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コーチって・・・

ZAAL~コーチって・・・~


中学の期末試験があった。

毎日ZAAL(ザール)で気持ちよく球蹴りしているぼくたちは、勉強も気持ちいいぐらい散りましたよ。もう完膚なきまで。


「お前ら、練習前に勉強の時間作るぞ~」

カツコもカナコも教員免許を持っている。

普段の発言からは想像できないカツコも勉強の教え方は結構上手い。

でも、サッカーをやりに来たのに補習ってね・・・。


確かに県TOPリーグが試験期間中にもあったため、練習は軽めにしながらも土日は試合で一日つぶれたのは確かに痛かった。

試験の前日なんて3時ぐらいまで頑張ったのだけど、流石は一夜漬け。付け焼刃。

そうは言っても本業は中学生・・・。

ヤバイよね。


「テストどうだったぁ~?」

ジローにヒロキが聞かれていた。

なんでヒロキかというと、たまたま近くにいただけだった・・・。

「き、聞くな・・・」

ヒロキはまじめに答えているとマサオが返す。

「ジローはどうだったの?」

「全滅ぅ~~~」

人に聞いている場合かよ。ジローくん。


「マサオとタイキは良かったんだよな。

意外だったのはミズホが結構おバカだったこと」

カナコさん。言わないでください。

「でも、学校によってテストの内容って結構違うのな。難しい学校はとことん難しいし、ありゃムリだわ」

カツコの一言で救われるときもある。

「ミズホとマサオの学校の数学はチョ~簡単だったけどな」

カツコの専門は数学・・・。


「でも、勉強はしないとね」

ツバサはなんだか余裕!?


みんなそれぞれの結果だったみたい。




「さあ、気持ち切り替えて40点以下のテストのやり直しね。ない人と終わった人は練習始めるよ」

カナコの無常の言葉。


ぼくはどうだったかって?

ふっふっふ。

流石に40点以下はなかった♪


「ミズホ~なにほっとしているんだよ~」

カツコの言葉を無視して練習に・・・結局勉強をする羽目になったのはジローだけだった。

あいつ何点取ったんだ??


◆◆◆


ぼくらの練習も最近変わってきた。

グラウンドが山の中にあるとはいえ、街からバスを使えば結構便利だ。

そのためか、特に金曜日には他のチームが来る。

練習試合もするけれど、合同練習といってどちらかのコーチがメインになりそのチームの練習方法をすることもある。

流石に夜遅くなるので中学の部活組は来ないけれど、街クラブやJの下部組織まで来る。


今日はJの下部組織のジュニアユースが来た。


「はじめまして。コーチをしている太田といいます。よろしく」


なんだか、落ち着いたいい感じのコーチだ。


練習内容も基本からゲーム形式まで抑えたいい感じの練習だ。

選手も同世代で・・・まあ、ぼくらは年下だけど・・・いい刺激になる。

それに普段は上のカテゴリーでやっているチームなので大きな大会にならないと当たらないから実際に一緒にやるのは勉強になる。


でも、練習に来るチームの選手は意外な言葉をいつも残していく。

「勝尾(かつお)コーチってやっぱりすごいよな」

「見ているところがうちのコーチと違ってアドバイスが的確なんだよね」

「俺の悩んでいたところの対処方法をさらりと言ってくれるんだよね」


ぼくらは近くにいるからわからないこともあるのかもしれない。

来てくれるコーチ陣のテキパキとした指導方法が新鮮でやりやすいのだけど、確かにカツコの指導を見ていると選手と同じ目線というか、中学生と同レベル・・・いや、中に入り込んでいるというか独特だ。

トレセンでは言葉も態度も一般的なコーチとさほど変わらないらしいけれど、ZAAL(ザール)のグラウンドでやるときはもうカツコの独壇場だ。


そういえば、ぼくもフットサルスクールでカツコにはじめて会ったときにカツコの的確なアドバイスとテクニックに開いた口がふさがらなかった。

フットサル日本代表にもなり、サッカー選手としても世代別代表の道を通ってきたカツコはすごいのだろう。

それに現役といっていい年齢だし、実際に復帰の話しも未だにあるらしい。

日頃の行いのせいで、ぼくたちは普段の言動が原因で色眼鏡で見ているのかもね・・・。



「ミズホ~そこなんで転ぶんだぁ~?石っころでもあったかぁ~?」

やっぱりムカつく。


「あ、周りを見るタイミングがほんの少し遅かったからディフェンスに引っ掛かったんだよ。

失敗したっていいからボールに意識を持っていくのやめてみな~」

よく見ている!確かにぼくは丁寧にボールを触ることを意識するがために少し遅れた。

「別にトラップ失敗したからって、ちびっ子にしてみれば上手いな~ぐらいにしか見てないって」

やっぱりムカつく。


そして、他のクラブチームを呼ぶのはカツコなりの考えがあったからだった。


「トレセンも合同練習も、お前らの将来のためだぜ~

人付き合いできないと社会に出て困るからな~」

あんたには言われたくないと思うところだけど、カツコの人脈は広い。

下手したら国外のレジェンド級の選手を連れてきそうな勢いだ。


「サッカーだけやってたらもったいないよ。いろんな人と出会って吸収してね」

カナコの後にカツコの爆弾発言炸裂です・・・。

「だ~か~ら~。最低でも英語・・・というより英会話できるようにな~」

「カツコ先輩!そうですよね!!」

「じゃあ、英語オンリーで練習するか・・・それにスペイン語でもフランス語でもポルトガル語でも・・・」

マジかい!この人の考えていることはどんなんだ??


「え?カツコ先輩ってそんなに話せましたか?」

「うんにゃ、英語とドイツ語少々・・・」

なんだか下手な漫才見ているようです。


でも、ぼくたちはちゃんと練習しています。

夏休みに突入しますしね!!



そして、夏休みに入るとすぐにU-15フットサル大会に有志を募って参加することになる・・・。

有志って全員だったのはZAALならではのお約束ですが、久々のフットサルです。


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