EP.011
──想像以上の出来事に、正直、なんと言えばいいのかわからなかった。
「でも、私だけじゃなく、レオナルド殿下も、マリアンヌ嬢も…誰が屋敷を訪ねても、ロゼリアには会わせてもらえなかったんだ」
「両親を亡くしたショックで、今は誰にも会いたくないと言っている、と」
「手紙や贈り物も…多分、届いてなかっただろ?」
「そんなもの…一度も受け取ってないわ」
「だと思ってた」
そこからは、両親の死が貴族間の力関係にも影響し、城内がとても騒がしくなっていたこと、殿下も兄もその渦中となり息つく暇もなく動き回っていたと聞かされた。
「しばらくして、貴族学校を卒業してから、アーサーが爵位を継げるようになったタイミングで、改めて公爵家を調べてたんだ」
「そうしたら…色々と、公爵家の周りで不自然な金の動きが見つかったんだ」
「別に、それまでロゼリアのことや公爵家のことを忘れていた訳じゃないからな。本当に、政務で手一杯だったんだ」
「公爵家の爵位は先に取られてしまったから…せめてもということで、アルベルト公爵がついていた宰相の役割を、アーサーが問題なく継げるように必死だったんだ」
家財や金銭の流れを辿っているうちに、領民からも不満の声が上がっていることが判明し、兄が徐々に公爵家の仕事を引き取っていったらしい。
ただ、その間何度あの義父母と対峙しても、公爵家の爵位を手放そうとせず、話し合いは平行線のままだったそうだ。
「ロゼリアの件もだが、領民の不満のこともある。
なにより、公爵家である我が家がそんな状態では、いずれ国全体にも大きな影響を与えかねない」
「だから、証拠を揃えて国王に直談判して、無理やりアーサーが公爵家の爵位を継げるように手筈を整えたのが…つい最近なんだ」
「…そう、だったんですね……」
外の情報を完全に遮断されていた私にとって、聞かされるすべての話が衝撃だった。




