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実は、真田君は人類を滅ぼしに来た使徒でして。  作者: 樋口ユウタ
第一章~手紙の送り主は誰だ~
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『人類撲滅計画』、始動

「おい、聞いたか」

ラスカーが神妙な顔をしながら話しかけてきた。いつもは適当の権化ごんげと言われる彼でも今回は笑っている余裕はないってことらしい。


「あぁ……聞いたよ、ついにあの計画が始動するらしいな」

「仕方ないさ、人間はあまりにも愚かだった。その人間を止められるのは俺達だけさ」


そう、人間はあまりにも愚かだった。紀元前から止まることのない争い、環境破壊、最近では”核”なんて魔王・サタンでさえもビックリするような代物まで作り始めた。

今まで神はそんな人間達を許してきた。だが……もう我慢の限界らしい……。


「アダムとイヴはこのようなことを望んだと思うか?」


僕の問いにラスカーは、う~んとうなりながら答える。


「そんなこと望んでいたかは分らんが、少なくとも予想はしてなかったんじゃないか。今まで存在した預言者達も滅亡は預言できても、その原因までは分からなかったはずだ」

「本当に愚かだよ……」



数分後、最初の人類に同情しながら話していると目的地へとたどり着いった。そこには『人類撲滅計画本部』と書かれている。


「あ~あ、これでしばらく天界ともおさらばか~」

「どれぐらい地上に滞在することになるんだろうな。まぁ、そんなこと言ったって仕方ないよ。入ろう」


あぁそうだな、とラスカーは何かを決心したように一度頷きドアノブに手をかける。

そしてゆっくりと引いていくと向こう側から、思わず目を閉じてしまうほど眩しい光が差し込んできた。


「眩しっ」


腕で顔を隠すようにして部屋へと進む。するとその空間の真ん中から神々しいオーラが発せられていた。

なるほど、この光の正体はこの方のオーラによるものだったか。


他の使徒達も集まってきている。

僕とラスカーが所定の位置へとたどり着くと、そのオーラの主はその渋い声で話し始める。


「よくぞ集まってくれた、我が血肉を分けし十二人の使徒よ。どこかから情報が漏れていたようだがお前達の知っている通り、『人類撲滅計画』を始動する時が来た。いや、来てしまったと言うべきか」

やれやれといった感じで話し始めたのは我らがおさである全知全能の神・ゼウス様。束ねねばならないほど長い白髪に、整えられた白い髭、老人とは思えないほどに鍛えられたその肉体ーー。

初めてゼウス様を見るがなんて神々しい方だ。長というのは僕達とこれほどまでに違うのか。


「今から計画を伝える」


ゼウス様のその言葉でその場にいた全員の表情が強張こわばったことが、その場の空気がより一層重くなったことで感じられた。


「まず、お前達には地上に設置されている”地球無力化ボタン”を押してきてもらう。このボタンを押してから一年後に人類は様々な災害によって滅ぶことになるというわけだ。そして、その日までお前達は自分が押したボタンの近くに滞在しておいてくれ。それから……」

「質問です!」

と話を続けようとするゼウス様の御言葉は遮られた。


ーーその場がシーンと、誰もいないのかと錯覚するほど静まり返る。


誰だ、ゼウス様の御言葉を遮るなんて自殺行為だぞ。そもそも誰が話していたとしても遮るなと学院で習わなかったのか。

僕があまりの馬鹿さに呆れていると


「なぜあたし達は滞在しなければならないのでしょうか? 人間にはボタンは見えないと聞きます。ということはあたし達がいなくても大丈夫なのでは?」

所々言葉遣いがなってない彼女の名前はエアリス。僕が通っていた学園の一番の劣等生だったけどこの場にいるってことは出世したんだな。


「ほっほ、よい質問だなエアリス。まさしくそのことを話そうとしておったのだ。しかし、人の話を遮るのは感心せんぞ」

ゼウス様は優しく微笑んでいたが続きを話そうとした瞬間、その優しい顔が険しい顔へと豹変した。その顔には少しだが怒りが込められているようだ。


いきなり顔が険しくなられた……。ゼウス様をここまでさせる何かがあるってことだろう。


「実はこの『人類撲滅計画』に反対する勢力がおるのだ」


なっ……

……まさか

愚かな……



その事実に皆がざわつく。


今までゼウス様のお考えは絶対であり、それに背くような者が現れたことはない。それだけゼウス様は唯一であり偉大な御方、それゆえ反抗勢力の出現は超異常事態。それこそラグナロク以上にありえないことだ。

ちなみにラグナロクは終末の日を意味する。


ーーしかしこいつらゼウス様の前でペチャクチャと勝手に……

「おい貴様ら、静かにしないか! ここは神の御前であるぞ!」


僕の怒号に先ほどまで周りの者と喋っていた奴らが静まり返る。

落ち着け馬鹿ども。……確かにこれは異常事態だが動揺しているのはゼウス様だって同じだろう、そこを汲み取れ。


「続けてくださいませ、ゼウス様」


その言葉に、先ほどまで険しい顔をなさっていたゼウス様は静かに微笑み


「オホン……その勢力の名前は反抗神レジスタリア・ゴッズといってリーダーや潜伏先は不明。もちろん構成人数なども分からん」


反抗神レジスタリア・ゴッズか……、愚か者め。それでは人間と同じではないか。


愚かな神を憂いていると、突然、話を聞いていたラスカーが口を開く。


「質問なんですが……おっとロジャース、怒るなよ」

「はぁ……分かったから早めに済ませなよ」


ラスカーはサンキューと言わんばかりにこちらに向かって三度ウィンクし


「奴らの目的は何なのでしょうか? ゼウス様に背くということは死を覚悟しているということ、何が彼らをそこまでさせるのでしょうか」


結構ちゃんとした質問じゃないか。案外こいつは聡明なヤツなのかもしれないな、認識を改めておこう。


「それだが目的は分かっておらん。全知全能といえど今回のようなケースは初めてなのでな。しかし我々の行動を妨害してくると考えたほうがよい、お前達、気を付けて行ってこい」



ーーゴゴゴゴゴゴゴゴ


ゼウス様がそう言うと同時に空間は先ほどと同じように真っ白な光に包まれ、ゴゴゴと轟音を立てながら空間全体が揺れ始めた。


なんだこれ、空間自体が揺れている……!?


「では行くのだお前達! 生きて帰ることを心から祈っておる!」

ゼウス様がそう言い放つと、真っ白だった空間が突如暗転し、周りが見えなくなってしまった。




ーー気が付くと、僕は見知らぬ土地に立っていた。


「僕はーー僕は誰なんだ?」


ここまで見てくださってありがとうございます。今日から連載を開始します。どのような頻度で更新するかについては第2話に記載したいと思います。

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