EP.024
「アンもグルだったんですか…」
恨みがましくレオン様を見つめると、向かいに座る彼は呆れたように肩をすくめた。
「言い方が悪い、協力してもらっただけ」
カタカタと石畳の上を進む馬車に揺られながら、王都へと続く街道を進んでいく。
窓の外の風景を横目に、私はレオン様への恨みをブツブツとぶつけていた。
「アルバートも私のこと騙しましたし…」
「あいつは俺に詰められただけ。というか、俺のことを騙そうとするのが百年早い」
得意げな顔に、思わずさらにムッとした顔をしてしまう。
「お兄様は?」
「流石にフラテリーニ商会に行くなんて言ったら卒倒するから言ってない」
なるほど、そう納得したのも束の間。
「俺と二人で王都に出かけるって言っておいた」
「それはそれで良くないのでは!?」
何か変なことでも?と言うように普通に言ってのけるレオン様。
彼によると、アルバートを捕まえて話を聞いたあの日の夜、アルバートはそのままレオン様に尋問され、すべての話を白状させられたらしかった。
(アルバートも教えてくれればよかったのに…)
分かっていれば、こんなこと言い出さなかったのに。
そのため、アンが提出した外出届も当然のようにレオン様のもとまで届き、今日に至ったそうだ。
「もうすぐ着くんだから諦めろ」
「…あ、あと、今日は一応お忍びなんだからレオン"様"は無しな。レオンって呼べ、あと敬語もなし」
「む、無茶言わないでください!」
思わぬ提案にびっくりして身を乗り出しそうになった。
「別に普通に呼べばいいだろ?ほら、どう?」
「む…無理です!」
(アンと行きたかったぁ〜!)
どこか楽しそうなレオン様の声に重なり、少しずつ賑やかな街の声も聞こえてくる。
そんなこんなで着いた王都は、五年前と変わらぬ賑やかさと明るさを保っていたのであった。




