EP.007
レオナルド殿下とアルバートの二人が立ち去ったあと、向かいに兄、横にマリアンヌが座り、改めて話を聞くことになった。
「まず、今日のパーティーの話だけど、あの二人からはなんて説明が?」
「えっ…と、レオナルド…殿下の25歳の誕生日パーティーがあると言われて、合わせて婚約者探しも行うパーティーだから、私も出席しなさいと、」
「なるほど。一部あってて、一部情報が足りてないな」
お兄様から話された内容はこうだった。
まず、レオナルド殿下の25歳を祝うパーティーで、裏の目的として婚約者を探しているのも本当であること。
ただ、加えて、招かれた令嬢は原則として欠席は許さず、欠席する場合は事前に理由を認められた場合のみ。
それ以外の理由で欠席した場合は所有する領地税収の3倍の罰金刑を課すという話だった。
「罰金?そんなことが?だから私のことを嫌々参加させたのね…というか、どうしてそんなパーティーを?」
「まぁ、色々あるんだが、一つは…ロゼリアを出席させるためだよ」
「…私?」
お兄様の話によると、両親の事故後、兄やレオナルド殿下が私と面会、ひいては今後のことを話し合うために、私との面会を義両親に何度も打診したが拒否されるため、強硬手段に出たのだという。
「私も、何度か手紙を書いたんだけどね、ロゼリアからの連絡もないし、ずっと心配してて」
「手紙…なんて、、そんな話メイド達からも聞いたことが無いわ」
「あの頃からメイドの大半は解雇されてるし、大方義両親の言いなりなんだろう」
(─本当なの?5年間私はひとりだと思っていたけれど、本当にお兄様もマリアンヌも…レオナルド殿下も私に会うために画策していたの?)
私が百面相になっていることに気づいたであろう、マリアンヌが改めて声をかけてくれる。
「急に言われても信じられないよね?…ましてや、5年間音信不通のような状態だったし…でも、本当にずっとレオナルド殿下もアーサー様も…もちろん私もロゼリアのことをどうにかあの家から連れ出そうと考えてたのよ」
すぐには信じなくてもいい、そう言われても、どう受け止めればいいのかわからなかった。
五年間一人であったことには変わりがない。その言葉をそのまま受け止められるほど、この五年間は軽くなかった。
それに、いくら今ここでみんなに会えたとして、私には現状あの家に帰るほか手段はない。
義両親にあんな態度をとったあとに帰宅したら、それこそ何をされるかわからない。
このまま家に帰れる訳もない─。
そう考えていたら兄が、思いもよらない言葉を口にした。
「ひとまず、諸々の調整が落ち着くまではこの城に滞在してもらいたい」




