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ずっとあなたを想ってます〜両親を亡くした公爵令嬢は幼馴染の第二王子に溺愛されます〜  作者: りさ
2章 語られる五年間とこれからの話

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EP.017

「ていっても、部屋、すぐそこなんだけどな」

「え?」


レオナルド殿下の部屋を出て、二人で歩きだしてほんの数歩程度。


「ここ」


彼が足を止めた場所は、角を曲がってすぐの部屋の前だった。


「近いですね…というか、ここって王族の方用の区域ですよね?私の部屋、こんな場所に用意して大丈夫なんですか?」


「近いほうが何かと便利だろ?」

「なにかと…?」

「何かと」


意味有りげに押し切られ、部屋の扉が開かれる。

部屋に足を踏み入れると、思わず息をのんだ。


「わぁ…!すごいかわいい!」


淡いピンクを基調とした柔らかな空間。

陽の光が差し込むようにレースのカーテンがかけられた大きな窓に、白に統一された家具。

とても、ただの一時宿泊用の客室には思えなかった。


そして──棚や机には見覚えのある思い出の品が飾られていた。


「これ……あの家から?」

「うん。とりあえず回収できたものだけ置いてある」


「こんな素敵な部屋…わざわざ、私のために部屋を整えて下さったんですか?」

「…いや、元々あった部屋片付けただけだよ」


そっけない言い方の割だけど、隠している耳が赤くて。

─きっと、部屋も一から用意してくれたのだろう。


(昔から、そういう不器用なところは変わらないのね)


胸の奥がじんわりと温かくなる。


「足りないものがあったら言って、すぐに用意させるから」

「そんな!十分です…ありがとうございます」


そう言って部屋を眺めていたら、パタン、と扉の閉まる音が響いた。


「…殿下?」


その音に振り返ると、殿下は真後ろに立っていて。


「その、"殿下"って呼び方。…昔みたいに呼んでくれないのか」

「え?」


心臓が跳ねる。


昔──五年前は、彼のことを"レオン様"と呼んでいた。


けれど今は、どうしていいのかわからなくて。

気恥ずかしさや、距離の取り方、全てがわからないから。


「それは…その、どうしていいのか、わからなくて」

「昔みたいでいい」


即答される。


「呼んでほしい。…というか、呼ぶって言うまで部屋出さない」

「え!?」


思わず顔を見上げると、至って真剣な顔で。


「なんでそんなに距離ある感じで呼ぶんだよ…俺だけ」

「いや、そんなつもりは本当になくて」

「いつまで経っても敬語だし…会いたかったのは、俺だけなのか?」

「…え?」


息が詰まる。

思わず下を向いてしまったが、そのまま、震える口を開く。


「…レオ、ン、様」


その瞬間、彼の纏う空気が少し緩んだ気がした。

フッ、という笑い声が上から聞こえる。

チラリと上を見ると、そこには嬉しそうな顔で笑う彼がいて。


「…今は、それでいいよ」

「なんですか、それ…」

「別に?なんにもない。…顔真っ赤だけど、大丈夫?」

「レ、レオン様だって耳赤いですから!」

「俺のは気のせいだから」

「嘘!」

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