー」
「森田先輩何処かよりますか?」
「んー、本屋にでも行く?」
「良いですね、行きましょうか」
森田 健部活の先輩でオンラインゲーム〈ファンタジーブレイドオンライン〉に誘ってくれた先輩、少々面倒なとこもあるが色々と気にかけてくれている先輩。基本ダラダラしててあまり頼りにはならない。因みに友達が少ないらしく、たまに一人でカラオケやゲーセンに行っているらしい。
「谷山、夜は暇か?暇なら昨日の続きやろうぜ」
「良いですね、やりましょうか」
「おっしゃ、なら決まりだな!」
ちょうど坂を下り終えた時にそれは現れた。道の真ん中に大きな扉がたたずんでいた。
「なんだこれ?こんなのこの道にあったか?」
「いや、無かったはずですよ・・・」
そもそもこんな道のしかも道路の真ん中に扉なんてあったら車も通れないし、さっき部室でうっすら見えた扉もこんな感じだったと思う。
「どうするよ?」
「え?なにがっすか?」
「いや、開いてみる?」
「なんでっすか」
「面白そうだから」
確かにこの人の性格ならただ面白そうっと言うだけで行動しそうだ。友達ができない理由の一つっと言うことをこの人には理解してほしいが、確かにちょっと気になるし、開けてみる事にする。
「わかりましたよ、開けますよ」
「おう、頼むわ」
そしてゆっくりとドアノブを回し、扉を開けると、扉の中に吸い込まれるような感覚がした。
「うわっ!」
「え、なにこれ!」
隣にいた森田先輩も扉に吸い込まれるように入っていった。
2人が扉の中に入った後、開いた扉は勝手に閉まり、そして消えていった。2人がいた場所には何も残っていなかった。




