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ずっとあなたを想ってます〜両親を亡くした公爵令嬢と一途に思う第二王子の話〜  作者: りさ
語られる五年間とこれからの話

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EP.014

「アン、申し訳ないんだけど…少しだけ二人にしてほしいの」


部屋に入ってきたマリアンヌにお茶を出したアンに、彼女はそう声をかけた。


「かしこまりました。ちょうど別件で用事もありましたので、少し席を外しますね」


──え、と思う間もなく、アンは空気を察したように、あっという間に部屋を出ていってしまった。


扉が閉まり、部屋には私とマリアンヌだけが残された。


「……ごめんね、ロゼリア。本当は嫌かもしれないけど…少しだけ二人で話したくて」

「…いいえ、嫌なんてことないわ」


嫌なんてことはない。それは本当だった。

ただ、二人きりで、何を話していいのか、どう話していいのかがわからなかった。


(昔は、こんなことを思うなんてなかったのにね)


私がそう考え込んでいたら、マリアンヌは一度視線を落とし、意を決したように顔を上げて話し出した。


「…改めて、謝りたくて。ずっと……連絡できなくて、本当にごめんなさい」


「えっ…と、まって、謝らないで。手紙、送ってくれてたんでしょ?」


「うん、でも…」

マリアンヌが小さく息を吐く。


「でも、ロゼリアに届いてなかったら意味がないもの。

…それにね、本当は、わかっていたの」

「…え?」

「…届いてないって、薄っすらとわかっていたの」


「…でも、怖かったの」


マリアンヌの声が、少し震えたような気がした。


「もし、届いているのに無視されているとか…そういう、そういうことがあったらどうしようって思ってしまって」

「そんなこと──!」


思わず声を上げた私を制するように、マリアンヌは弱く笑って口を開いた。


「わかってる。わかってたの。わかって逃げてたの」

「でも……アーサー様やレオナルド殿下と一緒に、ロゼリアのことを調べ始めて、まさかこんなことになってるなんて思わなくて…」

「それなら…もっと初めから、もっと強引にでも、早く、ちゃんと寄り添ってあげればって…自分が、情けなくて」


声を震わせながらそう告げるマリアンヌに、私も締め付けられたような感覚だった。


「私も…私もね、マリアンヌは、私以外にも沢山友人がいたから…」

「私がいなくなっても困らないし、他にもたくさん友人がいるからって、そう思ってて…」

「そんなことないよ!」


その言葉に思わず肩が跳ねる。


「そんなことない。絶対、そんなことないよ。…私の一番の友達…親友は、ロゼリアだよ」

「本当に、今までごめんね」



その言葉と共にマリアンヌの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。

それを見た途端、張り詰めていた糸が切れたように、私の瞳からも、涙が溢れだした。


「……っ私も、ごめんなさい。ごめんね…っ」


言葉はうまく繋がらない。もはや、何に謝っているのかもわからないが。


二人で、声を上げて大泣きてしまったのだった。

まるで、五年間積もっていた誤解と不安を、涙で流しきるように──。

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