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ようこそ!迷宮闘技場へ!  作者: へたすん
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不死族の魔人2

少し寄り道

果てしなく続く不毛の大地、荒れた土地の中央には大きな穴があいている。

その中央に横たわる三つの遺体に近寄るものが現れた

「誰だ?あんた」

声を出したのは最も損傷の酷い亡骸である。正確には声を発した訳では無いのだが、その声はまるで遺体が喋ったように聞こえるのだ

しかし、白い神の少女はそれに答えることは無い

「何をしにきた?」

答えがないとわかっていても、男の声は少女へと問いかける

真っ白なワンピースに身を包んだ少女は無言のまま、原型を留めたふたつの遺体に触れた瞬間、遺体は砂のように崩れていった

「お前、殺すよ?」

その声には確固たる意志が込められているが、これにも少女は反応を示さない

少女が魔法を唱えると、砂は正五角形の棺をつくりあげた

「貴方を倒すことが出来る者は、今の時代には存在しません。いつか貴方を倒せる者が育つまで、あなたを野放しにはできないのです」

「へぇ?それは女神の言葉か?」

男の遺体を棺に収めながら、少女は呪文を繋いでゆく

「次に出た時はどんな相手と戦えるんだろうね?」

子供のような無邪気な声で、男はまだ見ぬ強者に思いを馳せる

「もちろん、貴方が勝てない相手です」

「それは本当に楽しみだ」

少女は棺の中へと入り、完全に密封する

地面へと埋まった棺の周りには人の気配はなく、ただ薄暗い荒地が広がるだけであるが、その後降り出した雨により穴は水に満たされ、棺は大きな湖の底へと沈んだのであった




「みんなが生まれるずーっと昔、この土地がまだ何も無かった時、ここで世界の運命をわけるひとつの戦いがありました。純粋な暴力と人のために立ち上がった者。名前も知られていない1人の英雄は、愛する者のために命をかけて戦い、その命と引換に災をもたらすものは封印されたのです」

湖のほとりでお伽噺を語るのは蒼い髪をした女性。彼女の周りには妖精達が飛び跳ねている

「今も封印されてるのー?」

その中のひとりが疑問を口にする

「当時封印された者を倒す事はできませんでしたから、今も湖の底に眠っているはずです」

「こわいー」

「いつか封印がとけたりしないのー?」

「いつかは解けますが…それはその者を倒す者が現れた時、その者が棺に触れることで封印が解けるとされています。だからみんなはその人が来るまで、この場所を平和にしておくことが生まれ持った使命なのですよ」

女性が話を終わらせると妖精達はそれぞれの遊び場へと飛び去っていく

「彼がこの地に訪れるまで…何も無ければ良いのですが」

そのつぶやきには確信に近い不安が込められていた



かつて草すら生えない不毛の土地は、いつしか木々の生い茂る楽園へと変わっていった。

その中央に位置する湖の真ん中に、世界を終わらせる者が眠っている事はその楽園で暮らす妖精達しか知らないのだという…

明日は本編。のはず。


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