↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

01-見習い女神さまのおはなし

 私は寝ることが好きだ。お布団のここちよさったらたまらない。


「めざめよ……」


 もう少し寝かせてよ……昨日は遅くまでがんばっちゃったんだから。


「めざめよ…………あの、おきて……」


 だって新商品が出たら試さずにいれないの。寝ることよりももっと好きなこと。


「おねがいですぅぅ……おきてくださぁい……ぐすっ」


 あ、あれ?小さい子が泣いている?さすがにそれを放置して寝ていられないわー。


「……!やっとおきてくれました!!」


 ………………うん、起きたけど……誰?金髪の幼女に知り合いはいない。なんだかぼんやりする頭で目の前の子供を見つめる。まだうるうるしている目を大きく見開いて嬉しそうに幼女は話し始めた。


「あのですねっ、あなたは死にました!」


 ……はい?


「それで転移なんですけどオオタルニカというところで……」

「待って。私生きてるよ?」

「でもでも死んじゃったですよ……ごしゅーしょーさま……?でした?」


 首を捻りながら一生懸命話す姿は普通に可愛いけれどそれでごまかせるのは大きなお友達だけだからね!


「えーと、他に誰か大人の人はいないのかな?お話ししたいんだけど……」


 どうみても五~六歳の子と話をしていても訳がわからない。ここは保護者に出てきてもらわなくちゃ。


「ほかの人はみんないそがしいです……転生や転移する人がふえちゃって」

「もしかして見習いですか……」


 あまり信じたくないけど落ち着いて周りを見渡せば上も下も地平線すらもない真っ白な空間に私たちはいる。まるで宙に浮いてるみたいでちょっと面白い。


「そうなのです!がんばるですからおはなしさせてください!!」


 夢なのかなぁ。それならそれで話くらい聞いてもいっか。

 頷いた私を見て安心したのか幼女は紙を取りだすと一生懸命に読み始めた。


「これからオオタルニカってゆー国に転移となります。そこで生きるための……あの、これなんて読むですか?」


 おーい!字も満足に読めない子に仕事させるな!

 そんな苦情をどこに出せばいいのか解らないので紙をもらって自分で読むことにした。


──────────────

◆ 大崎(おおさき) 結奈(ゆいな)転移シート ◆

・転移先 オオタルニカ王国

・転移による固有スキル 100均ショップ

・保持スキル

  世界は一つ(言語共有)

  回復魔法

  エンチャント魔法

  指先の魔術師(器用さ+)

  怪力娘(力+)

・転移固有アイテム

  魔法の鞄∞

・所持金 200,000s

──────────────


「……ゲームみたいね」

「はい!転移する人がこれだとわかりやすいってよろこんでくれるんです!」


 自分の手柄のようにドヤ顔をしているけど考えたのは他の人なんだろうなぁ。

 えーと100均ショップってナニ。回復魔法!?魔法があるのね。ますますゲームっぽい。怪力娘って!失礼な!!す、少し力持ちなだけだもん!!魔法の鞄はなんとなく解るけど後ろのマークはなんだろう?


「しつもんはありますか?」

 答えられるのかな、この子……でも他に人もいないしきいておこう。


「この鞄の後ろのマークはなに?」

「なんでもいーーーっぱい、はいるです!」


 そうですか。うーん。ゲームはちょっとやったことあるから他のことはなんとなく理解できる。ただ……ただね?この100均ショップってなんなの。


「それは生きているときにいちばんたくさん行ったおみせのお買いものができるです」


 あー、すごく心当たりがある。ありすぎる。私は17歳。高校生の身で自由になるお金はそんなにない。バイト代は趣味に注ぎこんでいたけどやっぱり限度があるんだもん。そんな時の強い味方が100均だった。お母さんだったらスーパーとかになるのかなぁなんて考えながら使い方を教えてもらった。


「この絵はほかの人にみえないですよ」


 手のひらに浮かんだ、ネットショップのような画面を指で操作する。使い方はスマホとあんまり変わらないね。


「そろそろじかんです」


 え、と顔をあげると周りがチカチカと点滅をはじめる。


「転移してもがんばってください!魔物には気を付けて―――」


 待って!いま物騒なこと言わなかった!?


「ちょ、魔物って…………」


 光が強くなって手を振る幼女が見えなくなっていく。

 ……まぁ、どうせ夢だからいいか。




 そんな風に考えていた時が私にもありました。




「あ、起きた!あなた家の裏で倒れていたのよ。大丈夫?」


 目の前で少し不安そうな笑顔を見せてくれた同じ年くらいの女の子は銀のかかった薄いピンクの髪。そして青い目。おとぎ話に出てきそうなワンピースとエプロン。そしてログハウスのような丸太を組んだ壁。


 そしてそして……パンの焼けるいい匂い。返事より先に私のお腹が鳴った。


ハンクラの夢を詰めこんだゆるいおはなしです。

のんびり更新していきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。