EP.006
「説明、全然できてなくてごめんなさい。なにもわからないわよね」
「そ、うね。うん、本当に、何がなんだか…」
突然再会したマリアンヌに、五年ぶりに再会した兄。
そして、急にパーティーへ参加させた義両親。
ここ数週間、もはや今日一日だけでも、今までの五年間が嘘だったかのように目まぐるしく動くこの状況に、全く脳が追いついていなかった。
(どういうことなの……?
お兄様がこのパーティーに参加していることはおかしくない。でも、何が起きているのかは全然わからない…)
それでもこのままでいる訳にはいかない。
そう思い、マリアンヌと話をするために口を開こうとしたその時だった。
「ロゼリア!!」
勢い良く開いたドアから、また聞き覚えのある声が響いた。
音のしたドアの方を振り返ると、そこに立っていたのは、正装に身をつつんではいるが、少し乱れた様子で肩で息をした彼の姿だった。
「レ…オナルド、様……?」
肩で息をしているところを見るに、走ってきたのだろう。
「ちょ、ちょっと待ってくださいレオナルド様!
ロゼリアにはまだなにも説明ができていなくて…!
さっきも、アーサー様に義両親を押し付けて逃げてきたばかりで、殿下が今ここに来るとすごく複雑になるから、」
「レオン!お前、公務投げ捨てて急にいなくなるなよ!」
マリアンヌの言葉にかぶさるように続いて駆け込んできたのは、彼の護衛で私達の幼馴染でもあるアルバートだった。
「マリアンヌ、どういうことなの?なんで、二人がここに…」
「それは私から説明する」
「!お兄様も来られたの?まって、そしたら義父と義母は──」
質問しようとした私を制して、兄が言葉を紡ぐ。
「とりあえず帰ってもらった。それも含めて説明するから、ひとまず中に入ろう。ただ、殿下は公務が残ってますから一旦お戻りください。国王がお怒りです」
「なっ……ロゼリアが戻ってきたことより大切な公務なんて──」
「あるんだよ!そもそも、このパーティーを収めるのはお前の仕事なんだから!ほら、戻るぞ!」
アルバートは強引に殿下の腕を引き、
「ロゼリア、マリアンヌ、また後で!
アーサー、とりあえずこの場は任せた!」
そう言い残して、嵐のように二人は一度去っていった。
静かな部屋に残された私とマリアンヌとお兄様。
(……本当に何が起きてるの?これは夢?どういうこと?)
処理の追いつかない頭を必死で働かせながら、
私は兄――アーサーの語る話しに耳を傾けた。




